仏典では「人のために灯をともしてあげれば、自分の前も明るくなる」と説いている。他者の生命を敬い、他者の個性を輝かせてゆくことが、自他ともに未来を光輝あらしめる王道であろう。
人生そのものが、日々、「我が新記録」に挑みゆくオリンピックといえよう。まず、自分が強くなることだ。自分が強くならなければ、この乱世で勝つことはできない。人がどうであろうと、誰が何と言おうと、自分が力をつけ、力を発揮していくことである。また最高の強さを引き出すのが、正しい信仰の道である。
ローマ帝国も、あれほどの繁栄を誇ったが、滅亡した。その原因は外的以上に、内部の腐敗にあったとされる。「ローマは自らの力によって倒れる」(ホラティウス)です。指導者が「理想」を失ってしまった。「哲学」がなくなった。すなわち、人格を支える「心の柱」が腐り、倒れてしまった。大帝国の滅亡は、指導者の心の中から始まったのです。
リーダーとしての大切な要件は「誠実」にある。決して、威張らず、友に尽くしていくことである。正直さ、優しさ、責任感、信念、庶民性――そうした「人間性」を皆は求めている。ゆえに、自分らしく、「人間として」成長していくことだ。

希望を捨てない人には、いかなる困難にも負けない強さがある。しかし、希望を失えば、人生は闇だ。絶望は精神の死に等しい。青年は、常に希望をいだき、希望とともに生きていくことだ。