くまだから人外日記

くまだからくまなのだ。

それでいいのだ。

天宮の乙女達…タジリスクの聖戦(9G) 103

2018-11-03 03:02:50 | 【偽書】シリーズ
「ルリ。ルリ…」
誰?私の名を呼ぶのは。
「あの炎の中でよく生き延びたわね」
あれ?メリー。良かった。無事だったのね。でも目の前のメリーは何だか若返ったような。
「イコルやティガー、そしてクインも無事だったよ」
ポットが言う。
あれ?どこ?ここは…。
「よく咄嗟にあんなマジックを」
ミトが驚いた様にいう。
「流石講座のリーダーですぅ」
シャーが私に笑顔を見せた。あれ?確かシャーは今は母星で…。
そうか。やっぱり私は死んだのね。ああ、最後にママに会いたかったな。ワガママな娘でごめんねと一言謝りたかった。
「さあ。これで全員揃ったね」
ジュンが人懐っこい笑顔を見せた。
「それにしても、イコルやティガー同様にルリも見事なミイラ姿ね」
あれ?私全身包帯姿?確かこれは。
「味方を高熱などの攻撃から守る為にぃ、大気中の分子構造を変化させてぇ硬い胡桃の殻の様に皮膚の外側を覆い隠す技を使えるなんて、流石リーダーは違うですぅ」
シャーが感嘆する。
「しかもそれは自分自身には放てない騎士技。でもクインの機転でそれをルリに水晶で反転させ、ルリに跳ね返すなんて、とっさの判断とはいえ冷静ね。百列の姫様は。確かに反転させれば、技を放ったのはルリではなくてクインの扱いになるものね。結果ルリ自身も身体の外側に殻を纏う事が出来て、古龍からの高温の火炎から身を保護出来た」
「それもクインのあの身体があってこそですね」
レイミーとエイミーは交互に現れ一人会話をしてみせる。
「え…っと。クインは無事だったの?あの古龍の超高温の火炎硫から生き残れるなんて…」
「やはりルリは知らなかったのか。クインの身体の秘密を」
「秘密?何?クインの身体の秘密って…ミトは何を言ってるの?」
「クインはね…」



「駄目だ。やはり息をしていない」
ミトは私の身体を何度も揺すったり口元に耳を当てて自発呼吸の有無を確認する。
あれ?さっきは生きてるって言ってくれていなかったっけ、ミト…?
「だから早く進もうと言ったのに」
「仕方無いだろう、エイミー。私やあんた達だって負界領域の知識も無く闇雲に進むなんて無謀な賭は出来やしないよ」
ティガーは落胆を隠さない。
「折角ジュンと交信出来て、負界領域への知識を得たと言うのに手遅れだったなんて…。ルリ、返事して!ルリッ!」
「あまり激しく揺するな」
「こんな事で死ぬ様なリーダーじゃないでしょ。あの時だって…」









ブログへお立ち寄りの皆様へ

gooのフューチャフォンアクセス終了に伴い、gooブログ 各【偽書】シリーズへの投稿を終了する事と致しました。

他SNSへの投稿は継続しております。
ストーリーに引き続きご興味がございましたら、〔検索ワード【偽書】 〕などで検索頂けましたなら幸いです。


筆者敬白

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。