われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

鯉のぼりに託す想い

2008-05-02 11:28:00 | Weblog
 皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。連日初夏を思わせる陽気で、子どもたちも水遊びや泥んこなど豪快な活動を開始しております。

 さて、年長組の子ども達が今年もまたクラスごとに手作りの鯉のぼりを制作しました。先週の金曜日からさっそく園庭のジャングルジムに立てられたポールに掲げられ、春の暖かな風に吹かれて心地良さそうに泳いでいます。
 この年長組の鯉のぼりには私たち教職員と子どもたちの様々な想いや願いが込められています。年長組の鯉のぼりがいかにも誇らしげに泳ぐのは、たぶん、そんな私たちの想いや願いがそれらに強く強く反映されているためなのでしょう。
 
 ではそれはいったいどのような「想い・願い」なのでしょうか?
 私たち教職員にとってそれは、この年長児たちが一年間、あるいは二年間のこの園での生活を通して今ようやく立派に育った(あるいは育とうとしている)、ということを象徴しています。もちろん最終的な年長児のあるべき姿としてはまだまだ未完成であり、最終学年のほんの入り口に立っただけではありますが、彼らは既に幼児期のひとつの重要な節目に立っていて、そのスタートを切ろうとしているということは間違いない事実なのです。つまりこの鯉のぼりたちは、いわば彼らの晴れのスタートを清々しく祝福しながら、声なき声で高らかに宣言しているのです。
 年長組の子どもたちひとりひとりにとってもそれは、年長児になったことの喜びと自信のいかにも誇らしいシンボルであります。彼らは自分たちの鯉のぼりを見上げるたびに、自分の立っている場所を確認することでしょう。自分たちが最上級学年となったいま、後輩たちの手本となって、この真人幼稚園をリードしていくのだ、と。つまりそれは年長としての誇りなのです。そしてそれこそが彼らの中に呼び覚ましたい事柄であり、私たちの一番の願いでもあります。自分を誇らしく思う気持ちというものが、彼らを大きく成長させるからです。それはまた最年長者としての責任感にもつながります。責任のない人はいつまでたっても成長しません。それは大人も子どもも同じことです。少なくともこの真人の子どもたちには、ぜひとも自分を誇らしく思い、自分のとるべき態度をしっかり取れるような子どもになってもらいたいのです。そのためにはまず、何より自分が好きであること。自分の生活、自分の家族、先生、友達を好きでいられるということ。あるいはこの真人幼稚園が好きであるということ。そこで自分のやろうとすることが大切に思えるということ。それが何よりもまず大切なことであります。そしてそのようにして自らへの絶対的な信頼感がきちんと備わった子どもは、他人に対しても公正に優しく接することができ、また、その後の長い人生の上に起こるであろう様々な困難に直面しても、それを自分なりに何とか乗り越えていくことのできる力が備わるだろうと私は考えています。
 
 そんなことを改めて考えながら園庭の泥んこ山から年長組の鯉のぼりたちを見上げていると、年中・年少の子どもたちが入れ替わり立ち代りやってきて、あの風変わりな鯉のぼりはいったい何なのか?と私に尋ねます。あれは年長組のお兄さんお姉さんが作った鯉のぼりだよと伝えると、彼らは一様にうなずいて、しばらく一緒に見上げておりました。彼らにとってもまたこの鯉のぼりは象徴なのです。それは紛れもない自分たちの未来であり、目指すべき到達点なのです。憧れの年長組になる日を夢見て。

 この年長組オリジナル鯉のぼりは五月連休明けまで園庭上空に掲げられます。園へお越しの際にはぜひご覧になってみてください。
 
 さて、明日からはいよいよゴールデンウィークですね。皆様のご予定はいかがですか? 遠方へお出掛けの方も多いと思いますが、ケガや事故には十分気をつけられて良い連休をお過ごし下さい。

コメント
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