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子猫庵連句集(その一)

2005-03-04 18:16:43 | 子猫庵連句集
(子猫庵連句集その一)

「流ゆくものの賦」より
  「春」の部
       2005・2・1 
       2005・2・28
  
  (一)
親鸞のゆかりの寺の梅真白      南郷庵  
 雲の彼方へ引き鳥の群       子猫庵  
黙々と磯菜摘む人其処此処に      同    
  (二)
くるくると春を待つかに風車     南郷庵 
 ゆかしき香り溢る梅園      子猫庵    
吉日に弥生狂言始まりて        同 
   (三)
吾にまた希望の二字よ雲雀舞へ   南郷庵 
 ものの芽萌えて躍動の時     子猫庵
掌中の珠も春野に飛び出でて     同 
   (四)
ふらここの母のハミングわらべ唄    南郷庵 
 こずえも揺れて一片(ひとひら)の花  子猫庵
春日傘くるりと回り行きすぎて     同
  (五)
鳩が来る土手で芹摘む佳き日かな    南郷庵  
 水面を揺らし動き出す蝌蚪      子猫庵
七色の風船ふわと大空に        同  
   (六)
清美なる一重の椿咲きにけり      南郷庵  
 門前茶屋に初雷の客         子猫庵 
春袷新作展の賑わいて         同  
  (七)
初蝶や陽射しなごみて塔の影      南郷庵   
 プリムラゆれてミサの歌声      子猫庵  
弥生野に乳母車押し踏み入りて     同   
   (八)
花疲れ花の布団に眠りたし       南郷庵  
 春の名残の夢路再度(ふたたび)    子猫庵 
月おぼろ鳰の浦風そよ吹きて      同 
   (九)
菜の花の岬の白い波濤かな       南郷庵  
 足踏ん張りて草食む仔馬       子猫庵
風光る新グランドに夢追いて      同 
   (十)
つつじ野を海に例へて船出とす     南郷庵   
 巣立ちの鳥の清かなる声       子猫庵  
風そよぐ青麦畑かがやきて       同 
   (十一)
火の山を仰ぎ見をれば花の散る     南郷庵    
 声上げ駆ける遠足の子等       子猫庵 
春帽子ピンクのリボン結ばれて     同    
   (十二)
筑波嶺の空を染めたり春の虹      南郷庵    
 しばし休めり畑打ちの鍬       子猫庵  
熱こもる東踊りの稽古場に       同  

(留め書き 2005・2・28)
南郷庵句集『流れゆくものの賦』の句を立句とし
て「脇句・第三」を付けての三つ物。(子猫庵)

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