goo blog サービス終了のお知らせ 

塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り 探検・体験 江戸東京 火消千組の図絵馬

2015-02-18 05:50:35 | ミュージアム巡り_2015
 次の画は、「火消千組の図絵馬」(天保4年・1833、歌川国芳/画、
成田山霊光館・原資料所蔵、Procession of Edo Firemen)。
 江戸町火消しの「千組」(現在の中央区霊巌島辺りを受け持つ)の
行列を描いたもの。梯子を先頭に鳶口などの道具を担いだ火消人足
が続いている。真ん中では組纒が威勢良く舞っている。

 次の画も火事にまつわる、「火事図巻」(文政9年・1826、長谷川
雪堤/画、Picture Scroll Depicting Major Fire in Edo)。
 明和9年(1772)に起きた目黒行人坂の大火を描いている。火消し
たちが屋根に登り、纒を振るい鳶口や龍吐水を使って火を沈めてい
る光景。

 次の画は「五番こ組」(安政6年・1859、歌川芳虎/画、Woodblock
Print Depicting Edo Fireman)。火消しのお兄さんと組纒は江戸の華。

 火にも負けない防護服「刺子半纏」(19世紀、Fireman’s Quilted
Jacket)が展示されていた。布に糸で細かく刺繍した“刺子”は、丈夫
な着物で、水を含ませれば火にも強いので消防服としても重宝がら
れた。
江戸東京博物館(墨田区横綱1-4-1)

ミュージアム巡り 探検・体験 江戸東京 武家諸法度

2015-02-17 05:47:23 | ミュージアム巡り_2015
 江戸東京博物館は、今年の3月28日にリニューアルオープンする。
そのため常設展示が休みの中、1階の展示室に同館が所有するものを
資料として「探検・体験 江戸東京」と題した品々が展示されていたの
で観賞(1月24日)した。
 普段は展示されることが少ない資料や珍品などもあり、ストロボ
(フラッシュ)なしならカメラに収めることもできたので、プチ得した
気分で拝見できた。
 参勤交代の制度は次の法令から始まったといわれる「武家諸法度」
(寛永12年・1635、Copy of the Buke Shohatto)。

 江戸幕府が諸大名を従わせるために定めた法律。三代将軍・徳川家
光の時に、参勤交代を義務とする制度が盛り込まれている。
 そういえば、昨年の邦画で「超高速!参勤交代」(本木克英監督、
佐々木藏之介主演、松竹)という抱腹絶倒の映画があり、何度もDVD
で観賞している。参勤交代の主旨は、藩の財政を枯渇させ財力を抑え
るのが目的だった。

 展示されていたパネルには、安政6年(1859)に鳥取藩が地元から
江戸への参勤交代(21泊22日、180里(約702km)、1日平均32km)
で使ったお金が1,957両だったという。幕末の1860年時代の1両は
約4,000円。

 次の図は、「参府行列図」(19世紀、小田切春江/画、徳川美術館・
原資料所蔵、Painting of a Daimyo Procession Entering Edo)。
 徳川御三家のひとつ、尾張藩の殿さまが江戸へ参勤する行列の様子
が描かれている。絵巻の中にはおよそ900人が描かれている。
江戸東京博物館(墨田区横綱1-4-1)

ミュージアム巡り 江戸の罪と罰 甲子夜話

2015-02-16 05:42:21 | ミュージアム巡り_2015
 肥前国平戸藩の老公・松浦静山(1760~1841)は、鼠小僧に深い
関心を抱き、その行状や逸話を「甲子夜話」に詳しく書きとめる。
平戸藩邸を始め幾多の藩邸に忍び込み、人を殺傷することなく敏
速かつ鮮やかな手口で盗みを働いた鼠小僧に、悪党とはいえ感嘆
している。
 展示された資料は、「甲子夜話」続編巻81所収の「鼠小僧異聞」。
取り調べの際の鼠小僧の態度や自白の内容、捕らえられる前の暮
らしぶりなど興味深い話が満載。老公は鼠小僧を“盗中の勇者”と
評している。
 この資料は、平戸藩楽歳堂の罫紙に稿本を浄書したもので、明
治に入り修史館で補写されている。
(国立公文書館:千代田区北の丸公園3-2)

ミュージアム巡り 江戸の罪と罰 京兆府尹記事

2015-02-15 05:51:48 | ミュージアム巡り_2015
 「京兆府尹記事」は、岡藤利忠が寛政11年(1799)に、幕府の遠
国奉行の職制や京都所司代の濫觴、歴代の京都町奉行の言行などを
記した書。

 長谷川平蔵宣以(1745~95)の父・宣雄が安永元年(1772)10月か
ら翌2年まで京都町奉行を務めた関係で、平蔵の若き日の行状にも
触れている。それによれば、青年時代の平蔵は、親が蓄えた金銀で
郭遊びをするなど奔放そのもの。
 本所に屋敷があり、幼名が鉄蔵だったことから“本所の鉄”の異
名で呼ばれていた。
(国立公文書館:千代田区北の丸公園3-2)

ミュージアム巡り 江戸の罪と罰 刑罰軽重一覧

2015-02-14 05:11:55 | ミュージアム巡り_2015
 「刑法」の内容は出版されたことで広く認知されるようになるも
のの、どのような罪を犯せばどんな刑に処せられるかを知るのは容
易ではなかった。

 その罪と罰が一目で判る方法として、「刑罰軽重一覧」が出版さ
れた。死刑や無期徒刑のような重罪から、“五銭以上五十銭以下”
の科料まで刑罰に応じた罪が挙げられている。

 たとえば、“○毒物ヲ以テ人ヲ殺シタル者”は死刑、“○酩酊シ
テ路上ニ喧噪シ又ハ酔臥シタル者“は五銭以上五十銭以下の科料、
とある。
 展示されていた資料は、1880年11月に刊行され、編者は武蔵国
忍藩の洋学校教授・青木輔清。
(国立公文書館:千代田区北の丸公園3-2)