森の詞

元ゲームシナリオライター篠森京夜の小説、企画書、制作日記、コラム等

2003年3月27日 激昂

2008年03月27日 | あるシナリオライターの日常

 午前1時、就寝。
 午前7時30分、起床。吐き気。欠勤、自宅作業。

 エイブル氏からメール。返信。

 師から再度メール。
 一生を創作で食べていくつもりなら、一生をかけて追い求める作家としてのテーゼを、自分自身で明確にしておかねばならない。しかし私には絶対的に人生経験が足りない。おそらく自分が真に書くべきものを見つけ出すには、あと7年はかかるだろう。
 選択肢は二つ。
 ひとつは、先にストーリー構築の技術を徹底的に叩き込み、その後で自身のテーゼを模索する方法。だが真に書くべきものも見えていないのに技術ばかりが先行すると、へたに書けるがためにテーゼの模索がおろそかになり、器用なばかりで読者の心を深く打つ作品が書けなくなる恐れがある。そうして消えていった作家は掃いて捨てるほどいる。
 もうひとつは、眼を、耳を、感覚を鍛え研ぎ澄ませることを最優先とし、真に書くべきものを見つけ出してから技術を学ぶ方法。だが職業作家としてのスタートは大幅に遅れる。そして、師は若くない。私が書くべきものを見つけてからで、技術の伝授が間に合うか。
 回答期限は、明日。

 OP曲に関して先輩から指示。
 2分ではムービーを乗せるのに長すぎるため、1分前後のショートバージョン制作を依頼せよ。

 ふ・ざ・け・る・な!!!

 貴様は阿呆か!? そんなことは最初から容易に想像できることであろうが!
 そもそも2分で依頼せよと指示したのはどこのどいつだ! 文章であろうと音楽であろうと、増やすよりも削るほうが遥かに難度の高いデリケートな作業になる、それを今更無償でやれと!? しかも原曲のイメージを損なわずに!? それなら何故最初から「1分前後のノーマルバージョンと2分前後のロングバージョン」という形で依頼できないのだ!
 そもそも今回のOP曲は、個人的なコネを最大限に利用し、山西利治氏というビッグネームに破格で作曲していただいている。名前で対応を変えるつもりは毛頭ないが、氏ほどのビッグネームになればスケジュールは常にギリギリだ。それを押してまで好意で仕事を引き受けてくれた相手に、こんなにも身勝手な依頼ができるものか!


 先輩、山西氏、エイブル氏と3時間ほどOP曲に関するメールをリアルタイムで交換。
 結局、ムービー製作者のカジマ氏がどうしても2分では無理だと音を上げた場合に限り、山西氏の好意に甘える形でショートバージョンを制作していただくことに決定。

 一つの決意。
 この会社にいる限り、もう二度と望月女史、エイブル氏、山西氏に仕事は依頼すまい。
 新たな人材にも、私からは決して声をかけまい。
 この会社で仕事をすることは、余りにデメリットが大きすぎる。

 シチュエーションの把握から一行物語、骨格物語構築までの手法を復習。新たに浮かび上がってきた疑問を師に質問。

 『天使な小生意気』4巻をレンタル。

 海藤からメール。まだトップページにも載っていない、本日の日記を見ての意見。
 技術を先行させ、その技術を効果的に用いる方法論について。
 ありがたい。既に気持ちはある程度定まっていたが、決意できた。

 師にメール。技術の修得を優先する。

 『アンリミテッドサガ』をプレイ。

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