1ダースのチョコレート

2009年06月12日 20時27分20秒 | 岩溪寛司
些細な事ほど自分の思い通りにいかない事が多い。
例えば明日の天気とか風の向きからチョコレートの在庫状況まで。
どうしようもない。
ここから先は聖域。

アラブの石油王なら資本主義の大国の大統領に働きかけてチョコの在庫を操作できるかもしれない。
1ダース程のチョコを常にキープする事が可能なのかもしれない。

でも僕には例えば「品切れ」という通告には黙って従うほどの社会的権力しか持ちあわせていない。

今日、僕はそんな風に憤りを覚えた。
ほんの些細な事。
それは誰も傷つかず誰も損をしない事。
そんな些細な事を僕は僕の力の及ばない領域で拒否をされた。
無力感。
そして自尊心の欠損。

いやあるいは僕がもう少しパワフルになればこんな事にいちいち無力感を覚える事もないのではないか。

僕の前に比喩的に立てられた「通行止」という看板を前に考えた。
どこまで昇ればこの無力感を感じなくなるのか。

アラブの石油王は無力感を感じる事はないのか。

あるいはチベットの高僧はそんな凡庸な自尊心をも持ち合わせないのか。

僕には今は無力感によって支えられた野心を自尊心をもって養うしかないのか。