そろそろ書き始めるんやろか、オレ・・・ . . . 本文を読む
ケイは女の子なのに、どちらかと言えば男装が多かった。
ジーンズは勿論のこと、タイトなパンツ、そしてボタウンダウンシャツにアスコットタイを合わせてみたり。
いわゆるアイビールックを好んで着た。
それがまたよく似合った。
コロンにしても、タクティクスやアラミスといった男物を好んでつけた。
後の僕がトラッド派になったのには、ケイの影響が大きい。
そして、以来コロンはずっとその二つを真似ている . . . 本文を読む
Mr. サマータイム - サーカス
>終電も終わり、通行人もまばらになった通りをずっと眺めていた。
諦めたり、励ましたり、心の中で葛藤しながら。
相も変わらず、ボーっと眺め続けていた。
そこへ、ケイがふいに現れた!!
正しく、僕の網膜にフレームインしたんだ。
白いポロシャツに、赤いタータンチェックのタイトなパンツ。
着替えたんだ、とてもよく似合ってる。
ケイはガラス窓越しに、少し店 . . . 本文を読む
1972年、俊輔は高校生になった。
そこでようやく、ホントにやりたかった部に入った。
それが柔道部。
姿三四郎から柔道一直線を経て、柔道というものに憧れがあった。
そうそう、鉄下駄なんぞも履いていたっけ。
そこで出会ったのがNだった。
どこか不良っぽい、俊輔がこれまで袖触れ合うことのなかったタイプの男。
こいつが、優等生を演じていた俊輔を少しく刺激した . . . 本文を読む
俊輔は、雲一つない五月晴れの空の下、けふも垣生の海岸線を歩いた。
昨日は海の水があんなに澄んでいたのに、一転、けふは何故か濁っている。
『雨も降ってないのに、どうしたことだろう』
などと思いながら歩き続ける。
遠く、しまなみ海道に架かる橋が見える。
ちゃんと撮れないのは覚悟の上で撮影してみる。
肌に触れる、風を孕んだTシャツのテクスチャーが心地良い朝。
俊輔 . . . 本文を読む
目の前に不意に現れた分かれ道とそれぞれにあるドアの前で、俊輔は一年間逡巡し、熟慮し、思い直し、そしてまた翻意を繰り返してきた。
決断しなければ、その先へは一歩も進めない。
但し、一度そのドアの向こうへ踏み込んだら、もう引き返すことは出来ない。
そのドアの開閉はたった一度きりだから。
だから、例え時間が掛かっても、自己の思いと他者への気遣いを、納得出来るまで咀嚼し . . . 本文を読む
2024.5.18.sat.
その朝、前夜の夜更かしが祟ったやや重い体に鞭打ちつつ、俊輔は営業後そのままにしてあったグラスを洗っていた。
そして、以前から曇りが気になっていたカクテルピンを入れたグラスを洗い直そうと思い立つ。
小さな本体と、埃除けの目的でそれに被せたやや大き目なグラス。
そのカクテルピンを立てた方のグラスから中身を一旦全部出すことにする。
俊輔は、その底に切れたゴールド . . . 本文を読む
「さよなら」だけが人生だ
直訳すれば、最終的に人はみな、さよならする
すなわち、人はみな孤独
そんなこと、ボクだってわかってる
いくら大切な人とでも、遅かれ早かれ、どちらかが先に逝かねばならない
そして、残った独りもやがて消えてゆく
散る桜 残る桜も 散る桜
人は独りで産まれて独りで消えてゆく
それは、わざわざ言われなくてもわかってる
でも、ボクはキミと出逢ったんだ、この世で
それ . . . 本文を読む
例えばこんな【5】
嘘ではなく、ホントに新宿中央公園にはまだ行ったことがなかった。
だって、そこへ行く理由がないのだから、その必要はないだろう。
でも、一度くらいは行ってみてもいいと思っていた。
そこで、たった今、行く理由が出来たという訳だ。
新宿駅の反対側に当たるから、新宿駅を目指して歩く。
歩きながら、お互いをもう少し知る。
彼女の名は、西山圭子、同級生、白百合女子短期大学を . . . 本文を読む
1979年12月の或る日、ちゃんと別れたつもりのケイから久しぶりの手紙が届いた。
もうそんなことは期待してなかった俊輔は、暫くその封書を眺めた後、やおら挟みで開封する。
今頃ごめんなさい。
でも、シュンにしかこの正直な気持ちは打ち明けられない。
だから、こんな形を取った。
これは、反則だと思う。
でも、自分の気持ちを止められなかった、ごめんなさい。
実は私、少し先で手術 . . . 本文を読む
1976年6月、雨上がりの甲州街道。
大学2年になった俊輔は、稲毛屋のバイトを終えて帰宅するところだった。
手には、雨が上がって必要のなくなった雨傘、そして足元は長靴。
世間では、田舎でもさほど長靴を履かなくなったのに、俊輔は、雨の日はいつも堂々と長靴で都内を闊歩した。
学友の中でも、それは俊輔だけだった。
彼には、その辺りの気恥ずかしさのようなものは一切なかった。
便利で快適が一義、 . . . 本文を読む
【つくりバナシ】との逃げを打って、過去の記憶をモチーフに、作文を愉しんでいる。
何故なら、それが心地良いからだ。
そう、趣味としている。
でも、そいつをずっと続けてきて漸く、ちゃんと自己の脳内に浮かぶ物語が書けそうな気分になってきた。
もうちょっとなんじゃないかな。
例えば、この歌。
かつて、スナックで同席すると、必ずボクに「チューちゃん、あの歌、うとうてくれんか」という先輩がいた . . . 本文を読む
1973年4月
高校2年のクラス替え最初の日
自己紹介の中で一番輝いて見えたのがキミだった
その瞬間からボクにはキミばかりを見つめる習慣がついた
ヨースルに恋したんだ、キミに
それから一年経った春
また同じクラスになった
じっくりと熟成された恋心はもうはちきれんばかり
もう待てない
勇気を出して打ち明けた
するとキミはこう言った
「やっと!?」
その日からボクたちは転げる様につきあ . . . 本文を読む
「久しぶり」
「驚いた、どうしたの?突然」
「うん、今隣の町にいる、明日、最後に少しだけ逢えないかなと思って」
「・・・」
「迷惑だったかな?」
「ハッキリ言うね、ようやく穏やかな生活にもどれそうなんだ私、今」
「そうか、手術は成功したんだね」
「うん、なんとか」
「良かった」
「あの夜、シュンがわざわざ東京から見舞いに来てくれて勇気をもらった」
「うん」
「おかげでこうして生きている」
. . . 本文を読む
お互いにしとどに酔った挙句の狂おしく激しいkiss
まだ子供だったボクは妖艶なあなたに溺れた
でも、部下の横恋慕による忠告であなたは醒めた
それ以上踏み込んではいけない
そう決めたのだろう
ボクは諦めるしかなかった
それは麻疹のようなものだった
だから、深くは傷つかなかった
それから半年、偶然、夜の街での再会
ハナシがあるからと、一緒にいた仲間と離れて
あなたはボクと歩いた
その . . . 本文を読む
実は!
「酒の宝島」は、こんないきさつから、大七さんの酒造りの姿勢に惚れて、特約店とさせていただいております。
「地酒大show 2011」何と三年連続・三冠独占でついに【殿堂入り】
【大七酒造】純米生もと 1800ml
純米生もと、からくち生もと、本醸造生もとを定番商品として常時販売しておりますので、お近くの方は送料の掛からない「ご来店」でお買い求めください!
★宝地図(真ん中が当店です)
「地酒大show 2011」何と三年連続・三冠独占でついに【殿堂入り】
【大七酒造】純米生もと 1800ml
純米生もと、からくち生もと、本醸造生もとを定番商品として常時販売しておりますので、お近くの方は送料の掛からない「ご来店」でお買い求めください!
★宝地図(真ん中が当店です)