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少年法だけに焦点を当てる愚かさ

2007-04-20 15:08:47 | Weblog

少年法改正、今国会成立へ 与党修正案を衆院法務委可決(朝日さん 07.04.18)

 衆院法務委員会は18日、刑事責任を問えない14歳未満の少年について警察の調査権限を強め、 少年院送致を可能にする少年法などの改正案の与党修正案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。今国会で成立する見通し。 政府が提出した改正案を大幅に見直し、警察の権限規定の一部を削除。少年院に収容する対象を「おおむね12歳以上」に限った。 民主党との共同修正を目指していたが、与党は急きょ、採決の強行に踏み切った。

 可決された修正案は、14歳未満でも法に触れる行為をした少年について、警察に押収・ 捜索など強制調査権限を与える▽おおむね12歳以上の少年を、家裁の判断で少年院に送致できる――などが柱だ。

 法改正は長崎県佐世保市で04年に起きた小6女児の同級生殺害事件などがきっかけ。14歳未満の事件では、 警察は任意の事情聴取しかできないことから「事件の解明が不十分に終わる」とする犯罪被害者の声を受け、05年に閣議決定された。 政府が提出した法案の眼目は、「将来罪を犯す恐れのある虞犯(ぐはん)少年」を調査対象にすること▽少年院送致の下限年齢(14歳) の撤廃――だった。

 しかし、事件から時間がたち、世論も沈静化する中で、この2点について、今国会では野党だけでなく、 与党からも「定義があいまいで乱用の危険性がある」「福祉の観点がおろそか」 などの慎重論が出ていた。

 与党は17日、民主党と初の修正協議に臨んだが合意が得られず、与党だけで押し切る方針を決定。怒号の中での採決となった。

 

んでもって、また「与党が強行採決したという雰囲気」作りにいそしむ野党の図。

 

 http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/9f/0707bcd504eeb774277a5f84c8ecfa90.jpg

 

 少年法については、2000年の長崎のバスジャック事件のときに随分考えた。当時から不思議であり、今なお変わっていないのは、少年法が、少年を更生するための魔法の杖のような扱いを受け続けている点だ。

 いわゆる自称「人権派」と称する人々は、現実として、少年法が子どもに甘かろうが何だろうが、

「現状の少年法は『保護主義』を体現したものであり、これを変えることは、『保護主義』の破壊だ!」

という演説に自己満足を続け、

一方で、誰が名づけたか知らないが「厳罰派」と呼ばれる人々は、

「少年法を厳しくしさえすれば少年犯罪は収まる!」

と、何となく思いこんでいる。かくして、少年法が、少年犯罪に対処する「伝家の宝刀」、あるいは「少年を守るための聖なる砦」に祭り上げられていく。

 

 このレベルの議論では何も解決しない。小倉智昭は番組でしつこく「少年法を厳罰化しても、少年犯罪は減ってないでしょう!」と叫び続けている。当たり前である。犯罪というファクターは、少年法だけで決まるわけではない。例えば、どんどん溶けていく親子関係など、少年の犯罪行動に影響を与える要素は他にもたくさんある。少年法という要素で言えば「改善」された現状でも、他の要素が「悪化」していけば、少年犯罪は減らない。

 しかし、だからといって「少年法は今のままでいい」ということにもならない。小倉はこの点を忘れているか、あえて無視し続けている。

 

 結論を言おう。少年犯罪対策として、最重要なことは、少年法より、「取られる措置の質」である。犯罪を犯した多くの少年が送られる「少年院」での「更正教育の質」を見直すことが、更正の面では最重要であろう。少年法に関する報道は、改正が議論されるたびに、うんざりするほど続けられるが、こと「指導される場所」として最も重要であるはずの「少年院」が、どのような方針で、更正指導を行っているかについては、報道はきわめて少ない。私が知る限り、現状の少年院の基本方針は、「もうここに来るな」というものであり、少年院での生活が「厳しい」と入院者が感じるようなプログラムが基本のようである。自分が犯した犯罪の「何」が「なぜ」、「どのように」問題なのかについては、少年同士での議論はさせられるが、「更正のための徹底した指導」と呼べるようなものは行われていない。極端ではあるが、犯罪を犯した少年が、その犯した犯罪について「トラウマ」を感じるくらいの指導を、少年院では行うべきであろう。それでこそ、「再犯を防ぐ教育を行う」という、少年法の精神を最も生かした施策であろう。

 現状の「保護主義」とは、要するに、「やったことは仕方がない」程度の甘い認識で、特に処分が決まった後の措置については、やけに少年に甘い。その証拠が、「少年院に送られても、それは『少年版刑務所』みたいなもので、しばらくがまんすればまた出られる」という程度の、当の少年側の認識である。ここにメスを入れることが最重要だと私は考える。少年院に入院すれば、入院前とはうって変わって、いつもニコニコ顔で、犯罪などまったく考えられない「いい人」に変わっている。こういう少年院こそが、犯罪を犯した少年が、二度と犯罪を犯さない、あるいは犯罪を犯しかねない少年が最も恐れる「少年院の姿」であろうに。

 少年院で「罰」を科すという発想ではなく、二度と犯罪など考えないくらいに「教育≒洗脳」をする。これこそが、究極の「保護主義」のはずなのだが、「保護主義」をうたいあげる自称「人権派」の人々は、この案を率先して語ることをしないのは、いったいなぜなのだろうか。さらに、与党も野党もマスゴミも放送関係者も、このレベルの話にメスを入れることはなぜかしない。つくづく不思議である。

 「保護主義」の「保護」とは、少年が犯罪を犯し、何らかの処分を受けた後に、もう一度「自由」に犯罪を犯すことができるように「保護」しておくという意味なのであろうかね(苦笑)。違うというのであれば、このレベルの「矯正教育」を、少年院で行うべきであろう。「性犯罪者には去勢」などという案より、よほど「人道的」であろうに。

 

 この一方で、少年法自体を変えなければ実行できないこともあるだろう。それについては、追って考えていく。

 

【主張】少年法改正案 犯罪低年齢化でやむなし(産経 07.04.20)

 少年犯罪は、年々、低年齢化の傾向がみられるため、どのように法律を整備して、 その防止につなげるかが喫緊の課題である。

 とくに、現行法では刑事責任を問えない14歳未満で、法に触れる行いをした少年 (触法少年)の事件の取り扱いが、これまで何度も問題視され、論議を呼んできた。

 平成9年の神戸の連続児童殺傷事件を契機に、まず少年法が改正され、刑事罰の対象が、 16歳以上から14歳以上に引き下げられた。 次に16年の佐世保市での小6女児同級生殺害事件など14歳未満の少年の凶悪犯罪が相次ぎ、今回の法改正の動きにつながった。

 19日の衆院本会議で自民、公明両党の賛成多数により可決された少年法改正案は、 事件の捜査に当たる警察に強制調査権を与え、少年院送致もこれまでの14歳以上から、「おおむね12歳以上」としたのが特徴だ。

 野党などは、「保護、矯正教育を目的とする少年法本来の趣旨から逸脱している」 として改正案に強く反対している。しかし、少年犯罪の凶悪化、低年齢化が進んでいる現状を鑑(かんが)みれば、 今回の改正案は仕方があるまい。

 また、時代の流れでもある被害者感情に配慮したことも、改正案可決に結びついた。 18日の衆院法務委員会で、改正案を野党の猛反対を押し切って与党だけで可決したことについて、安倍晋三首相は 「被害者の気持ちも踏まえれば、やむを得ない」との感想を述べた。その通りであろう。

 これまで、14歳未満の触法少年が殺人などの重大事件を起こした場合、 警察は任意の捜査しかできなかったが、改正案は、新たに警察に捜索・押収などの強制調査権を与えている。

 任意捜査には限界がある。重大事件でも、事件の捜査、検証が不十分にしかできない。 警察が強制調査権を持つことは、少年犯罪の解明に大きな手段になるものと期待される。

 ただ、相手が少年だけに、警察当局には慎重な調査が要求される。 触法少年から事情聴取する場合、強圧的、強引なやり方は、絶対に避けなければならない。 警察には強制調査権の乱用を厳に慎むよう強く求めたい。

 少年犯罪は厳罰化に加え、学校、家庭、地域、警察の緊密な連携で、 防止に全力を挙げる努力が必要だ。

 先日、とある小4が「自分が見たAVのまねをしたかった」と、同級生を暴行した事件が話題に上ったばかりである。法律として何をすべきかという議論も、上記の議論と含めて、並行して行っていくべきだろう。その意味で、私は、「少年法は常に見直していくべき」という考えである。この記事のタイトルにだまされないように(笑)。

 

当ブログ参考記事  「基準問題」と自我の無制限な拡張

 

 


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