「私の写真を見て下さい」も最終回となりました。
今回は、地元の郷土芸能「石見(いわみ)神楽」を
紹介します。
「石見神楽」は、祭りやイベント時などに舞われ
ますが、その演目の中でも一番の人気があるのが
「大蛇(おろち)」です。
この「大蛇」とは、どんな演目なのでしょうか。
『 天照大御神の弟、素戔嗚尊(スサノオノミコト)
は、悪行を重ね高天原(たかまがはら)から追放
される。
地上に降り立った素戔嗚尊は、出雲国:斐伊川に
辿り着いた。
川を眺めていると、一本の箸が流れて来て上流に
人が住んで居ると思い、そちらへと向かって行く。
やがて、上流に着くと、そこには老夫婦と娘が
嘆き悲しんでいた・・・。』
では、演目「大蛇」の写真をご覧下さい。
【 大蛇現る! 】
素戔嗚尊は、老夫婦に嘆き悲しむ訳を聞く。
すると老夫婦は、「私には8人の娘が居たが、
すでに7人が大蛇に連れ去られた・・・。」
「残る一人も、やがて来る大蛇にさらわれる。」
素戔嗚尊は、その娘を嫁にくれれば、大蛇を
退治してやると約束する。
そして、老夫婦に毒酒を造らせ大蛇がやって
来るのを待っていると、暗雲雷鳴と共に
この世のものとは思えない大蛇が現れた!
素戔嗚尊は、悪戦苦闘の末、大蛇を見事退治し、
老夫婦の娘と結婚して幸せに暮らした。
その時読んだ句が、「八雲立つ 出雲八重垣
妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を 」
日本で最初の和歌と言われている。
この「大蛇」伝説を紐解くと、一説には
「大蛇」は度重なる洪水を起こす斐伊川を
表し、退治した「大蛇」を切り刻んで出て
きた剣は、川底の砂鉄ではないかと推測
されている。
尚、この剣は、「天村雲剣(あめむらくも
のつるぎ)」として、天照大御神に献上され
のちに「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」と
呼ばれ、天皇の三種の神器として代々
受け継がれている。