安藤忠雄建築研究所 Ⅰ期-1984年9月、Ⅱ期-1991年9月竣工

いつか忘れたけど、安藤さんの存在も知らない時に、一度来たことがあります。その時、階段で高瀬川に降りていくと、川が非常に近いのが印象に残っています。
「高瀬川を庭に見立てようと考えました。庭は季節や時刻によってみごとに変化して、いつ行っても違う表情があって面白い、水を感じる庭をつくりたいと、考えたのです」安藤忠雄/建築を語る
(高瀬川は幅5M程度、水運用の運河。琵琶湖疏水の開通まで、京都の水運の中心として重要な役割を果たした。一級河川である。深さ10cm。)
この建築はコンクリートブロック造です。都市計画道路にかかっているため、2階建てで、かつ容易に解体できる、軽い建築しか許されないということです。
1階はグランドレベル、地階は川を望める一体感が個性的、2階は天井高を他の2倍にすることで構成されています。
Ⅰ期のコンクリートブロックは22年の歳月から、ブロック内の鉄筋からかなり錆びが発生していました。(下図Ⅰ期)
竣工当時のことは知りませんが、クライアントの意向は、時代を先駆けるデザイナーのブティックを入れたビルにしたいとのことでした。時代の流れには逆らえないですね。今は空きテナントも多く、少しさびしくもありました。
「京都駅のような立派な建築ができると、そこに商業が集中しますから、TIME’Sのような小さい商業ビルにはなかなか人が来ないのです。今度機会があれば、美術館や画廊の入るようなビルにできればと考えています」安藤忠雄/同上
●コンクリートブロックの施工方法
Ⅰ期 Ⅱ期
Ⅱ期-目地の無いコンクリートブロック。積み上げていってからなかに鉄筋を入れて補強するだけで、目地は詰めないからとてもきれいに仕上がるとのこと。
自分の目で見るのが一番ですね。見て感じて、また本や図面を見て考えてみる。机上だけではみえないのもがそこにありますね。