運動会や園児の手描き万国旗
紅白の空に玉舞ふ運動会
玉入れの籠は変はりし運動会
先生の園児子守す運動会
先生と園児と共の運動会
運動会の記憶は、高学年の頃よりも幼い頃の方が記憶に残っています。
数少ない母の記憶もあります。それは「宝さがし」と言う競技でした。幼稚園だったか一年生だったかははっきり思い出せないのですが。まず、子供たちが先生の後に付いて、小走りにぐるぐると輪を書くように走ります。数回まわったところで先生が笛を吹きます。そこでぼくらはバラバラになり顔をうつむくようにして、両手で隠してしゃがむのです。そこで「用意、ドン」のピストルが鳴ります。白線に足をかけて我が子を目で追ってた父兄が走って行って、我が子を探すのです。子供たちはじっとしています。親たちは覗き込んで我が子を見つけます。よその子の手をとって走り出すおっちょこちょいもいて観客席は大笑いです。僕は、母の「どこやろ?」といった探してる声を聴き、思わず「母ちゃん」と顔を上げました。母は「ああ、そこにおったんか」と言うように僕の手を取ると後はゴールまでまっしぐらでした。
顔を上げて母を呼ぶなんてインチキでしたが、一生懸命に探してる母の声に思わず顔を上げたのでした。