Sky from a jewelry studio---

どんな時間を生きていても、誰の上にも広がるそら。

タイムカプセル的回顧術

2005-01-17 06:50:55 | jewelry
なんか、バツが4つ?わかりづらい写真ですが、ワックス型です。昨年にサンプルを作ったクロスネックレスの地金代が入ったので、ゴム型にとって複製。写真はこれからキャストに出す前のものです。
年が明けて、早半月。日記の更新もままならぬまま、お正月で崩れまくったリズムを取り戻すのにここまでかかってしまいました。
やっと最近レッスン以外のことができる余裕ができたので、作りの仕事もさくさく進む・・・予定?
更新もしばらくストップしてしまったので、これからはまた週1・2回のペースでやっていきます。今年もよろしくお願いします。

それにしても、ゴム型って、不思議です。一度完成品原型)を作っておいて、それをシリコンゴムに埋め込みホットプレス機で押さえて原型をとりだし、中が空洞の型を作っておくと、後から何度でもワックスを流し込んでほぼ同じ状態のものが何個でも作れるんです。
これは、同じものを複数個作りたいときにやる王道のやりかたで、これ自体にはなんの不思議もないのですが、ゴム型自体は何の変化もなく、何年でも寝かせておける、というところがミソなのです。
自分が着用する以外は、通常作ったものは人に渡して手元にはなくなってしまい、写真にとるしかデータの保存方法はないと思い込んでいたのですが、ゴム型にとると、ずうっと前に作ったもののきらめきを目の当たりにすることができます。それはやはり写真ではなく、立体として感じるインパクト・・・まるで、タイムカプセルです。
ものをつくっていく、という行為をずうっとやり続けていると、技術的には進歩しているかもしれないけれど、それ以外の部分で変化したり捨て去ったりしていく部分もやっぱりありますから、昔とっておいたゴム型を何年か後に形にしてみると、そのときにどういうことを考えて作ったかとか、なにに向かっていたかとかがリアルにあらわれていて面白いです。
まあ、それだけのためにゴム型をとるっていうのはコストもかかるし無駄な行為かも知れませんが、おおこれは!と、自分でも納得の一品ができたら、ゴム型にとっておくのもひとつの手です。また、何年か後に形にしてみると、新しい発見があるかも。
私の場合は・・・・たぶん苦笑に終わるでしょうが(笑)
でも、ゴム型にとっておきたくなるようなものを今年は一個でも多く作りたいもんです。

話は少し逸れますが、今日は阪神大震災からちょうど10年。(時刻も今くらいですね。)あの時神戸に住んでいて、大地震を経験し、今も神戸に住んでいる私でさえ、あのとき感じたこと、いろいろなことが曖昧な過去のことになろうとしています。
人の気持ちや、記憶はゴム型にはとれないから、せめてこの日だけは、あの地震だけでなく、すべての天災や人災(戦争・テロなど)でお亡くなりになった方々の冥福を心より願い、こんな無力な自分にも何かできることがあるのか、考え直したいです。



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