100分de名著 中井久夫スペシャル
第3回 多層的な文化が『病』を包む
従来、精神病理は「普遍症候群」「文化依存症候群」という二つのカテゴリーに分類されてきた。
だが、中井は、永年の臨床体験の中から「個人症候群」という、あるひとりの個人に一回きりしか現れない症候があることを明らかにしたのだ。
そのケースでは個人が土着する文脈にこそ治療につながる鍵がある。祈祷や民間療法がはるかに効果を発揮することすらあるのだ。
この視点は普遍的な基準のみに依存する近代精神医学への大きなアンチテーゼとなった。
第三回は、心のケアにおいて、個人を支えている文化がいかに重要か、それを活かしていくにはどのような方法があるのかを「治療文化論」に学んでいく。
HAUSER - Intermezzo from Cavalleria Rusticana
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