今日は思いっきり趣味のエントリです。
日本では腐敗&金満&弱いイメージが強い中国サッカーですが、実は国内リーグはそれなりに盛り上がっています。
昨年は広州恒大がアジアチャンピオンズリーグで優勝し、アジア最強クラブとなるなど、明るいニュースもありました。
▲広州恒大
昨日10月26日、中国サッカーに多大なる貢献をした「徐根宝」という人物が、表 舞台から「引退」という大きなニュースがありました。
上海大手メディアがこぞって「さようなら、徐根宝」と惜別の念を込めた記事を 書いています。
■徐根宝って誰?
1944年、当時の中華民国上海生まれ、1966年から1975年まではセンターバックとして国家代表選手。
チームキャプテンも務めました。76年に選手を引退、指導者の道を歩みます。
オリンピック国家代表、国内各地のクラブチームでの指導を経て、2002年に私財を投じて青少年代の育成施設を上海崇明島に開設。
2005年にはこの育成施設をベースにしたプロクラブ、「上海東亜フットボールクラブ」を立ち上げました。
3部(乙級)に参入し、61歳の高齢(当時)ながら監督として同チームを率いて、1部 (超級)まで7年かけて勝ち上がりました(※1)。
▲上海東亜のエンブレム
2012年以降、所属選手が中国代表に選出されるなど大きく成長したチームは、 2014年現在、中国最高峰の「中国サッカースーパーリーグ(中国超級)」を舞台に戦っています。
※1 中国では3部(乙級)までがプロ扱い。
プロクラブは中国サッカー協会、国家体育総局の承認の下、3部からのスタートします。
1部(超級)2部(甲級)が全国リーグで、3部は国土を南北に分けたリーグ戦です。1 部~3部までの昇降格はありますが、3部以下への降格はありません。
3部は観客もほとんど入っておらず、数年以内に2部に上がれなければ「解散」するクラブが多いです。
■さらば、徐根宝
前述のように、中国サッカーに人生を捧げた徐根宝氏ですが、70歳を超えた今も気力は衰えてないようです。
おそらく「最後の仕事」として、この2002年に立ち上げた「徐根宝青少年サッ カースクール」の運営に専念すべく、「上海東亜フットボールクラブ」の一切の役職を退任し、上海崇明島に帰ることに決めたとのこと。
昨日26日には、ホームスタジアム「上海体育館」にて南京のクラブ「江蘇舜天」 を相手取り、徐根宝自身が自ら発掘し、手塩にかけて育てた中国代表MF武磊(うーれい)のゴールを含む3-0で快勝。MF武磊は南京出身ですから、余計に感じるものがあったかもしれません。
▲中国代表MF武磊(うーれい)
自身が育てた選手と7,000人のサポーターに見送られて、クラブを去りました。
■上海東亜というチーム
徐根宝氏のインタビューを読んだことがありますが、非常に強い信念を持ってこのクラブの運営に当たっていたことが分かります。
中国のクラブはスポンサーの意向による撤退や本拠地移転が頻繁(※2)に起こるほか、選手育成を重視せず、場当たり的な補強を繰り返すチームが多いです。
その中で、自前の育成組織を重視し、時間をかけて強化をしてきたこのチームか ら代表選手が出るようになったことは大きな意味があると思います。
自前で育てた選手が活躍し、成績もめきめきと伸ばしてきました。昇格初年度の 2012年こそ降格争いに巻き込まれましたが、13年度は6位でフィニッシュ、14年度は5位につけています。
アジアチャンピオンズリーグ2015の出場権である3位以内は残念ながら逃しまし たが、シーズン半ばまでは上位争いに加わる堂々とした戦いぶりでした。
今回、創始者である徐根宝氏がこのチームを去り、強いカリスマ性を持っていた 同氏を失うことで、主力選手の移籍も有りうるかも知れません(※3)。
また、2013年よりクラブの正式名称は「上海東亜足球俱楽部」ですが、国有港湾企業「上港集団」のスポンサードを受け、「上海上港東亜」として戦ってきまし た。2015シーズンより、スポンサードではく、この「上港集団」の支配下に入る ようです。
いずれにせよ、上海東亜は変革の時を迎えています。
※2 本拠地の移転は、国土が広いこともあって凄まじい距離を移動してしまいま す。
たとえば2012年の江西省南昌→上海に移転し、チーム名を「南昌八一衝源隊」から「上海申鑫」に変更した例など。ファンはどうやってついていけと…。
※3 昨年のシーズンオフ、前述の中国代表MF武磊にはヘルタベルリン(当時ドイツ2部)から正式オファーがありましたが、この徐根宝氏が「クラブの宝である武磊は絶対に移籍させない」と断ったことがあります。
たとえば2012年の江西省南昌→上海に移転し、チーム名を「南昌八一衝源隊」から「上海申鑫」に変更した例など。ファンはどうやってついていけと…。
※3 昨年のシーズンオフ、前述の中国代表MF武磊にはヘルタベルリン(当時ドイツ2部)から正式オファーがありましたが、この徐根宝氏が「クラブの宝である武磊は絶対に移籍させない」と断ったことがあります。
■最後に
ちょっとこじつけ感はありますけれども、現地採用で生き抜いていくためには、 胆力を持って困難に屈せず、自分の信じる道を歩くことだと思うんですね。
なので、こういった信念を持った方の記事は励みになるなあと思います。
それから、中国サッカーは決してつまらないわけではないので、サッカー好きで現地採用やられてる方は週末中国サッカーを見にお出かけしてみてはいかがでしょうか。
幸い上海にはプロクラブが3チームもありますので、生観戦しやすいですよ!今年はあと1試合でリーグ戦終了ですけど。
▲意外とアツイ応援スタイル
▲ホームスタジアム(上海体育館)風景、あんまり観やすくはないですが
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shengshowchina@yahoo.co.jp
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