(子猫庵連句集その一)
「流ゆくものの賦」より
「春」の部
2005・2・1
2005・2・28
(一)
親鸞のゆかりの寺の梅真白 南郷庵
雲の彼方へ引き鳥の群 子猫庵
黙々と磯菜摘む人其処此処に 同
(二)
くるくると春を待つかに風車 南郷庵
ゆかしき香り溢る梅園 子猫庵
吉日に弥生狂言始まりて 同
(三)
吾にまた希望の二字よ雲雀舞へ 南郷庵
ものの芽萌えて躍動の時 子猫庵
掌中の珠も春野に飛び出でて 同
(四)
ふらここの母のハミングわらべ唄 南郷庵
こずえも揺れて一片(ひとひら)の花 子猫庵
春日傘くるりと回り行きすぎて 同
(五)
鳩が来る土手で芹摘む佳き日かな 南郷庵
水面を揺らし動き出す蝌蚪 子猫庵
七色の風船ふわと大空に 同
(六)
清美なる一重の椿咲きにけり 南郷庵
門前茶屋に初雷の客 子猫庵
春袷新作展の賑わいて 同
(七)
初蝶や陽射しなごみて塔の影 南郷庵
プリムラゆれてミサの歌声 子猫庵
弥生野に乳母車押し踏み入りて 同
(八)
花疲れ花の布団に眠りたし 南郷庵
春の名残の夢路再度(ふたたび) 子猫庵
月おぼろ鳰の浦風そよ吹きて 同
(九)
菜の花の岬の白い波濤かな 南郷庵
足踏ん張りて草食む仔馬 子猫庵
風光る新グランドに夢追いて 同
(十)
つつじ野を海に例へて船出とす 南郷庵
巣立ちの鳥の清かなる声 子猫庵
風そよぐ青麦畑かがやきて 同
(十一)
火の山を仰ぎ見をれば花の散る 南郷庵
声上げ駆ける遠足の子等 子猫庵
春帽子ピンクのリボン結ばれて 同
(十二)
筑波嶺の空を染めたり春の虹 南郷庵
しばし休めり畑打ちの鍬 子猫庵
熱こもる東踊りの稽古場に 同
(留め書き 2005・2・28)
南郷庵句集『流れゆくものの賦』の句を立句とし
て「脇句・第三」を付けての三つ物。(子猫庵)
「流ゆくものの賦」より
「春」の部
2005・2・1
2005・2・28
(一)
親鸞のゆかりの寺の梅真白 南郷庵
雲の彼方へ引き鳥の群 子猫庵
黙々と磯菜摘む人其処此処に 同
(二)
くるくると春を待つかに風車 南郷庵
ゆかしき香り溢る梅園 子猫庵
吉日に弥生狂言始まりて 同
(三)
吾にまた希望の二字よ雲雀舞へ 南郷庵
ものの芽萌えて躍動の時 子猫庵
掌中の珠も春野に飛び出でて 同
(四)
ふらここの母のハミングわらべ唄 南郷庵
こずえも揺れて一片(ひとひら)の花 子猫庵
春日傘くるりと回り行きすぎて 同
(五)
鳩が来る土手で芹摘む佳き日かな 南郷庵
水面を揺らし動き出す蝌蚪 子猫庵
七色の風船ふわと大空に 同
(六)
清美なる一重の椿咲きにけり 南郷庵
門前茶屋に初雷の客 子猫庵
春袷新作展の賑わいて 同
(七)
初蝶や陽射しなごみて塔の影 南郷庵
プリムラゆれてミサの歌声 子猫庵
弥生野に乳母車押し踏み入りて 同
(八)
花疲れ花の布団に眠りたし 南郷庵
春の名残の夢路再度(ふたたび) 子猫庵
月おぼろ鳰の浦風そよ吹きて 同
(九)
菜の花の岬の白い波濤かな 南郷庵
足踏ん張りて草食む仔馬 子猫庵
風光る新グランドに夢追いて 同
(十)
つつじ野を海に例へて船出とす 南郷庵
巣立ちの鳥の清かなる声 子猫庵
風そよぐ青麦畑かがやきて 同
(十一)
火の山を仰ぎ見をれば花の散る 南郷庵
声上げ駆ける遠足の子等 子猫庵
春帽子ピンクのリボン結ばれて 同
(十二)
筑波嶺の空を染めたり春の虹 南郷庵
しばし休めり畑打ちの鍬 子猫庵
熱こもる東踊りの稽古場に 同
(留め書き 2005・2・28)
南郷庵句集『流れゆくものの賦』の句を立句とし
て「脇句・第三」を付けての三つ物。(子猫庵)