里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

シュウカイドウ 三角翼付きの果実

2017-11-05 | 日記
一関市藤沢町藤沢の南部、山上のリンゴ園への上り口に、一軒の民家があります。
農道を挟んだ向かい側は山陰になっていて、日陰を好む草木が種々植えられています。
低木ではアジサイとミツマタが多く、それらの間に赤い茎の植物が生えているので、
確認すべく歩み寄ると、シュウカイドウのようです。
花はとうに終わっていて、今は三角翼の付いた実がたくさん生っています。

一部は植えたものでしょうが、これほどの群生地は見たことがないので、種子やむかご
で増えたのでしょう。山陰の湿った斜面が、よほどお気に入りなのでしょうね。




                            二枚とも2017.10.25撮影

シュウカイドウを漢字表記すると「秋海棠」となり、これは花の色合いや垂れ下がる姿が、
バラ科の海棠(カイドウ)に似ていて、秋に咲くことからきています。

中国南部から東南アジアが原産の帰化植物ですが、地下に塊茎があることで寒さをしのぎ易い
ためか、関東以西では庭園や花壇などから逸出して、多湿な崖地や、切り通しの法面などで
見られるようです。近年の温暖化で、宮城県内でも野生化しているかも知れませんね。


                                2017.10.25撮影

シュウカイドウ科シュウカイドウ属の多年草で、中国南部~東南アジア原産の帰化植物。
江戸時代の嘉永年間に中国から渡来し、各地で栽培された。
現在では、日陰で湿気の多い土地に野生化している。全体多肉質でみずみずしい。
地下の塊茎から40~80cmの茎を出し、よく分岐して直立し、葉柄のつけ根は赤みを帯びる。
葉は互生し、葉身は左右非対称の卵状心形で、長さ10~15cm。先端は細く尖り、縁には不規則
な鋸歯がある。葉柄は赤くやわらかで、長さ10cmほど。

花期は8~10月、茎頂や節から集散花序を出し、直径2~3cmの淡紅色の花を下垂して咲かせる。
雌雄異花で、先に雄花が咲く。雄花は大きな外花被片が2枚、小さな内花被片が2枚。中央には、
黄色い球状の雄しべが目立つ。
遅れて咲く雌花は、大きな外花被(萼)2枚と、小さな内花被(花弁)1枚からなる。雌花の中央には
黄色い雌しべがあって、花柱は3個、柱頭は2岐する。
果実は長さ3cmほど、3角状の翼が3個付く。果実内は3室に分かれていて、微細な種子が無数
に入っている。花後、葉腋に1~3個ずつむかごが付く。
晩秋には、むかごは地面に散らばり、春になると芽を出す。





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