清原拐童(きよはら・かいどう)明治15年~昭
和23年 福岡県生まれ。「自由さをもった技巧」
を虚子が称賛。昭和5年、朝鮮半島に渡る。「木犀」
を発行。
土砂降りの夜の梁の燕(うつばり)の燕かな
風呂沸くやしんと日あたる松の花
露の世に海女の焚く火のうつくしく
春水に塵捨てゝ住む二三軒
もとよりも淋しき命水中(あた)り
とめどなく咳(せ)きつゝ瓶(かめ)を洗ひをり
肌 . . . 本文を読む
渡辺水巴(わたなべ・すいは)
明治15年-昭和21年 虚子は「自然物をあたかも生物の如く見た」
と評した。父は花鳥画の大家。
女の子交りて淋し椎拾ふ
草山を又一人越す日傘かな
落葉して汝も臼になる木かな
櫛買へば簪(かざし)が媚びる夜寒かな
窓に月のありけり雛は既に知る
日輪を送りて月の牡丹かな
白う咲きてきのふ今日なき蓮かな
大涛に沈む日も見ず田打かな . . . 本文を読む