社民党富山県連合は29日、富山市内で常任幹事会を開き、10月に予定されている富山県知事選挙において出馬の意向を表明している現職の石井隆一氏を、推薦しないことを決めました。
決定までの経緯と決定理由、および今後について、次のように話し合われました。
1.石井県政4年の評価
社民党は、前回の知事選挙において、石井氏と政策協定を結んで推薦してきた。また、「推薦=与党」との立場を取らず、チェック&バランスの観点から県政執行に対しては是々非々で臨むこととしてきました。
したがって、今回の対応の前提は、協定の実現度合いの検証です。
① 県政の基本的役割は、県民生活の向上、暮らしの安心・安全を図ることです。その観点から社民党は、石井氏と交わした政策協定において「県民福祉の拡充」などを協定しました。しかし、県民生活の根幹にかかわる福祉や医療・介護、教育などの分野で「聖域のない見直し」が行われ、県立福祉施設の民営化、県単独医療費助成制度の見直し、県民生活支援の各種補助金のカットなどが実施されてきました。また、期待が大きかった少人数学級なども実現しませんでした。そしてこれらが、議会ではなく「あり方懇」という諮問機関を多用して行われたことも問題です。
② 「財源不足」問題の主な原因は、好・不況にかかわらず公共事業を拡大した歴代政府とこれに追従してきた県政にあります。石井知事が全国知事会などでこの点について政府に厳しく指摘してきた積極姿勢は、一定の評価をしています。しかし、それが県政改革に生かされたかと言えば、不十分だと言わなければなりません。例えば、「利賀ダム」や、「(岐阜県側では計画もない)地域高規格道路・富山高山連絡道路」のような不要・不急の大型開発事業が依然として温存され、また「北陸新幹線」についても、国直轄事業として建設されるべき責任をあいまいにしたまま、巨額の地元負担を前提として県政の最優先課題とされ、他の県政施策に影響を及ぼしています。
③ 政策協定では「全県民党的立場」に立って県政執行に当たると確認しました。しかし、昨年の参院選挙では特定政党の候補者を応援し、かつ無所属統一候補の当選者に祝意を述べに行くことさえ避ける姿勢は、信義に反する行動だったと言わざるを得ません。また今回の選挙にあたっても、政党によって「推薦要請」に時間差を作るなど、自ら「全県民党的立場」を放棄したと批判されても当然と言えるでしょう。
2.県知事選への対応
① 10月2日告示・19日投票の知事選挙にあたっては、以上に述べた観点から、石井氏からの推薦要請に応えることはできません。「約束したことは守る」ことは社会の規範であり、とりわけ政治はその模範であるべきであると、社民党は考えます。
② わが党としては、党組織の現状にかんがみ、今次知事選挙に当たって独自候補または統一候補の擁立は行いません。
3.県政に臨む社民党の姿勢
① 依然、政府は市場経済万能論の「構造改革」を進めており、社会のあらゆる分野に格差が拡大し、国民・県民生活を直撃しています。それは地方にも波及し、地方交付税の削減や「行政改革」の圧力によって、福祉・行政サービスの切り下げが進み、地域は大変疲弊しています。
② 県政が果たすべき役割は、県民生活の向上、暮らしの安心・安全を図ることにあります。県民福祉・医療・介護の拡充、行き届いた教育、環境施策の推進、農林水産業や中小地域産業の育成などが図られねばなりません。そのためには、県知事が県民要望を踏まえて政府に厳しく注文する姿勢も重要です。
③ 社民党は、このような国政の転換に全力を挙げると共に、県議団の議会活動や日常活動を通じて県民要望の実現と県政改革に全力で取り組んでいく決意です。
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決定までの経緯と決定理由、および今後について、次のように話し合われました。
1.石井県政4年の評価
社民党は、前回の知事選挙において、石井氏と政策協定を結んで推薦してきた。また、「推薦=与党」との立場を取らず、チェック&バランスの観点から県政執行に対しては是々非々で臨むこととしてきました。
したがって、今回の対応の前提は、協定の実現度合いの検証です。
① 県政の基本的役割は、県民生活の向上、暮らしの安心・安全を図ることです。その観点から社民党は、石井氏と交わした政策協定において「県民福祉の拡充」などを協定しました。しかし、県民生活の根幹にかかわる福祉や医療・介護、教育などの分野で「聖域のない見直し」が行われ、県立福祉施設の民営化、県単独医療費助成制度の見直し、県民生活支援の各種補助金のカットなどが実施されてきました。また、期待が大きかった少人数学級なども実現しませんでした。そしてこれらが、議会ではなく「あり方懇」という諮問機関を多用して行われたことも問題です。
② 「財源不足」問題の主な原因は、好・不況にかかわらず公共事業を拡大した歴代政府とこれに追従してきた県政にあります。石井知事が全国知事会などでこの点について政府に厳しく指摘してきた積極姿勢は、一定の評価をしています。しかし、それが県政改革に生かされたかと言えば、不十分だと言わなければなりません。例えば、「利賀ダム」や、「(岐阜県側では計画もない)地域高規格道路・富山高山連絡道路」のような不要・不急の大型開発事業が依然として温存され、また「北陸新幹線」についても、国直轄事業として建設されるべき責任をあいまいにしたまま、巨額の地元負担を前提として県政の最優先課題とされ、他の県政施策に影響を及ぼしています。
③ 政策協定では「全県民党的立場」に立って県政執行に当たると確認しました。しかし、昨年の参院選挙では特定政党の候補者を応援し、かつ無所属統一候補の当選者に祝意を述べに行くことさえ避ける姿勢は、信義に反する行動だったと言わざるを得ません。また今回の選挙にあたっても、政党によって「推薦要請」に時間差を作るなど、自ら「全県民党的立場」を放棄したと批判されても当然と言えるでしょう。
2.県知事選への対応
① 10月2日告示・19日投票の知事選挙にあたっては、以上に述べた観点から、石井氏からの推薦要請に応えることはできません。「約束したことは守る」ことは社会の規範であり、とりわけ政治はその模範であるべきであると、社民党は考えます。
② わが党としては、党組織の現状にかんがみ、今次知事選挙に当たって独自候補または統一候補の擁立は行いません。
3.県政に臨む社民党の姿勢
① 依然、政府は市場経済万能論の「構造改革」を進めており、社会のあらゆる分野に格差が拡大し、国民・県民生活を直撃しています。それは地方にも波及し、地方交付税の削減や「行政改革」の圧力によって、福祉・行政サービスの切り下げが進み、地域は大変疲弊しています。
② 県政が果たすべき役割は、県民生活の向上、暮らしの安心・安全を図ることにあります。県民福祉・医療・介護の拡充、行き届いた教育、環境施策の推進、農林水産業や中小地域産業の育成などが図られねばなりません。そのためには、県知事が県民要望を踏まえて政府に厳しく注文する姿勢も重要です。
③ 社民党は、このような国政の転換に全力を挙げると共に、県議団の議会活動や日常活動を通じて県民要望の実現と県政改革に全力で取り組んでいく決意です。
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