これまで、karagura56さんのブログ「浅きを去って深きにつく」から、友岡さんの言葉を拾ってきました。
同じブログには、友岡さんのセミナーや講演の記録も残っています。
「浅きを去って深きにつく」karagura56さんのブログ
講演 友岡雅弥氏第3弾!(October 21, 2006)
読みやすいように、まとめられるものは整理して再構成しました。
明らかな誤字脱字は訂正しました。
友岡講演 第3弾!ご参考に・・・
■友岡 雅弥氏(東洋哲学研究所・研究員)の講演内容(要約)
■日付/不明
■会合名/不明
(つづきです)
フロムは、「人類は2千数百年前に釈迦という1人の男によって一歩前進した。」と言っています。
これが宗教の始まりだそうです。
それまでは収穫を祈る村祭りだったんですよ。
初めて個人の内面を克服しようとしたんです。
釈迦は自分が生まれた時に高齢出産でお母さんが亡くなるんです。
王子として美味しい物を食べるたびに涙を流したんです。
「自分が生まれなければこれをお母さんが食べてたんだ。」
自分の生存がお母さんの死につながったんです。
ここから彼は自分を解放、乗り越えようとしたんです。
具体的には袈裟(カサーヤ)を着ようとしたんです。
袈裟とは、不可触賎民(ふかしょくせんみん)と言われる触っても見てもいけない卑しい身分の人達が他の人と区別されるために着ていたオレンジ色に染めた粗末な服です。
遠くから見てもわかるようにです。ガンジーが着てたやつです。
釈迦は王子ではなく、この人達と一生涯暮らそうとしたんです。
それでこの袈裟を着たんです。
つまり人間としてのどうしようもない悩みは、お金とか王子の身分で克服できないんですよ。
それは人間として大きくなるしかないんですよ。
そのためには一番貧しく苦しんでいる人達の所へ行こうと思ったんですね。
ここから宗教が始まったんですが、日本では再呪術化してしまったんです。
どうしても日本人は外からの物でも『こんなもんやろう』としてしまうんです。
それを徳川幕府が完璧な呪術に仕上げて、それをみんなやっているんですよ。
特に私が日本の仏教が嫌いになったのは、差別戒名です。
被差別部落の方にとんでもない犯罪を犯すんです。
被差別部落の方に死んでまで『畜男・畜女』と付けたんです。
これも外国からの外圧で問題になったんです。
アパルトヘイトの南アフリカでさえも死んでから墓石に黒人なんて書いていませんよと。
やっと今年になって曹洞宗が認めただけで、まだ他の宗派はやってるくせに全然、認めてない。
動物の男と刻んでいるんです。
7歳で死んだ女の子に『童去畜女(どうきょちくにょ)』と墓に書いてあるのを見たとき、これは許されへんとぼくはその時に誓ったんです。
これは犯罪だ。
日本人も、宗教が嫌いなんだったら、こういう事を嫌いになってほしいと思う。
こういうことを批判してほしい。
(つづく)
【解説】
特に私が日本の仏教が嫌いになったのは、差別戒名です。
友岡さんの怒りはよく分かります。
獅子風蓮