★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

解放区

2017-03-02 23:45:17 | 文学


私は「第9地区」という映画が好きであるが、なぜかというと解放区について昔から考えているからである。「第9地区」は「走れメロス」と同じく信頼みたいなものについて語っている。私は無論「第9地区」の方が好きで、これに比べると「走れメロス」は、歴史と政治に関して意識的に消去された設定が顕わだと思う。三島由紀夫と全共闘との議論で問題になってたのも全く意味合いは違うが、そんな対立における解放区である。三島が自分や全共闘に見た現在への執着(=解放区)への夢に対してやっぱり私は懐疑的である。彼らは、現在で言えば、森友なんとかとか加計なんとかみたいに成立している、比喩的にも形容できる「幼稚園」に対して反発しすぎているのではないかと思う。