日経平均株価が2019年10月11日、終値で2万881円をつけた。
安倍政権発足以降の高値2万868円(2015年6月24日)を超え、1996年12月5日の2万943円に迫る、20年10カ月ぶりの高値水準である。
このことはアベノミクスが有効に働いていることを示す確かな証拠であり、始まったばかりの衆院選挙においても自民有利の材料になる。
しかし、メディアをはじめ株式市場も投資家も冷静である。テレビ解説者は「指数だけがあがっている」とそっけないコメントをしている。彼等の本心は「最近の株高は日銀の超低金利政策やETF買いに下支えされている」ということであろうが、権力者の逆鱗に触れることを恐れ、本当の事を口にする人はいない。
確かに、今日の市場でも、値上がり銘柄は877であり、値下がり銘柄1045を下回っている。また、指数への寄与度の高いファナックやリクルート、ソフトバンクは上昇しているが、第2部、ジャスダックおよびマザーズに上場されている小型株は利益確定売りでおおむね下落している。
メディアに出てくる株式評論家の言っていること、考えていることは正しいと思う。しかし、株価は理論や理屈で動くものではない。日経平均は、選挙期間中はもとより、その後においても上昇を続けると考える。
株価が天井をつけるのは、投資家の警戒心が薄れ、誰もが熱狂して株を買う時である。こうした暴騰の場面を見ないで天井をつける相場はない。最近の株価は外人の動向に左右されると言われている。しかし、日経平均の天井を形成するのは日本の個人投資家の行動である。
彼らは、株価の上昇局面においては慎重であり、少しの値上がりで利益を確定する。しかし、上昇に慣れてくると、利益確定を先に延ばし、買いのみに走る時が来る。この時が天井である。
今のところこうした兆候はない。今日の相場でも、個人は値上がりした銘柄の利益確定売りを出しており、その証拠にここ数日急騰した小型株は値を下げている。
筆者はこの際、全力投資をすべきであると考えている。特に、選挙期間中は大きく下げる心配はまったくないと考える。
選挙終了後は、少しく慎重になり、個人投資家の動きを注意深く観察する必要がある。この好調な相場がいつまで続くかは誰にも分からない。相場に参加する投資家の動きを見て、天井の接近状況を見極めるしかない。ただ、日本経済の実態は非常によく、日経平均は誰もが考えなかったような水準に達するであろう。
最後に、北朝鮮の核ミサイルだけは心配である。これは、相場の天井を先に延ばし、株価上昇の期間を拡張する要因でもあるが、全てを無にすることもある。