正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

依正不二とは

2005-11-21 | 手引書⑪

 「依正不二」とは、私達と住む環境が密接な関係にあることを説かれた法門です。日蓮大聖人は『一生成仏抄』に、
 「衆生の心けがるれば土もけがれ、心清ければ土も清しとて、浄土と云ひ穢土(えど)と云ふも土に二つの隔てなし。只我等が心の善悪によると見えたり」(御書46)
と仰せのように、私達の心がけ次第で住む環境が、汚れもするし、綺麗な住みよい場所にすることもできます。人の心が三毒強盛な気持ちで生活すれば、住んでいる環境も自然と汚れてきます。しかし、信心をして正しい仏法を学び、身口意の三業に実行すれば、住む環境が清浄化され、住みよい環境になります。つまり「娑婆即寂光」ということです。
 国土を清浄にする上で、信心以外の方法では限界があります。その限界を回避するには、信心をして、更に世間的な様々な方法を用いなければ、本来の力を発揮しません。一時的に、善い方向に行っても、新たな問題を抱えることになります。日蓮大聖人が仰せになることを信じ、御本尊様に御題目を唱えるところに国土も清浄になります。
 「依正不二」は、依報と正報が二として不二であることです。別々のように見えても、互いに影響されながら存在しています。依報が環境世界で、正報が自己主体であります。中国の妙楽大師が、『法華玄義釈籖』の「十不二門」に説かれています。
 一念三千において、五陰と衆生の二千世間を正報とし、国土の千世間を依報として、この依正の三千世間は、即一心・一念(生命)にあり、依正は各々別体ではなく、不二の関係にあるということです。
 「依正不二」は、私達の行動が直ちに環境に影響するという、一つの戒めであります。
 「依正不二」の法則を知ることで、相手の家庭環境を察する時に役立ちます。つまり、折伏に於ける相手の生活環境を観察する眼を身に付けることが出来る大事な法門が「依正不二」となります。経験していく上で、知識が身に付き、ある傾向が見えてきます。ある人は、このような環境に住んでいるとなれば、大凡の判断が出来るはずです。後は、確実性を高めるために対話なのかで掴むことが必要です。時には、経験だけでは、判断できない微妙なずれもあります。時として落とし穴があることに注意し、「依正不二」の法則を身に付けることです。
 「依正不二」を知ることで、人間関係を円滑にし、自分自身の言動を行き過ぎないようにする心のブレーキとなります。
 善悪両面に渡る依正があります。善の依正を知ることで、幸せになることを理解し、悪の依正を知ることで、悪道に行くことを理解することです。「依正不二」を信心で学ぶことにより、人生を明らかに見ることが出来ます。闇雲に人生を生きる人が多いなか、信心をして御本尊様を受持していけば、闇雲を完全に払い、明かりを灯して歩んでいくことが出来るのであります。