路地裏シルベットのアンオフィシャルblog

革ジャン職人の仕事と生態。 公式ブログでは書けないハピネス&マッドネスをお届けします。

2021/06/17

2021-06-17 05:34:00 | お仕事
犬の散歩で毎日使うHAIKAI-BAG
びしょ濡れになったので
オイルアップをしていました。





中のタグを見ると2014.11.29の刻印
あぁ見てしもうた
こんな時間に見てもーた、、

深夜のシミジミタイム突入である(笑)

正式には2013年10月がSilvetの始まりなんで一年後にリリースしたのです。

需要もあるし売れる商材なのに
なぜ一年後かというと、、、

作れば作るほど「かつてのモノ」に似てくるのである(笑)
デザインもサイズもwww
これじゃ出せぬ。

それもそのはず、
サラリーマン職人時代、下手くそな型紙自分で引いてサンプル作って企画会議出してと、自分が立ち上げたウエストバッグ。

やってる人間は同じなんで突き詰めりゃ同じになってくるわけだ(笑)

そこはメーカーどーのこーのではなく、過去の自分を超えれるかどうか。

組織のモノづくりでは常に効率とコストを考えなければなりません。

じゃあ、すげぇ非効率でコストが合わないモノを作ればいいやん、どーせ一匹狼やし!
で辿り着いたカタチがこれなわけです。

おかげさまで
アングラメーカーにしては山ほど作らせていただき、
これをきっかけに革ジャンのSilvetにハマってくれるお客様もたくさんいらっしゃいました。

しかし
誤解を恐れずに書くと
自分やお嬢がいつまでもHAIKAI-BAGを作っているようでは将来性はありません。

技術集団として革ジャンに特化するという目標のもと昨年から在庫のみの販売に切り替えました。

そしてやってきたズブな素人、大型新人(25)
HAIKAI-BAGは彼に引き継ぐ事にしました。

天才肌のお嬢に師事し
ド現場叩かれ上げの自分にイビられ(笑)
泣き言も言わず頑張っています。



彼の最新作がコレ

お嬢や自分にはまだまだ遠く及ばびませんが、
バッグも世代交代
私のメインバッグはコレでいきます。

そして次回からは
いよいよ売りモノ製作!

一発目は定価で出せるわけはなく、【Silvetのお客様限定】で格安でシークレット販売する予定です。

と偉そうな事を書きましたが、
自分も現場の革ジャン職人。
相も変わらず、今宵も歯食いしばって寝ます(笑)
















16年越しの

2020-03-06 02:56:00 | お仕事
革ジャン職人二年生になりたての頃です。

正味45分程の昼休みに、パンかじりながら台東区界隈の皮革問屋さんを回っていました。

仕事にも慣れて、自分だけの何かを確立したいともがいていた頃です。

なんせ先輩職人はみんなバケモンでしたから。

その時、色に惚れたゴートスキンのワインレッド。
見習い職人ゆえ一枚だけしか買えず(笑)

当時住んでた築40のボットン便所ミシン小屋で革を見ながら夜な夜なニヤニヤしながら飲んでました。

革見て飲めるのは未だに変わらず(笑)





あれから、
福岡の職場に吊るされ、
プレハブSilvet で丸まり、
路地裏Silvet で再び吊るされ、
越谷Silvet ではストックの奥に追いやられ、
浦和Silvet でも.....と思いきや、

若干仕事がスカスカになって来たのもあり(笑)
日の目を見ることに!

16年経ったゴートなんてスッカスカです。
売り物にする気はありません。
自分のリトルハイカイを作ろう!
だから、
お嬢に頼んでみた。

この革との出会い、
共に過ごした日々、
出会い、別れ、喜び?
身振り手振りで
熱く語った!

お嬢は手を止めず、
黙って頷いてくれている。

そして彼女はミシンの手を止め、


いや、そーゆーのいいんで、
じゃあ裁断と漉きやっといてくださいよ。



ありがとうお嬢
素敵やん。

自分で作らずとも、
嬉しくてたまらなくて、
ニヤニヤが止まらない。

自分で作ってないのに、そこはすげー成長だと思う。

作り手が
このワクワク感を現役で感じれるってのは実は大事なことだと
業界長くなると思います。

さて最近くらった魔女の一撃も
宮城のゴッドテレフォンドクターイチローさんのおかげで完治したので

また玄関で寝るくらい頑張ります。




なまえはちがえど

2019-12-15 01:43:00 | お仕事
夏に西日本ドサまわりツアーやった時のハナシですが、

広島でチャップスの採寸をさせて頂いたお客様から他社チャップスの修理をしてくれないかと頼まれまして。

見せてもらったら、
すごく特徴的なデザインのチャップスなんです。

他社製品の修理カスタムはやらねえとホームページで公言しているのですが、、


こりゃ臭えな、
なんか臭うぞと思ったので
確認したら

作ったの私でした(笑)
多分30歳くらいの頃
よく覚えています。




甲羅部分の糸のほつれを直して欲しいと。
いや、しかし、そのメーカーに出したら良いのではと提案したものの、断られたとの事。

うーん。

面倒くさいけど技術的に出来ない修理ではないし、
モノ作りにいい加減な会社ではないので、
なにか双方事情があるのだろうと。

黙ってお受けしました。

台座を外して、
手縫いして、
ついでに裾などのほつれを直して、

バラしながら
うぉー
俺の縫製やん!
このミシンのピッチやん!
素敵やん!

と思ったのでした。

今となっては看板は違えど、 
甲羅部分は外注製作でも
私に責任が無いわけではないので
お金を貰うのも申し訳なかったんですが、

そんなだから俺は貧乏なんだと(笑)

心を鬼にし、最低限の工賃だけいただきました。

メイドインジャパンと
メイドインナニガシの違いは、
作るモノに対して愛情があるかどうかだと思っています。

さて、
屁こいて歯食いしばって寝ます。







赤い革

2019-05-09 20:26:43 | お仕事
遠方のお客様から
赤い革ベストが作りたいと。

赤は赤でもいろいろあるので
台東区の皮革問屋さんを回って手に入れた赤革カットサンプルと
ウチのオリジナルステアの赤を送らせてもらいました。



有難い事にお客様がチョイスされたのはウチの赤い革。

今日、革漉き機の調整をしている時に、
ふと思い立ち、
赤革達を漉いて(削る)みた。

まあ、なんということでしょう!


芯通しの違い(笑)
ウチのがどれかは言うまでもない。

1番色が薄いやつは1番敷居が高い高級問屋さんで売ってる革だったりする。

なぜそこに固執するかは、
ライダースやバッグ類は擦れるから。

で、爪でこすったった!


こーゆー事です。

だからウチはタンナーさん(皮をなめして革にする方々)と直でやってます。

ここだけは譲れねー
がないと、私の場合独立する意味はなかったわけで、
誰でも手に入る革にはワクワクしませんでした。


話は変わり、
世界一の液晶テレビや
世界一の車を作っていたエンジニアが

1人になって同じ世界で世界一のモノが作れるかというと、
そこには莫大な資金やコネクションが必要だと思います。

しかし、この革ジャン職人の世界は、
学びを絶やさず、良い材料が入ればなんとかソコ狙えます!(品質において)

最低限のマネーは要りますが、
情熱だとか勢いとかの汗臭さがまだまだ通じる世界です。
というか、でした。

資本はないですが(笑)
夢と希望しかありません!

さぁまた新しい試みをはじめます!
良い馬を狙っている方々はお楽しみに。








サムラァイ (アニキ風)

2019-04-18 15:28:53 | お仕事
英語数学まるでダメだけど
あっちの方はインテリジェンスです。

「名ばかりのものは要らない あなたと仕事がしたい」

翻訳ソフトはそう訳しやがった。

私が業界に対して抱く思いを代弁してくれてる(笑)

詐欺か?
しかしブツは届くらしい。

広告ベタですが、
真面目に品質落とさずやっていれば目を止めてくれる人はいるもんだ。

かつて台湾のLU君に言い放った。
「大丈夫、私は革ジャンのサムライだ!」

血湧き肉踊っています。



マルタイでクールダウンして頑張ります!