われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・7月の絵本 (28年度)

2016-07-20 11:30:00 | Weblog

平成28年度

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・7月の絵本

 今年度も真人幼稚園の先生方による絵本の紹介をおこなってまいります。これは年間二冊の絵本をそれぞれが書店などで選び、教職員同士で読み聞かせをしたり、それぞれ選んだ理由や見どころなどを発表し合う、教員研修の一環としておこなっている取り組みです。そこで紹介された作品をぜひ各ご家庭にもお勧めしたいという願いから、毎年1・2学期末にこのような形で発表させていただいている次第です。

 さあ、今回はどんな絵本が選ばれたのでしょうか? それぞれ作品を選んだ先生がブック・レビューを書いていますので、それらを参考になさって、この夏はぜひ親子で絵本に親しんでみてはいかがでしょうか。

 なお、それぞれの作品は園の図書に収蔵され、さっそく貸し出しをおこなっています。

 

『さきちゃんのくつ』

そうまこうへい 作  まるやまあやこ 絵  フレーベル館

(原 亜里沙先生のブック・レビュー)

さきちゃんが買ってもらったのは、ずっと欲しかったリボンがついた水玉の靴。しかし、さきちゃんにはもう一足、大切な靴があります。それは思い出がたくさんつまった古いうさちゃんの靴です。

はじめは新しい靴を買ってもらって大喜びだったさきちゃんですが、ふと「うさちゃんの靴がすてられたらどうしよう?」と心配になります。読んでいるうちに思わずさきちゃんの気持ちに共感してしまう一冊です。最後は素敵な結末にほっこりします。

 

 『たこやきのたこさぶろう』

長谷川義史 作・絵  小学館

(鎌田千秋先生のブック・レビュー)

「いかせておくんなせ~!」とあるたこ焼き屋に響き渡るたこさぶろうの声。たとえ家族に止められても、どうしても「行かねばならない」深い理由があったのです。ある日、近所のよしおくんとおばあちゃんがやって来て、たこさぶろうはとうとう買われてしまうことに。・・・さてさて、たこさぶろうは本当に家出をしてしまうのでしょうか? そしてその本当の理由とは・・・? 美味しそうなたこ焼きがずらりと並び、ソースの香りが漂ってきそうな楽しい一冊です。

 

『おばけのケーキ屋さん』

SAKAE 文・絵  マイクロマガジン社

(板垣里奈先生のブック・レビュー)

 ケーキを食べた人がそのおいしさに驚くことを楽しみにしているケーキ屋さんのおばけと、ある女の子の出会いから始まる感動のストーリーです。その女の子は他のお客さんとは違い、ケーキを食べても驚いてくれません。何度もケーキを作りますが、いつも返ってくる言葉は「パパの作るケーキと同じくらいおいしい」。

 そんな二人に急な、悲しいお別れの日がやって来ます。そこでとったおばけの行動とは?! そしてクライマックスでは驚きの事実が!! とても心温まる一冊となっています。ぜひ保護者の皆様にも読んで頂きたいです。

 

 『よりみちエレベーター』

土屋 富士夫 作・絵  徳間書店

(佐藤美樹先生のブック・レビュー)

 お母さんに頼まれて、おばあちゃんにアイスクリームを届けようとエレベーターに乗ったひでくん。ところが突然「まいにちおんなじところをいったりきたりであきちゃったんだ」とエレベーターが話し始めたのです。そこへ2階、3階、4階と想像もつかない不思議なお客さんも乗り込んできて、エレベーターは「まってました!!」とばかりに寄り道を始めてしまいます。ウキウキのエレベーターに振り回されて、一緒に寄り道をするはめになってしまったひでくん。無事におばあちゃんにアイスクリームは届けられるのでしょうか?思わずくすっとしてしまう結末も、とても楽しい一冊です。

 

 『どろぼう だっそう だいさくせん!』

穂高順也 作  西村敏雄 絵  偕成社

(石山弥佳先生のブック・レビュー)

 ろうやに入れられた3人のどろぼうが自由な暮らしを取り戻すために立ち上がった!

3人組が繰り広げるドタバタの大脱走劇。果たしてどろぼうたちは脱走できるのでしょうか? 3人が考えたありえない作戦、そして、最後のまさかの展開に思わずくすっと笑ってしまいますよ。ぜひ、皆さんも読んでみて下さいね!

 

『もじゃもじゃヒュー・シャンプー

 かみのけをあらわなかった おとこのこのはなし』

カレン・ジョージ 作・絵  なかがわちひろ 訳  すずき出版

(小林明日香先生のブック・レビュー)

 子どもたちの「こだわり」とは不思議なもので、ふとした時から始まり、いつの間にか終わっていたりしますよね。この物語の男の子の「こだわり」は髪の毛を洗わないこと!

しかもその家はオシャレな美容室なんです。お父さんとお母さんはもちろん、素敵な美容師さんです。そして美容師の腕だけではなく、息子に無理強いせず本人の主張を大切に見守るところもまた素敵ですね。主人公の男の子の「こだわり」は消えるのか、どうなるのか、ぜひお手に取ってご覧ください。

 

 『にゃんことわんことあかずきんちゃんとびっくりたまごとオオカミ、

そんでもっておばあちゃんのタンス』

ダイアン・フォックス&クリスチャン・フォックス 作  BL出版

(堀川紗楽先生のブック・レビュー)

 この長~いタイトルに興味をひかれ絵本を開いてみたのですが、今まで読んだことのないようなお話に、この絵本がお気に入りの一冊となりました。登場人物はツッコミの猫とボケの犬。そう、このお話は漫才のような掛け合いでどんどん進んでいきます。テーマは赤ずきん。赤ずきんのお話をなんとか伝えようとする猫ですが、わざとなのか本気なのか(笑い)犬のボケがとまりません!! 思わずクスッと笑ってしまうのではないでしょうか。独特な世界観をどうぞお楽しみください。

 

 『おかめ列車』

いぬんこ さく・え  長崎出版

(松野祐実先生のブック・レビュー)

 楽しみにしていたお祭りに急に行けなくなってしまったふたりの兄妹。すぐに寝ることができないふたりはかくれんぼをすることになり、こももちゃんがお兄ちゃんを探していると、突如「おかめ列車」が現れた。そのおかめ列車に乗ってふたりはどこへ行くのだろうか? とてもインパクトのあるイラストに、夢であるかのようなストーリー。夢か現実か。ぜひお手に取って読んでみて下さい。

 

 『うどん対ラーメン』

田中六大 作  講談社

(猪俣愛先生のブック・レビュー)

 うどんを愛してやまない私の目にとまったこの絵本。「うどん対ラーメン」など結果は決まっている! と思い手に取ると、そこにはインパクト大のラーメンが・・・。もちもちナルト手裏剣など自分の武器で闘う彼ら。勝った方がおいしいと決まるこの勝負の結果はいかに。他の麺類の登場もあるのでぜひ読んでみて下さい!!

 

 『ぼくはねんちょうさん』

サトシン 作  田中六大 絵  小学館

(山路紫央先生のブック・レビュー)

 幼稚園の子ども達が誰しもあこがれる存在、年長さん。そんな年長さんになった主人公が、年長組あるあるを紹介していきます。子ども達目線で描かれてあるストーリーで、読んでいくうちにクスッと笑ってしまいます。年長の子ども達はもちろん、わかばさんから年中さんも楽しめると思うのでぜひ読んでみて下さい!

 

 『みみかきめいじん』

かがくいひろし 作  講談社

(佐々木雅代先生のブック・レビュー)

 エステも行きたい、カリスマ美容師の店も行きたい、行列の出来る美味しい店も行きたい。行きたいお店はたくさんあるけれど、行ってみたいお店、みーつけた! その名は「みみかきや」。ひょ・うーたん先生は耳かきの名人。弟子のひょうすけはせっせとお手伝い。この絶妙なコンビがお客さんを気持ちよーくしてくれるのです。さて、一体どんなお客さんが来たのでしょうか? 見ている方も気持ちよーくなれる、あったかくてほのぼのする一冊です。ひょ・うーたん先生に、ほじほじほじとして欲しくなるはず・・・。

 

 『うんちっち』

ステファニー・ブレイク 作  ふしみみさお 訳  あすなろ書房

(青木涼香先生のブック・レビュー)

 「うんちっち」しか言葉を発しないうさぎの子どものお話です。何を言われても「うんちっち」しか言わないうさぎの子。ある日、オオカミに食べられてしまいました。するとそのオオカミが今度は「うんちっち」しか言えなくなってしまいました。何とかうさぎの子がオオカミのお腹から出てきたら、なんと「うんちっち」以外の言葉を!! ですが次の日、そのうさぎが発した言葉は・・・?

 

 『おにぎりにんじゃ』

北村裕花 作  講談社

(井関麻衣先生のブック・レビュー)

 100年に一度のごはん祭りに必要な巻物が盗まれてしまいました! それを取り戻すために、おにぎりにんじゃが様々な術を使い、どんぶり城に向かいます。果たして無事にごはん祭りができるのか?! 可愛らしいおにぎりにんじゃが大活躍します。子ども達が好きな‘忍者’と‘食べ物’が合わさった物語になっています。ぜひ見てみて下さいね!

 

 『きょだいな きょだいな』

長谷川摂子 作  降矢なな 絵  福音館書店

(井関麻衣先生のブック・レビュー)

 あの有名な『めっきら もっきら どおん どん』を描いている長谷川摂子さんの絵本です。巨大なピアノ、せっけんなど、様々な‘巨大なもの’のところに子どもが100人やってきて遊んでいきます。繰り返すフレーズが多く、読めば読むほど子ども達も言葉を覚え、楽しめる絵本となっています。ぜひこの夏休みの間、何回も読んで楽しんでいただけたらなと思っています。

 

 『30000この すいか』

あきびんご 作  くもん出版

(園長のブック・レビュー)

  夏・すいかの季節。畑では30000このすいかたちが、まるまると大きく育って、いまがちょうど食べごろです。

 そんなある日、カラスが飛んできて言いました。「ほら見てごらん、美味そうになった」、「明日にでも市場に連れて行かれるよ」、「可哀想に、この子たちは自分たちが食べられてしまうことを、誰も知らないよ」。それを聞いたすいかたちは、きぜつしそうになります。私たちみんな食べられてしまう!

 さて、その晩のこと。30000このすいかたちは食べられてはたまらないと、畑からみんなで逃げ出すことにしました。「さあ、行くぞ! みんなつづけ!」

 ごろごろごろ、ごろごろごろ、ごろごろご、ごろごろごろ・・・。

 はてさて、30000このすいかたちの、運命やいかに!?

  三万個ものスイカが夜な夜な畑からみんなで逃げ出すという、前代未聞のアンビリーバブルな怪事件を、さもそれが本当に起こりうる出来事であるかのように私たちの前に提示する、あきびんごさんの圧倒的な物語世界。悪夢のようなその世界にあっという間に吸い込まれ、叩きのめされ、絵本の持つ底知れぬ力の偉大さに改めて心動かされました。私の本年上半期、堂々のベスト1であります! 

 

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 さて、今回の先生方が選んだ絵本の紹介はいかがでしたか? 

 しんじんようちえんの子ども達は本当に絵本が大好きです。元気いっぱい遊ぶときは遊び、思い切り体を動かす。一方で、集中して絵本を読んだり、何かを作ったり、友だちや先生の話に耳を傾けたり、そういったこともとても得意です。その静と動の両輪が子どもの成長にはとても重要なのだと思います。そのような意味においても、心と体を鍛えるために絵本はとても大切なツールです。ぜひこれらのレビューを参考にして頂きながら、本屋さんに親子で足を運んで頂き、お子さんと自分だけのお気に入りの一冊を見つけてみてはいかがでしょう。書棚の片隅で絵本たちは皆さんに発見されるのを待っています。

 それでは皆様、素晴らしい夏をお過ごしください!

 

 

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