われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

秋の深まりとともに

2007-10-27 18:34:34 | Weblog
「実りの秋」
 園庭の集会室前にある花梨の実が今年もたわわに実り、日増しに大きく膨らんでいます。花梨の木はわりあいほっそりしているのですが、枝の細さに反比例して、実はとても大きくずっしりと重たいので、今にもポトッと落ちてきそうな感じがします。実際に、風の強い夜などの翌朝園庭に出てみると、硬くて重たい実が木の下に転がっていることがあります。子どもたちも時々、この花梨の実を見つけると、私のところへ持ってきて、何の実かと訊ねたりします。花梨の実だよと私が言うと、「か、り、ん?」と不思議そうに首をかしげながら呟いて、手の上で転がしたり、ひっくり返して匂いを嗅いでみたり。今はまだ少し時期が早いのか、実は青々としていますが、やがて黄色に色づくと、なんとも言えず清々しい良い匂いを放ちます。またこの花梨の実は花梨酒などにして飲むこともでき、喉にとても良いとされています。皆様も園においでの折にはぜひ花梨の木を見上げてみてください。

「スポーツの秋」
 さて、今週はわりあい穏やかな日が続き、子どもたちは制作に没頭したり、園庭や運動場で思い切り体を動かして遊んだりしておりました。最近は年少・年中組の子どもたちも盛んに運動場で縄跳びをする姿が見られます。年長児たちの姿に触発され、また年中はもうじき縄跳び会もおこなわれることもあってか、好きな子はそれこそ毎日のように繰り返しくり返し跳んでいるようです。年長に追いつかんばかりに急激に上達して、大きな自信をつけている子どもの姿も見受けられます。
 そんななか、年中組のある女の子がこのところ毎日のように私のところへやってきて、私と彼女とで「二人跳び」に挑戦しています。先週末に初めて連続十五回に成功して以来、日に一度は「せんせい二人とびしようよ!」と誘いに来てくれるようになりました。現在のところ最高記録は30回であります。この二人跳びはどちらかが縄を持ってまわし、二人向き合う格好で同時にひとつの縄の中で跳ぶ、というものです。例年秋から冬にかけて、年中・年長の主に女の子たちの間で盛んに挑戦する姿がありますが、今年も縄跳び熱が早くも過熱しているようであります。以前にはなんと「三人跳び」に成功した子どもたちもおりましたが、それぞれがそれぞれのペースで縄跳びに親しみ、縄跳びすることが大好きな子どもになってくれたらと願っています。かくいうわたくしも子どもの頃からたくさん縄跳びを跳んできました。ややウェイトオーバーとなった現在でも、子どもと一緒に跳ぶくらいにはまだまだ跳ぶことができます。二重跳びだってまだまだバリバリでありまするよ。

「芸術の秋」
 実りの秋、スポーツの秋、と来れば、やはり芸術の秋です。個人的には食欲の秋がまず初めに来る私ではありますが、われら真人の子どもたちは今まさに芸術一色に染まって、日々制作に打ち込んでいます。子どもというのはとにかく物を作るのが好きです。目の前に素材があれば、子どもは自ずとイメージを膨らませ、制作を始めます。それはおそらく人間の生まれながらにして持つ本能なのです。人間のDNAにはそもそも物を作り出すように仕向けられた情報がインプットされているのかもしれません。そうとしか思えないほど、子どもたちは実に根気強く、無我夢中になって、それこそ毎日毎日本当によく物を作り出しています。とくに真人の子どもたちは折り紙や画用紙のほかにも日頃から広告の紙や新聞紙なども自由に使えるので、男の子たちなどは様々な武器やら銃やら何かよくわからない様々なアイテムを自在な発想で作っては壊し、壊してはまた作るを繰り返しています。女の子は多種多様なお店やさんなどの小道具に活用したり、売るための商品を作ったり、これも実に様々な工夫を凝らして作り上げています。子ども自身の中から自然に湧き起ってくる興味や関心は絶大な原動力となって子どもの意欲に火をつけます。そこが一番大切なところです。たとえば真人祭用にある日突然何かを作らされる、やらされる、これでは意味がないのですね。大切なことは、普段の日常の中から常にモノ作りに関わっているということ、そして遊びの延長線上で子どもが自分で考え、発想して、あくまでも能動的に作るということ。そのための環境を整え、制作に向かうべき一定の方向性を与え、かれらの心に火をつけてやること、それがつまりは私たち幼児教育者の役目なのです。ひとりひとりが集中して考え、主体的に取り組んだ時間が濃密であればあるほど、その作品は豊潤なものとなるのです。
 そういった意味では、彼ら幼児の作品はけっして上手い下手ではありません。見栄えの良さはこのさい関係ないといっても言い過ぎではありません。出来栄えはともかく、その子自身がどれだけ自分の思いや願いをそこに投影できているか、集中して取り組んだか、ということなのです。その上で、出来栄えも素晴らしければ申し分ないわけですが。
 真人祭ではそういった観点でもぜひこの子どもたちの作品群をご覧いただきたいと思います。子どもが自らの力を十分発揮して作り上げた作品は、そこから子ども自身の声を聞き取ることができます。真摯に受け止めようとする心を私たちが持っていれば、きっと聞こえるはずです。それぞれの作品からその子の声が聞こえてくるかどうか、どうぞ耳を澄ましてみてください。じっくり眺めてみてください。素晴らしい作品たちが、今年もできあがろうとしています。

「食欲の秋」
 最後はやっぱりなんと言っても食欲の秋ですね。一年中食欲満点のわたくしですが、秋はことさらに食欲がわいてまいります。子どもたちも秋にはぐっと食欲が増すのか、体の成長とともに食事の量も増えていく傾向にあるようです。年長組にはおかわり用のおかずやフルーツなどが用意されていますが、二学期に入ると職員玄関付近に設けられたおかわりコーナーに行列ができるくらい、どの子もよく食べるようになってきます。運動量の増加に比例しているということも考えられます。もちろん、食べる量というのは人それぞれで、たくさん食べるからいいというものではありません。自分にちょうどの量は自分がちゃんと知っているものです。間違ってもご自分のお子さんを他の子どもと比較してよく食べるとか食べないとか判断なさらないでください。やがて本当に必要な時がくれば、放っておいてもモリモリ食べるようになります。小学校の中学年以降になると体が一気に成長するので、筋力や骨格を作るためにそれこそもうやめたらと言いたくなるくらい食べる時期が来ます。皆様も身に覚えがおありでしょう? かくいう私も小学生くらいから20代前半にかけて本当によく食べました。ご飯は茶碗でなくどんぶりで食べていました。スポーツしていたせいもあるのでしょう、とにかく毎日毎日腹が減って仕方なかった記憶があります。逆に成長期をとうに過ぎて気がつけば中年となりつつあるこの頃は、20代くらいまでの食事の摂取量に比べると、やはり幾分量が減ってきているような気がします。(気のせいじゃない? という妻の声が聞こえてきそうですが)どんぶり飯を食べていた子ども時代が今となっては懐かしい。

 いずれにしても秋は美味しいものがたくさんの季節。これから楽しみですね。

 それでは皆様、良い週末をお過ごしください。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自分の顔を作る(みどり1組) | トップ | しんじんさいへようこそ! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事