100分de名著 中井久夫スペシャル
第2回 『病』は能力である
「なぜ統合失調症は世界のどこにおいても人類の1%前後に現れるのか」という問いに対し中井は「人類のために必要だから」という大胆な仮説を打ち出す。
例えば大航海時代、孤独な決断によって数々の困難を冷徹に乗り越える船長には天候や空気などの微細な変化・徴候を読み取り次に何が起こるかを予測する能力が必要だった。
その能力の基盤は統合失調症の症例と酷似する。かつて人類は誰しもその能力をもっていた。
激変する人類史の中で不必要になったその能力が抑圧されることでこの病が生まれたのではないか。
中井はこの病をむしろ肯定的に評価する。
第二回は、「分裂病と人類」を読み解くことで、「私たちにとって病とは何か」「正常や異常とみなされるものの間に境界はあるのか」といった根源的な問題を深掘りしていく。
HAUSER - Intermezzo from Cavalleria Rusticana
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