森の詞

元ゲームシナリオライター篠森京夜の小説、企画書、制作日記、コラム等

入学式。そして病院へ。

2010年04月06日 | Weblog
 ずっと忙しい日々が続いていましたが、今日は特に大変な一日でした。

 まずは息子の入学式へ。
 今年は桜の開花がかなり早かったので心配していましたが、染井吉野も紅枝垂桜も共に満開で、舞い散る桜吹雪の中、最高の入学式を迎えることができました。

 ──は、いいのですが。

 見渡す限り、とにかく人、人、人!
 なにしろ新一年生だけで195名の6クラスです。保護者や来賓を含めれば余裕の500越え。
 在校生からは二年生と六年生も列席し、教職員も含めると、実に1000名以上の人間が一つの体育館に押し寄せる事態となりました。

 元々この小学校は、生徒数の激減に悩んでいた5つの小学校が統合されて、平成になってから生まれたもの。
 その校区は南北に1.5km、東西に2kmと広大で、片道40分かけて徒歩通学する小学生もいるほどです。
 統合後は目新しさと充実した設備が人気を呼んで生徒数が増大。結果、かつて一学年に3クラスだった生徒数は倍増し、現在の総生徒数は京都市最大の1118名。ともだち100人できるかな、どころの騒ぎではありません。

 幼稚園のお友達とも離れ離れになり、文字通り、新しい学校生活が始まった息子。
 大きな期待と少しの不安に、胸がいっぱいになった入学式でした。

 明日は私も入校式。
 さあ、頑張るぞ!


 ──と、思ったのも束の間。


 息子の入学式を終えて帰宅し、遅い昼食をとった後。
 専門学校への入校準備のため職安を訪れていた私の携帯に、息子を連れてスイミングスクールに出かけていた妻からSOSのメールが。

 膝を痛めてしまって動けない、と。

 用事が終わり次第すぐに迎えに行く、と返事をした直後、職安のパソコンがシステムダウン。いつ復帰するかわからないという異常事態が発生。
 やむをえず実家の父親に懇願して迎えの車を手配し、自身は病院に連絡して受け入れ態勢を確保。
 職安のシステムが復帰した後、急いで手続きを済ませて帰宅。保険証と現金をつかんでスイミングスクールへと向かう道中、妻と息子を乗せて病院に向かう父親の車を発見し、自身も乗り込んで病院に急行しました。


 私の妻は、走ることのできない身体です。
 子供の頃から両方の膝を何度も骨折・脱臼しており、膝蓋骨(いわゆる膝の皿)は常にグラグラ。関節の軟骨は磨耗し尽くしており、通常の歩行ですら痛みを伴うことがままあります。

 大学生の頃に彼女と出会い、私は誓いました。
 もう二度と走ることのできない彼女を、自分が支えたい。
 彼女の足となって、共に歩いていきたい、と。

 そんなことを思い返しながら、不安に怯える息子をなだめつつ、病院の救急外来で待つこと2時間半。
 診断の結果は、要精密検査。来週に持ち越しとなりました。


 いよいよ小学校生活に突入した息子。
 突然歩くことができなくなった妻。
 そして、9年ぶりの学生生活を始める私。

 相も変わらず、様々な困難が降りかかる人生ですが。
 かつての誓いを、改めて胸に宿して。
 互いに笑顔を損なわぬよう、家族と共に精一杯、日々を歩んでいきたいと思います。