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息子・その後 14

2007年12月16日 | 前ブログ フォーカス27「時空の先」
12月9日


私とお袋だけで迎えた日曜。

普段なら、掃除したり家内に言われた用事をし、昼から子供を連れ、外出などする平凡な小市民的な日曜を過ごすだろう。

改めて劇的な2週間だったなあ・・と思う。

3ヶ月、生まれたばかりの乳児、夜泣きはすれど可愛くてたまらない我が子。
我が子に襲った「病院にかかっているにも関わらず」突然の命の危機・・。

本当に一時はどうなるかと、頭が重い日があったが、
快方に向かい、母乳も飲めだした息子。

本人目の前にしては言えないが、はっきり言って、
「親兄弟」ならここまでの不安や気持ちの切なさはないだろう。

子供とは自分の分身であり「特別な存在」なのだ。 「・・・・・・」


夏から窓に立てかけたままだった「よしず」を片付け、
息子が戻る日の為に(今週帰れるなんて決まってないが)、自家用車の車内を掃除機で徹底的に掃除した。
外観もいい加減汚いが、息子の吸う空気には影響ないので来週にでもしよう。

病院到着は14時。

昨夜、胃の管が外れた。
少しづつ身軽になっていく息子。
心なしか泣き声が大きくなった。

吸入や吸引や薬の時間などで、結局家内が風呂外出したのは夕方18時頃。

家内は付きっ切りで疲れているだろうから「ゆっくり浸かっておいで」と言う私に
「いや、シャワーだけ」と、折角温泉なのに湯船には浸からない性質だ。
私はスーパー銭湯などは半日以上過ごせる性質だが、家内はいろんな人が入る湯船は嫌いみたいだ。
仮に湯船の湯が嫌でも、最後にシャワーで流せば問題ないだろうに・・・。

紫外線がどうのとアウトドアを一緒に楽しまないし、鍋をつつくのが嫌いとか言って、
私の大好きな鍋料理をあまりしてくれない家内は、私から見るとかなり変わっている。
私と家内は「合わない」ところの方が多い、変な夫婦だ。

ただ、息子の病気を機に一つだけ家内が変わってくれた事がある。

私は子供の進む道は基本的に「子供が決める」ものだと考えている。(多くの人がそうだろう)
それは、趣味は勿論、学校しかり仕事しかりだ。
その為に、親は「いろんな経験」を提供すべきだと思っている。

小さい頃からアウトドアに出かけ、自然と生き物の大切さを教える。
スポーツは「したい」と言うモノを否定せず、とりあえずやらしてみる。
将来の夢を「こんなのになりたい」と語る子供に「そんなのなれっこない」などと否定してはいけないと思っている。
「人間的に大切なモノを教え、多くの経験をさせてやるのが親の務め」という考えだ。

家内は自分がトランペッターなので、何かの楽器やガード(バトンや踊る人)をさせると常々言っている。
私はボクシングをやって欲しいが無理にさすつもりはない。

ある日、冗談で「世界チャンピオンにさせる」と言うと、
「バカを言う、公務員が一番よ!」
「この子は県の職員か、団体職員(協同組合や財団法人など)にしかならさんよ」
「一般企業なんかより確実よ」「絶対にそうする」と頑固な家内は言う。

私は公務員が大嫌いだ。
公務員の仕事が嫌いなのではなく、家内のように「安心」だけを理由に公務員になる人間は、大抵ロクな仕事が出来ない。
「安心」を求めるとは、言い換えれば努力や進歩をしなくても「首」がないというのが根底にあると思っている。
そういうのを求めて公務員になる「甘えた人間」が嫌いなのだ。

県や市役所の職員やJA等の団体職員とも仕事上付き合いがあるが、
私に言わせれば「仕事を舐めている」
努力指針や責任の所在の明確化など、一般企業には当然の事が、公務員や団体職員には未だに浸透していない。
「ロクな仕事も出来ないクセに上から目線の言動」が社会を立場だけで生きている中身の薄っぺらな人間の証拠だ。
その顕著な例が、「社会保険庁」であり「厚生労働省」だろう・・・。

とにかく、我が子が何の職に就いてもいいが、「公務員」を「安心」で選ぶような甘えた人間にだけはなって欲しくない。

家内とは何度となく職に関する喧嘩もした、が、

何日か前、家内がぽつりと言った。
「今回の事でわかった。公務員になんかならなくていい、元気でいてくれるだけでいい。仕事も趣味もやりたい事なんでもやらせる」と。

可愛い我が子が、「身を持って」家内を普通の考えにさせてくれた。
子供の力はさすがだ。

家内が居ない間、義妹が来てくれたが、息子が泣きわめいていたのもあり、
すぐに帰った。

家内が戻り、毎月の支払いなどを家内から説明をうけ、明日の銀行巡りを指示された。
洗濯物を持って病院から帰り、平凡でない休日は終わった。

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