古書肆雨柳堂

小説の感想。芥川龍之介、泉鏡花、中島敦、江戸川乱歩、京極夏彦、石田衣良、ブラッドベリ、アシモフ、ディック

芥川龍之介『猿蟹合戦』

2005-08-08 21:38:25 | SF

概略と解説
 短編なので粗筋も感想も一緒に述べます。話の内容にも触れているのでご注意ください。

 えっ!?なんで猿蟹合戦と思われたでしょうか?芥川龍之介に同名の作品があるのです。これは童話の猿蟹合戦の後日談です。なんとあの事件が裁判になり、新聞に掲載されました。そう、あれが現代社会だったら・・・という、芥川らしいアイロニーに満ちた作品です。
 
  裁判の結果は猿は無罪、蟹の子供、うす、はち等は有罪です。
焦点は以下の通り
  猿は握り飯と蟹を交換するといったが、熟柿とはとくに断っていない。
  猿が青柿をぶつけたのは故意とは断定しがたい。
  
  特に復讐したことについては「悪しき風習であり、時代錯誤も甚だしい。
国民も同様の意見である。」と、ひどい言われようである。

考察
 この作品の教訓はなんであるのか?そもそもあるのか。芥川流の諧謔か、自体目的であり、何かのために書いたというわけではないのかもしれない。


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