大国(たいこく)を治(おさ)むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るが若(ごと)し
――治大国若烹小鮮
『老子』
「小鮮」とは小魚(こざかな)である。小魚を煮るときはやたら突っついたり、かき回したりしてはならない。なぜなら、そんなことをすれば、形もくずれるし、味も落ちてしまうからだ。
政治の要領もこれと同じである。できるだけ政府による上からの介入を避けて民間の活力にまかす、これが理想なのだという。為政者は、大所高所に立って、黙ってにらみをきかせていればそれでよいとする考え方に他ならない。
これは国の政治だけでなく、企業の組織管理についても、あてはまるかもしれない。社長がみずから陣頭に立ち、社員にも「それ行け、やれ行け」とハッパをかける。これでは長続きしないし、誰よりも社長自身がくたびれてしまう。
そういうやり方ではなく、 まず社員がおのずからやる気を出さざるをえないような環境をつくってやって、あとは黙ってにらみをきかしている。このほうがはるかに効率的な組織管理ではないか。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
たびたび、お伝えしていますが、1984年11月に発刊された本です。
ハッパをかける、にらみをきかす、現在ではあまり使われていないことばかも。
自主自律の組織づくりには大いに賛成です。
今日も一日がんばりましょう。
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