「西代(にしんだい)」
国道24号線と寺川に挟まれた田原本町の北部。
東に唐古集落、北は天理市、西は三宅町と川西町、と田原本の町中からは少し離れた地域に成ります。
集落の中を下ッ道(≒中世中街道)が通り抜け 田原本町では一番「中街道(≒下ッ道)」の面影を残している地域です。
集落の中程に有る西光寺は由緒等は不明です。
集落と寺川の間、集落からは少し離れた所に氏神さんとして八坂神社がポツンと建って居るのもチョット趣を感じさせられます。
「今里」
唐古、鍵と隣接して寺川河畔、国道24号線との間に今里の集落が有ります。
此処も古代は下ッ道が集落の中を通り、 中世、中街道としてここより川上で少し道筋を八尾寄りに変え、田原本の町中へと通じます。
集落の西、寺川の袂には、奈良盆地で5か所あった川船の船着き場の一つが有り、荷揚げ場として大和郡山藩と田原本藩で共有。
この一帯から桜井、天理方面にまでかけての綿花をはじめとする農産物や物資が此処から大阪、そして関東へと運ばれ、逆に肥飼料などが運び込まれ、田原本の町中を通して奈良盆地5つの船着き場の交易数の約半分を占めるほど。
鍵と共に6月第1日曜日に行われる蛇巻きは無形文化財に指定された見応えのある物です
「鍵、今里の蛇巻き(今里)」
鍵と同日に行われる今里の蛇巻きですが、こちらは当屋制で行われます。
祭事は送り当屋、本当屋、向え当屋と呼ばれる順番制で受け持ち、麦を育て麦わらから準備が始まります。
午後一時頃から二時半頃に掛けて、寺川に近い杵築神社に集まって蛇縄作りが始まります。
太い藁縄を総勢でひねりながら麦藁を巻きつけて頭から尻尾まで約十八mの大蛇を作って行きます。
大蛇作りが一段落すると、村人たちは拝殿に集まり30分程神事が執り行われます。
ここで、行事参加者は御神酒や、当屋(送り当屋、本当屋、向当屋の3軒)が作った料理を頂きます。
この時、当屋が作った食べ物(ワカメの味噌煮の酢漬けを、餅藁で縛ってしっぽを付けた物)が村の人達に振舞われ、余った物も見物客に振舞われます。
神事が終わるといよいよ出発です。
各家々を回り、頭を玄関口に突っ込んで“おめでと―“と叫んで廻りますが、時折広い所では、巨体をくねらせ、見物人等を胴に撒き込む 「巻き込み」が行われ、巻かれた人は無病息災成ると言われて居ます(現在は決められた場所でメンバーの人のみと成って居る様です)。
村中を廻った後、再び杵築神社に戻り、大木に、今度は頭を上にして巻き付け、絵馬と農器具のミニ模型を供え、神事を終えて登り龍の完成です。
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