令和の平蔵、今日のひとこと

組織のマネジメントに、ビジネスに、人間関係の改善に、お役に立つことを書き綴っていきます(2021年4月1日)

備忘録 22-05-26

2022年05月26日 06時49分42秒 | 備忘録
人生、一分を減省(げんせい)せば、すなわち一分を越脱(ちょうだつ)す

――人生減省一分、便超脱一分

『菜根譚』

「この人生では、なにごとにつけ、減らすことを考えれば、それだけ俗世間から抜け出すことができる」
といった意味である。

『菜根譚』は、こう語ってから、つぎのように付け加えている。

「たとえば、交際を減らせば、もめ事から免れる。口数を減らせば非難を受けることが少なくなる。分別(ふんべつ)を減らせば心の疲れが軽くなる。知恵を減らせば本性(ほんしょう)を全うできる。減らすことを考えず、増やすことばかり考えている者は、まったくこの人生をがんじがらめにしているようなものだ」

『菜根譚』のこういう立場から見れば、やたら雑用ばかりふやして忙しがっている人は、「なんと哀れ者よ」ということになろう。たしかに、減らすことはむずかしい。上手に減らすことのできる人は、人生の達人なのかもしれない。われわれも、せいぜい減らすことを考えたいものだ。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

定期的な、物理的や心理的な断捨離を心がけたいものですね。
特に心理的なものは、溜め込み過ぎるとロクなことがない。

今日も一日がんばりましょう。

備忘録 22-05-25

2022年05月25日 08時01分34秒 | 備忘録
大国(たいこく)を治(おさ)むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るが若(ごと)し

――治大国若烹小鮮

『老子』

「小鮮」とは小魚(こざかな)である。小魚を煮るときはやたら突っついたり、かき回したりしてはならない。なぜなら、そんなことをすれば、形もくずれるし、味も落ちてしまうからだ。

 政治の要領もこれと同じである。できるだけ政府による上からの介入を避けて民間の活力にまかす、これが理想なのだという。為政者は、大所高所に立って、黙ってにらみをきかせていればそれでよいとする考え方に他ならない。

 これは国の政治だけでなく、企業の組織管理についても、あてはまるかもしれない。社長がみずから陣頭に立ち、社員にも「それ行け、やれ行け」とハッパをかける。これでは長続きしないし、誰よりも社長自身がくたびれてしまう。
 
 そういうやり方ではなく、 まず社員がおのずからやる気を出さざるをえないような環境をつくってやって、あとは黙ってにらみをきかしている。このほうがはるかに効率的な組織管理ではないか。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

たびたび、お伝えしていますが、1984年11月に発刊された本です。
ハッパをかける、にらみをきかす、現在ではあまり使われていないことばかも。
自主自律の組織づくりには大いに賛成です。

今日も一日がんばりましょう。

備忘録 22-05-24

2022年05月24日 07時56分45秒 | 備忘録
小利(しょうり)を顧みるは、則(すなわ)ち大利(だいり)の残なり

――顧小利則大利之残也

『韓非子』

目先の利益につられると大きな利益を失ってしまう、と言う意味である。当然と言えば当然のことだが、『韓非子』はつぎのような例をあげている。

むかし、晋(しん)という強国が虢(かく)という国を滅ぼしたときのこと、虢を攻めるには虞(ぐ)の領内を通らなければならない。そこで駿馬(しゅんめ)と玉(ぎょく)を贈って道を貸してくれるように頼んだ。虞の重臣たちは、「虢が滅ぼされたら、次は虞の番ですぞ」と言って反対したが、虞の王様は贈り物に眼がくらんで、晋の要求を受け入れる。

その結果、虢が滅ぼされて間もなく、虞も晋の侵攻を受けて滅ぼされてしまった。

虞の王様の愚かさを笑うのはやさしいが、いざその立場に自分がおかれると、同じような過ちを犯してしまう。それが人間の弱さなのかもしれない。そうならないためには、つぎのことに留意する必要があろう。

一、大局的な判断を見失わないこと
一、常に目標管理を怠らないこと

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日がんばりましょう。

備忘録 22-05-23

2022年05月23日 07時38分30秒 | 備忘録
故旧(こきゅう)は大故(たいこ)なければ則(すなわ)ち棄(す)てず

――故旧無大故、則不棄也

『論語』

周王朝の国づくりにあたった人物に周公旦(しゅうこんたん)という名補佐役がいる。功績によって魯(ろ)公に封じられたが、自分は都にとどまり、代わりに息子の伯禽(はくきん)を封地に派遣したさい、つぎのような訓戒を与えたといわれる。
「君子はその親を施(す)てず。大臣をして以(もち)いられざるを怨(うら)ましめず。故旧は大故なければ則ち棄てず。備わらんことを一人に求めるなかれ」
これを箇条書きにすると、

一、親族をおろそかにしてはならない。
一、重臣たちに自分が無視されたという不満をもたせてはならない。
一、昔なじみはよほどのことがないかぎり見捨ててはならない。
一、一人の人間に完全さを要求してはならない。

いずれも人の上に立つ者の基本的な心得の条と言ってよい。ちなみに、「大故」とは大きな悪事という意味である。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日がんばりましょう。

今週も宜しくお願いいたします。

備忘録 22-05-22

2022年05月22日 07時35分31秒 | 備忘録
疑心、暗鬼を生ず

―― 疑心生暗鬼

『列子』

疑わしい眼で見ればすべてのことが疑わしく思われてくるのだという。
『列子』に、こんな話が紹介されている。
ある男がマサカリをなくした。隣の息子があやしいと思った。その息子の歩き方を見ると、どうも盗んだようだ。顔つきも盗んだようだ。ことばつきも盗んだようだ。やることなすこと、みなマサカリを盗んだように見えてくる。

ところがその後、谷間を掘っていると、思いがけずマサカリが見つかった。それからは。隣の息子のやることなすこと、盗んだようには見えなかったという。

自分の思い込みで罪のない者まで疑わしく見えたという話である。

これに類する話は、誰にでもあるだろう。誤った予断や先入観によって判断をまどわされるのである。自分の判断力でも、無条件の信頼など置かないほうがよいのかもしれない。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

特に自分の気持ちが不安定なときは、何も信じられなくなる。

今日も一日がんばりましょう。