oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

豊かさから起こった矛盾(パート1)

2006-01-25 | 
「お金持ちの人を絵に描いて表現しなさい」と言われたら、あなたはどのような体型の人を描きますか?男女別や、どの年代をモデルにするかでも変わってくるかもしれませんが、太った人?痩せた人?普通の体型?

食料が十分に手に入らない時代、または場所においては、太っていることがステイタス。十分にない食料を手に入れるだけのpowerがある証拠だからです。ところが、例えば現代のアメリカ社会はむしろ逆。貧乏人のほうが太っています。去年のハリケーン・カトリーナ災害で、ニュースによく出てきたいわゆる貧困層に属する方々。その方たちを見ていて、「痩せてるな~。ちゃんとご飯食べてないんだな~」と思うような人は、ほとんどいなかったはず。それどころか、一見して恰幅のいい方々が多かったです。

あるアメリカ史の専門家が、『Paradox of Plenty(豊かさの矛盾)』というタイトルの本を書いているように、飽食社会・アメリカにおいては、貧乏人ほど太っているようです。なぜか?原因は色々あるでしょう。治安が悪い場所では、外に出ない。家ではカウチポテトになって、お菓子やソーダの飲み食い。それに、「本物でない食べ物」、つまり、化学調味料などを多用した食べ物のほうが、「本物」よりも安い。当然ぶくぶく太ってしまい、糖尿病またはその予備軍がいっぱい、という有様のようです。

貧乏人のほうが太っている、というこの現象。アメリカでは1967年、故ロバート・ケネディ上院議員(故ケネディ大統領の弟)が、貧困層が多かったミシシッピ州のデルタ地帯を訪れてショックを受けたのをきっかけに、飢え(hunger)は国の政治問題になりました。戦後のアメリカでも、飢えていた人は常にいたようですが、ケネディ上院議員という「セレブ」がこの問題に注目して始めて、メディアを動かしたようです。この飢え問題を少しややこしくしたのが、飢えているといわれた人の多くが太っていたこと。栄養専門家や食糧援助賛成派の人たちが、「太っている人だって、栄養失調の可能性がある」ということを国民に納得させるのに、苦労したとか。60年代終わり当時はまだ、「太っている=健康」というイメージが強かったようです。

飢えが「発見」されて約40年。低所得層の人の食生活というのは、それほど改善されてないようです。住んでる場所によっては、近くで食料を買える場所は、ガソリンスタンドに申し訳程度にしか置いていない食品コーナーだけ。新鮮な野菜や果物など望むべくもなく、値段も高め。2、3年前に肥満がクローズアップされ、自治体レベルでは、低所得層の食生活改善に乗り出しているところもあるようですが。先日のニューヨーク・タイムズ紙によると、ニューヨークの保健所が主導して、低所得層の人たちに低脂肪牛乳を飲むよう啓発運動をしているそうです。低所得層地帯にある食料品店と協力して、低脂肪牛乳を割引して売り、チラシを配って、低脂肪牛乳を飲むよう勧めているそうな。だったら豆乳にすればいいのにと思ったけれど、裏で牛乳会社が糸を引いてるか?

それはともかく、低所得層の人ほど太っているというのは、わたしも普段感じます。アメリカは食料が豊富だといっても、砂糖や脂肪、それに化学調味料などを多く使っている食品が多いのが事実。そのような安い食品を食べ、ぶくぶく太る低所得層の人たち・・・。一般的に豊かといわれるアメリカ社会の、闇の部分ですね。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうですね。 (ふぐ太郎)
2006-01-27 15:06:29
まさしく、おかしくって受けました。

その通りですよね。。。KFCのチキンのデモしてるときもファーストフードは貧しい人たちの為のものでなくなったら飢餓になる!とか訳のわからない訴えを一般人にされてしましました。。。。私は太ってませんが、これといっても痩せてもいません。。。。逆に肉食だったときのほうが痩せてたかも。。。

アメリカは太ってると貧しいって、なんか悲しいですね。。。。
返信する
肥満 (しんのすけ)
2006-01-27 15:50:26
「KFC食べるなと言ったら、貧乏人は何を食えばいいんだ!?」って感じなんでしょうね。太っている方は本当にobeseだし、痩せている方は本当に鉛筆みたいだし、両極端ですね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。