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日々一歩ずつ前に進むために書き綴ろう…。自分の中のちょっとした変化を大切に…。

マクドナルド

2007-04-28 05:34:31 | 時事
今、ネットカフェを生活の拠点とする若者が全国に拡大しているようで、大変な
社会問題となりつつあります。

中には、ファーストフード飲食店で100円ほどのコーヒーを頼んでそのままずっと
居座り一晩過ごす、そんなことを繰り返す若者もいるとか…ニートが急増してい
る裏で、このような若者の新たな貧困問題が浮き彫りになってきている今の社会
にどのような未来が待っているのか、考えると不安になります…。


ところで、”ファーストフード飲食店”というと、まず思い浮かべるのが「マク
ドナルド」…『読むクスリ 1』(上前淳一郎著)によると、ハンバーガーの作り方
から接客の仕方まで、あわせて2万5千ものマニュアルがあるそうです。

例えば…


●全国の店舗でカウンターの高さは72cm。この高さがお客様が一番ポケットから
 お金を出しやすいそうです。

●バーガーパンの厚さは17mm。この厚さが口に入れたときに最も美味しいと感じ
 るそうです。(『読むクスリ1』には書いていませんでしたが、パンの中の
 気泡などにもこだわりがあるようです…)

●カウンターの女性店員は、注文を受けると必ず「ありがとうございます」とい
 うことになっているそうです。そしてすかさず3秒以内に「コーラはいかがで
 すか?」とたずねることになっているみたいです。(今はそうかな???) 
 人間は「ありがとう」といわれると、3秒間ぐらい恍惚とし、催眠状態に陥る
 …というのがその根拠のようで、この間に飲み物を進められると無批判に受け
 入れてしまうそうです。


ハンバーガー1個の販売にここまでこだわりがと研究の蓄積があることにはおそれ
いります。


確かにおいしさの感覚は人それぞれで、また食べるときの気分にも左右はされま
すから、このような数字設定で管理を徹底したとしても、それがベストとは限ら
ないでしょう。

実際最近では、同じ商品でも売る地域・対象によって、わざと味付けを変えてい
るものもあるようなことを聞いたことがあります。

ですから全国各地の同じ種類のマクドナルドハンバーガーを食べ比べてみると面
白いかもしれませんね。


とはいえ、その1つ1つのこだわりが「ありがとう、と言ってもらえた回数をこ
っそり数えてる」というキャッチコピーにも表れているように思います。

それは確かに利益を得るために行っていることですが、1人の笑顔のためにここま
での努力が必要なんですね…。


茶道では、相手への会話や動作の型1つ1つを洗練させ、「かた」から「かたち」
へ、つまり相手へのもてなしの心を動作1つ1つに自然な形で表していくことを追
求していったように、昔は相手との交わりの一瞬一瞬を大切にしてきました。

マクドナルドの例でもいえるのですが、そんな相手への思いやりが今の世の中で
は欠けているのかもしれません。


私は大学院時代、あるテレビ局の番組審議会のテープを巻き起こして議事録を作
成するバイトをしていました。

その審議会に列席している”おえらいさん”1人1人から出る言葉は通り一辺倒な
ものばかり…。

視聴率が高いことで慢心しているようにも思いましたが・・・そんなこととこのマク
ドナルドのたゆまぬ努力とどうしても重ねて考えてしまいます。


それはさておき、やはり相手のために尽くす、これは尽くせばきりが無いことで
すが、できる限り相手への思いやりの心を形として表す努力が今求められている
のではないかと思います。


6 コメント

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はじめまして (toshi)
2007-04-29 18:37:30
はじめまして,シンプルな中にも,たくさんの大切なものを感じさせていただけるblogですね。
いくつか学力調査関連のblogを拝見しておりましたが,風待ち人さんのblogでのコメントから,こちらにまいりました。一教員でもあるtoshiと申します。
我が子も長男は大学,次男は高校(いろいろ故あって,本年度進路変更をしたのですが・・)の悩める母でもあります。

「個性の尊重」の真の意味をはき違えると,
「守破離」のようなごくくベースにある大事なものを忘れてしまいますね。
形はとっても大切だと思います。
それをきちんと自分のものとして反芻し,
相手の気持ちを考えながら行動できるといいな・・。
子どもたちだけではなく,大人にも忘れられてきていることかも知れません。
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はじめまして (コロン)
2007-04-29 19:04:57
風待人さんのブログからお越しいただいたんですね。

風待人さんのブログは優しさと慎ましやかな物腰の中に、物事の核心を捉えた芯の強さみたいなものが言葉1つ1つに感じられますよね。

それに比べ私の拙文はお恥ずかしいばかりですが、その中からいろいろと感じてくださっていただけたのは書き手として嬉しい限りです。

ただ私のブログ記事からたくさんの大切なことを感じ取っていただけるのは、toshiさんの人間性の幅の広
さと経験の豊かさからだと思いますよ。

私はすごくシンプルな人なので…(笑)


それはさておき、toshiさんのいうとおり、確かに「個人の尊重」の真の意味をはき違えると、社会の秩序は成り立ちません。それは”自由”も同じでしょう。

人間は社会の中でどう自分を生かして生きるか…そのことを根底に据えてtoshiさんは思考されているのがよく分かります…。


そんなtoshiさんとまたいろいろとお話できると嬉しいなぁと心から思っております。

どうぞまた遊びにきてくださいね。
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こんばんは (toshi)
2007-05-01 01:04:57
resありがとうございました。
私は,シンプルさはとても大切なことだとお思っております。
数学の楽しさのひとつに合理的な機能美があるのかなぁ・・とも感じておりますし。
たった一言の中,数行の行間に様々な意味合いを受け取れる豊かさ。

あ,もちろん,私(歳ばっかりとっておりますが
人間性の幅・・とまでは至っておりません(笑))
のような者でなくても,しっかり受容できます。
筆者の方の厚いメッセージ性如何だと思っております。
また,伺います。宜しくお願いします。
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またお会いできましたね (コロン)
2007-05-01 04:23:30
…ほんとに嬉しいですよ!!

確かにシンプルさは私も大事だと思っています。

書き手が全てのことを文章化してしまうと、読み手が
かえって理解しにくくなることがありますから…。

微分方程式でも事象の関係性をよりシンプルに捉え、数式化することで、相手に着目した観点をはっきりと指し示すことになりますしね…。

書くメッセージは最小限にとどめ、あとは読み手の想像性に任せる…そんな基本的な私のスタンスの根底にある考えを見事に看破されてしまいましたね。
脱帽です…(笑)

やはり私は理系の人間なのかもしれませんね(笑)

それはさておき、これまでのやりとりの中で、toshi
さんの物事の本質を確かに捉える慧眼に触れ、toshiさんという人間にもっと触れてみたいという思いになりました。

こちらの方から今度はそちらにお伺いさせていただきたいと思います。(少しお時間をいただければ…と思いますが)

toshiさんのブログ、楽しみです。
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ありがとうございます (toshi)
2007-05-04 14:09:35
こんにちは。連休でも家庭のことや持ち越しの仕事で,ちょっぴりしか遊べないかも知れない私です(笑)

コメントありがとうございました。
私なんてそんなたいした人間じゃありません。
でも,こうしてコロンさんや,風待人さんとお知り合いになれたこと,
とてもうれしく思っています。デジタルウエッブに押し流されそうなこの情報の氾濫する中での,
本当に素敵な出会いと感じております。
なかなか,即レスポンス・・という訳にもまいりませんが,
遅々として,おつきあい下さい(笑)

私は教員養成のキャンパスだったので‘一応’理科専攻。卒研は半導体シリコンウエハー関係でした。アモルファスシリコン,ゲルマニウム半導体なんて主流だった時代・・(一体何年前のことでしょうか(笑))
でも,どっちかって言うと文系の理科専攻組かも知れません。小学校って何でも屋さんですから。
ピアノも好きだしフルートも吹くし,油彩も好き。
でもどれも大成しない中途半端ですが,
子どもたちと接するときは,そのどれも大切な一素養と思っております。
長男はまさにあっさり理系お薬系,杜の都におります。
連休でやっとこさ帰省した次第。子離れしてない母はうれしくってたまらず,連休のお出かけは息子を送り届ける旅と決心しております(笑)

こちらこそ,これからも宜しくお願いします。
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あ、toshiさん・・・ (コロン)
2007-05-04 17:55:44
またお目にかかれましたね。

1つの契機、縁を大事にされる方…そんなtoshiさ
んの人柄が行為から伝わってきます。


風待人さんとは、茂木先生の関係で知り合いになり、
ちょこちょことブログの方へも足を運んでいる次第
です。

ただ、それだけではなく、人間性に魅かれてお付き
合いさせていただいているのが実際です。

toshiさんも素晴らしい方をブログのつながりから
見つけられましたね!!


私は確かに専攻は数学ですが、もともと文系から理
系へと変わった変り種です。

ですから、数学でもどちらかというと、純粋数学は
好きではなく、実際に大学で専門として勉強してい
たのは、数理生態学や粉体工学といった、数学との
融合分野です。

その意味では、toshiさんと似ている点があるかもし
れませんね。


これからいろいろとtoshiさんとお話できると思うと
ワクワクしますよ。

こちらこそよろしくお願いします…。
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