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労働政策審議会労働政策基本部会報告書~進化する時代の中で、進化する働き方のために~

2018-09-07 09:28:44 | 各省庁の動き
報告書が公表されています。

労働政策審議会労働政策基本部会報告書~進化する時代の中で、進化する働き方のために~【PDF】

【はじめに】より抜粋
1.雇用・労働を取り巻く現状と課題
日本では、1995 年をピークに生産年齢人口の減少が進行している。2015 年に60.8%だった総人口に占める生産年齢人口の割合は、2065 年には 51.4%になると推計されており、今後も長期にわたって労働供給制約状態が継続する。
同時に、日本は健康寿命が世界一の長寿社会、いわゆる「人生 100 年時代」を迎えており、人々は、「教育・仕事・老後」という3ステージの単線型の人生だけではなく、ライフステージに応じて仕事や学習など様々な生き方を柔軟に選択できる「マルチステージ」の人生を送るようになることが期待される。
一方、AI 等の新技術に代表される第四次産業革命と呼ばれる技術革新が、非常に速いスピードで世界的に進行しつつあり、グローバル化の深化や、インターネット上のプラットフォームの台頭、IoT の普及による情報収集の進展ともあいまって、ビッグデータ・ビジネスやシェアリング・ビジネスなど新たなビジネスモデルが次々と生まれている。
そうした一連の変化は、新たな商品やサービスを生み出して消費者としての日々の生活を変えるだけでなく、仕事を取り巻く環境や働き方にも大きな変化をもたらしうる。
例えば、AI 等の新技術の活用によって多くの仕事の生産性が向上し、その成果が適正に分配されれば、労働供給制約下であっても、豊かで活力ある暮らしを維持することが可能となるだろう。
働き方の面では、職場でしかできなかった作業を、IT 機器と通信ネットワークを使って自宅など職場以外の場所で行い、通勤時間の短縮等により、時間を有効に活用するという働き方は、すでに現実のものとなっているし、雇用されることにこだわらず独立したり、複数の会社と緩やかにつながって働くという選択肢も、インターネットに媒介され広まる兆しがある。
労働供給の制約と人生 100 年時代の到来に直面する日本社会にとって、働き方の選択肢が拡大することは、働きたいという意欲のある人の参加の機会を拡げるとともに、「マルチステージ」という生き方を可能にするものである。
ただし、働き方の変化が、個人、企業、そして社会全体にとって望ましい影響をもたらすには、個人の側には変化する社会の中で自ら前進を続ける前向きさが、企業の側には多様な働き方を受け入れて活用する柔軟さが求められる。
労働政策は、そうした個人と企業を積極的に支援すべきである。

2.労働政策基本部会設置に当たっての問題意識
上記のような雇用環境や働き方を取り巻く状況の変化の中、多様な働き方のニーズに対応した政策決定プロセスの在り方を検討するため、「働き方に関する政策決定プロセス有識者会議」が平成 28 年7月に立ち上げられた。本会議の報告書においては、「働き方やそれに伴う課題が多様化する中、旧来の労使の枠組みに当てはまらないような課題や就業構造に関する課題などの基本的課題については、必ずしも公労使同数の三者構成にとらわれない体制で議論を行った方がよい」との問題意識に基づき、公労使同数の三者構成ではなく様々な分野や立場の有識者からなる「労働政策基本部会」を労働政策審議会本審の下に設置し、時代の変化を先取りしつつ機動的な政策決定が行える体制を作るという新たな考え方が打ち出された。
これを受け設置された労働政策基本部会では、時代に対応あるいは先を見据えた働き方の課題やこれまでの「労働者」や「労使」の枠組みを超えた課題などの、働き方を取り巻く新たな中長期的課題について検討することとし、審議を進めてきた。

3.労働政策基本部会における審議事項
第四次産業革命と呼ばれる技術革新を受けて、AI、IoT、ビッグデータ及びロボットといった技術革新の雇用・労働への影響が各国で議論され、技術革新による失業が生じる可能性も指摘されている。日本としても AI 等の新技術を活用した Society 5.0 の実現を目指しつつ、特に AI 等の技術革新が雇用・労働に与える影響について議論し、その対応策を検討する必要がある。このような影響は、労働者の人材育成や生産性向上の在り方を検討する際に考慮しなければならない点である。このことから、働き方を取り巻く新たな中長期的課題について検討することとした労働政策基本部会では、第一に、こうした「技術革新(AI 等)の動向と雇用・労働への影響等」について、これまでの議論、今後の変化の予測や課題について整理した。
また、このような AI 等の技術革新の雇用・労働への影響を踏まえた上で、働き方を取り巻く環境の変化に対応するためには、AI 等の新技術を活用しつつ、経済成長に向けて生産性の向上を図ることが求められる。その際には、「人生 100年時代」における職業人生の長期化や、人々が「マルチステージ」の人生を送るようになるといった見通しも考慮する必要がある。そのため、生産性の向上に加えて、労働者一人ひとりのキャリアの充実を支援し、誰もが働きやすい転職が不利にならない柔軟な労働市場を形成することが必要である。このことから、第二に、こうした「働く人全ての活躍を通じた生産性向上等に向けた取組」について、現状と今後の課題について整理した。
さらに、生産年齢人口が減少していく中で日本が今後も成長し続けるためには、テレワークや副業・兼業といった柔軟な働き方をしやすい環境を整備していくことが必要である。また、女性や高齢者の労働参加の拡大、技術革新など様々な要因を背景に、旧来の労働法制で定義されている「労働者」の枠組みに当てはまらない働き方が今後、更に拡大することが見込まれる。そこで、第三に、こうした「時間・空間・企業に縛られない働き方」について、具体的な措置が求められる課題や引き続き検討が必要な論点を整理した。

「消費者トラブルメール箱」2017年度のまとめ

2018-09-07 09:22:43 | つぶやき
国民生活センターが報告書を公表しています。

「消費者トラブルメール箱」2017年度のまとめ【PDF】

2015年から再び増加傾向にあります。

架空請求・不当請求関連、インターネット通販に関するトラブル、健康食品等の定期購入に関するトラブル、情報商材に関するトラブル、オンラインゲームやアプリに関するトラブル等が触れられています。