日曜にはなるべく記事を書かないようにしたいのだが、あまりにもひどいニュースを見たので、アーカイブしておく。
菅直人は、昔から国会質問で、自分(たち)に有利になりそうなネタを強引に振ってきた。去年の、岸信介の開戦責任を安倍首相にしつこく問い続けた件などは、まだ記憶に新しい。まあこれも、「予算委員会」だから、あらゆる分野の質問が許されるという「暗黙の了解」があるから、これに関して「菅はルール違反をしている」と言うつもりはない。
しかし、教育改革関連法案について審議するという、明確な目標を設定して開かれた「教育再生特別委員会」で、またこの「民主党のブーメラン男」が、端で見ていて痛すぎる「こじつけ質問」をかましてくれた。
菅氏 教科書検定の文言削除めぐり首相追及 (日テレニュース24 07.04.20)
教員免許に10年ごとの更新制度を設けるなど、 安倍首相肝いりの教育改革関連法案の審議は20日、衆議院で教育再生特別委員会が開かれ、本格化している。午後からは、民主党・ 菅代表代行が質問に立ち、教科書検定で沖縄戦の「集団自決」をめぐり、「日本軍の強制」 という文言が削除されたことについて、その理由をただした。
菅代表代行「最終的に配られた手りゅう弾で命を落とす、自決した人が軍の命令、軍の指示によるものではないとなぜ言えるのか」 「推し進めたグループは、自由主義史観研究会という会。代表の藤岡さんはご存じですか?」
安倍首相「全く関係ないじゃないですか。誰を知っているかを、いちいち私がこの委員会で答える意味があるんですか! この教育3法案と!」「首相になってからは、藤岡先生に会っていない。教科書検定そのものに、 その意見をもって私が介入したならそうかもしれないが、全くそんなことはない」
菅代表代行「首相は最近、なかなか攻撃的になった。首相自身は、沖縄戦の歴史的事実についてどう考えているのか」
安倍首相「(菅氏は)まさに沖縄の選挙があるから、こんな議論をしているのか。 違いますよね?もちろんね、違うと信じたい」「首相がいちいち、ここで言うべきなんでしょうか?」
菅代表代行「ひきょうな態度と言わざるを得ない。いかがですか」
安倍首相「ひきょうな態度というのは失礼ですよ、あまりにも」
菅代表代行は、「日本軍の強制」という文言が削除された背景に関連し、 日本史における自虐史観の見直しを主張する学者グループと安倍首相の関係をただした。これに対して、安倍首相は、 教科書検定への関与を強く否定したが、集団自決において日本軍の強制があったかどうかについては答弁しなかった。
>教科書検定で沖縄戦の「集団自決」をめぐり、「日本軍の強制」という文言が削除されたことについて、その理由をただした。
今回俎上に上がっている教育関連法案と、「教科書検定」が、どう関係するのだろうか。
>自由主義史観研究会の藤岡さんを知っているか。
首相の言う通りで、教育関連法案と何が関係あるのだろうか。
>安倍首相「(菅氏は)まさに沖縄の選挙があるから、こんな議論をしているのか。違いますよね?もちろんね、違うと信じたい」「首相がいちいち、ここで言うべきなんでしょうか?」
これだけ「テーマズレ」した質問をしつこく繰り返していれば、首相がこう言うのもよくわかる。
>菅代表代行「ひきょうな態度と言わざるを得ない。いかがですか」
何がどう「ひきょう」なのだろうか…。それより、委員会の主旨と大きく外れた質問で、貴重な審議時間を潰し続けた菅の方が、「ひきょう」どころではなく、「国民の信託を受けた国会議員として、行うべき職務から大きく逸脱している」人間だと思うのだが。
委員長判断で、こういう質問は遠慮なく止めさせるべきだろう。当の菅は、「こういう質問に持って行くのが『国会質問技術』だ」などと思っているのかも知れないが、国民に対するとんでもない背信行為である。
このような、菅直人の、国会審議を選挙利用のためだけに、強引に引っ張った質問を、本日参議院の補選の投票が行われている沖縄では、一応は「沖縄タイムス」が拾った。
論戦不発 識者は反発/ 「集団自決」修正(沖縄タイムス 07.04.21)
【東京】沖縄戦の「集団自決」 について教科書検定で高校の歴史教科書から日本軍関与の記述が削除された問題が二十日の衆院教育再生特別委員会で取り上げられた。 安倍晋三首相は、民主党の菅直人代表代行に自らの沖縄戦観を問われ、「(検定の問題は)史実がどうだったかという議論であって、 総理大臣がそういうことをいちいち言うべきなんでしょうか」と明確な答弁を避けた。
安倍首相はその後も管氏に対し「(教科書検定は)専門家が議論し、調査し、その上で意見を付けるのではないか。 私がいちいち事実を判断できるのであれば、教科書の検定は私が一人でやるということになる」と繰り返した。答弁に納得しない管氏が 「政治家としてひきょうな態度」と詰め寄ると、首相は「あまりに失礼」と応酬する場面があった。
一方、伊吹文明文科相は「集団自決」をめぐる今回の教科書検定について「すべて軍の強制によって、 または手りゅう弾で自決したとは言い切れない。専門家は、軍の関与がなかったとは一言も言っていない。 軍の関与がすべてあったということではないと言っているだけだ。一方に偏った記述はしないというだけのことだ」との認識を強調。
こうした答弁について高嶋伸欣琉大教授は「申請図書は 『日本軍に集団自決を強制された人もいた』などと書いただけ。『すべて』と書いたかのように言うのは、問題のすり替えだ。 強引な検定が生んだ事態を収拾できず、苦し紛れの言い訳を重ねている」と批判した。
高嶋教授は安倍首相の発言についても「沖縄戦の経験は、 首相が目指す改憲の危険性を表す。それを察知し、逃げの一手を打っている」と指摘した。
ふむ。この記事では「テーマズレ」に対する批評は一切なく、また例によって都合よく「識者」とやらが出てきてるのね。
>高嶋伸欣琉大教授は「申請図書は『日本軍に集団自決を強制された人もいた』などと書いただけ。『すべて』と書いたかのように言うのは、問題のすり替えだ。
この辺の議論は、我々国民に「申請図書」が公開されていないことが前提として問題であるが、こういう点を論ずる以前に、なぜ沖縄タイムスは、「菅の質問が『教育再生特別委員会』での質問として適切なのか」という論点を完全に無視するのだろうか。やはり、「反与党」のプロパガンダをしたいわけか。
>高嶋教授は安倍首相の発言についても「沖縄戦の経験は、首相が目指す改憲の危険性を表す。それを察知し、逃げの一手を打っている」と指摘した。
これに至っては、どのように「改憲の危険性」につながるのか、全く説明していない。その意味で、「識者の発言」として引用するには、あまりにも信頼性が低い。
ま、「識者の発言」と銘打って、意味不明の発言をうやうやしく引用することで、「考えるな!信じろ!」という「暗黙のメッセージ」を発するのは、朝日さんを始めとする、低レベルなマスゴミがよくやることである。
というわけで、菅と沖縄タイムスによる「ゴミ同志のゴミリレー」は、一応うまく行ったようだ。しかし、読者はここでしっかり覚えておいてもらいたい。
民主党には、こういう質問で「テーマズレ」を平気で犯し、貴重な審議時間を無駄に潰してしまう「代表代行」がいるということだ。 こういう「代表代行」をのさばらせておいて、その一方で、法案の採決では「審議が尽くされていない!」と、 もっともなことを言いながら、議場のマイクなどを強引に取り上げたりすることで、「与党が強行採決したぞ!」 という雰囲気作りにせっせといそしむ。民主党とは、そういう政党なのだと。
<この記事に引用した、少年法改正案の委員会採決を「与党が強行採決したぞ!という雰囲気」を作るために集まってきた野党議員の図。>
バ菅直人がいる政党には、今後一切投票するつもりはない。今日の区議選でも、民主党候補を全員除外することから、投票相手を吟味することを始めている。
口だけの「保守二大政党の片方」とは…政治経済の先生が「保守と革新」という概念を教えられなくなるだろうに(苦笑)。お願いだから、「口だけの保守政党」は消えてもらいたい。正直に、「選挙対策のためだけの『なんでもあり党』」に党名を変えればいいだろうに。
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