市ヶ谷日記

喜寿を超えた老人です。日々感じたことを、過去のことも含めて、書き記しておこうと思います。

次期アメリカ大統領選挙においてブルームバーグ前ニューヨーク市長はトランプ大統領に勝つことができるか。

2020-02-08 | 独吟
 民主党のアイオワ州党員集会で中道派のブティジェッジ氏が、次期アメリカ大統領選挙における民主党候補の首位に立った。予想外の結果である。しかし、これは初戦における勝利であり、民主党の大統領候補選びが本格化するのはこれからである。
 アイオワ州党員集会の結果で注目すべきは、これまで全米支持率でトップを走っていたバイデン前副大統領が4位に後退したことである。これでバイデン氏の次期大統領候補の可能性は限りなくゼロに近づいた。
 それでは、民主党の次期大統領候補は誰か。今回首位となったブティジェッジ氏でないことは明らかである。彼を支持した票の割合は僅かであり、その上、彼には38歳という若さに加えて、言うに言われぬ致命的な欠陥がある。また、これまで善戦してきたサンダース候補やウォーレン候補もマジョリティーを確保するのは難しいであろう。
 筆者は、次期アメリカ大統領選挙において民主党の候補に擁立されるのは、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏であると考える。そして、最終的に次期アメリカ大統領の椅子を射止めるのもブルームバーグ氏であると確信する。
 マイケル・ブルームバーグ氏は、遅ればせながら昨年11月、大統領選挙出馬を明らかにした。トランプ現大統領の独り善がりで非倫理的な言動がアメリカの威信を貶めているとし、「トランプ打倒、アメリカ再建」を掲げて大統領選挙に挑むこととなったのである。
 よく知られているように、トランプ大統領の政治姿勢は世界の良心の顰蹙を買っている。TPP協定やパリ協定、イラン核合意などからの離脱は、明らかに今後の国際経済の発展や世界平和の実現に反する。彼を苦しめていた弾劾裁判の結末も常識あるアメリカ人にとっては茶番そのものであった。
 また、ブルームバーグ氏はアメリカ有数の資産家である。3回のニューヨーク市長選挙はすべて自分のポケットマネーで戦った。市長に就任してからも、報酬1ドルで任期を全うした。世界的な慈善活動や教育機関に対する寄付にも私財を投じている。フォーブス誌によれば、彼の資産は555億ドル(約6兆円)であり、不動産王として名高いトランプ大統領の資産31億ドルは足元にも及ばない。
 IT技術の発達でアメリカのマスメディアがその力を失い、アメリカ人の良識が政治に反映されなくなって久しい。アメリカ選挙民が、ツイッターで「アメリカ第一」を叫び、世界秩序の維持や気候変動に関して特異な言動を振りかざしているトランプ氏を選ぶか、「偉大なるアメリカの復活」を掲げ、ビジネスや政治、慈善活動に実績のあるブルームバーグ氏を選ぶか、2020年11月のアメリカ大統領選挙は我々日本人にとっても無関心ではいられないイベントである。