里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

クリンソウ 沢沿いに自生

2017-03-12 | 日記

仙台市泉区の北西部、山の中腹になだらかな台地状の広がりがあって、何本かの
小沢が流れています。標高は350mほどでしょうか。
沢の源流部ゆえ流れは細く、なだらかな一帯ですから沢沿いを歩くことができます。

林道の脇が細長い湿地になっていて、「ここならサクラソウが咲いているかも ?」
などと呟きながら湿地の奥に入っていくと、シダの間から桃色の花のようなものが
チラッと見えました。「えっ、本当にサクラソウかよ ? !」近づくと、サクラソウより
ずっと大きなクリンソウでした。周辺を探すと、まだ花を付けない小さな株も
含めて、6株が自生していました。




                             二枚とも2016.5.14撮影

種は下流に流されていくはずだから、下流側にはもっと生えているかも ? と考え
沢を下ってみることにしました。春のうちは草藪が低く、蔓草も伸びていないので、
あまり労せずに沢を下ることができます。
200mほど下る間に、点々とながら10株以上の自生を確認しました。
幅のない小沢沿いですから、このくらい生えていれば立派な自生地と言えるでしょう。
なお、クリンソウは宮城県の絶滅危惧種に指定されています。




                             二枚とも2016.5.14撮影

サクラソウ科サクラソウ属の多年草で、北海道~四国に分布する。
山地の湿地や周辺の草地、沢沿いなどに自生し、草丈は40~80cm。
根茎は短く、分枝して新株をつくる。
葉は大きく、根生してロゼット状となる。葉身は倒卵状長楕円形で、長さ15~40cm、
幅5~13cm、先端は丸く、縁に鋸歯があり、表面にはしわが多い。
葉身の基部は次第に狭まって翼のある柄状になり、ふつう赤味を帯びる。
花期は5~6月で、花茎は直立して高さ40~80cm、2~5段輪生して多数の花を付ける。
花の直径は2~3cmで、花の色は紅紫色、稀に白色もある。花冠は先で5つに裂け、
横に平開する。それぞれの裂片の先は浅く2つに裂ける。
萼片は緑色で5枚、雄しべは5本、雌しべは1本。
果実は蒴果で直径7mmほどの球形、萼とほぼ同長。
和名は、段になって輪生する花の様子を、仏塔先端の「九輪」に見立てたもの。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿