店主のだらだら草子

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祇園祭巡行その8

2010年08月08日 | 京都
TOPの画像は北観音山

黒主山(くろぬしやま)

六歌仙の一人、大伴黒主(おおとものくろぬし)が桜の花を仰ぎ眺めている姿をあらわす。



この様子は、謡曲「志賀」にちなんでいるそうです。  謡曲「志賀」



山に飾る桜の造花はチマキと同様に、戸口にさすと悪事が入ってこないといわれています。


鈴鹿山(すずかやま)

名前の鈴鹿山は、伊勢国鈴鹿山で道行く人々を苦しめた悪鬼を退治した鈴鹿権現『瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)』の伝説に由来する。





松には、鳥居や宝珠などが描かれた小絵馬を多く付ける珍しい山で、巡行後に盗難除けのお守りとして町内にお住まいの方に限り、配られているそうです。。



浄妙山(じょうみょうやま)

『平家物語』の宇治川の合戦の一場面に山の名前の由来がある。



宇治川の合戦で、源氏方の三井寺僧兵筒井浄妙が名乗りを上げ、細い橋桁を渡り一番乗りをしようとすると、一来法師がその頭上を飛び越えて先陣をとってしまったという場面を表しているそうです。



胴懸は長谷川等伯原画の「柳橋水車図」の綴錦織。
浄妙が着用している黒韋威肩白胴丸(くろかわおどしかたじろどうまる)は室町時代の作品で重要文化財に指定されている。
矢がいっぱい刺さっているのもおもしろい、臨場感溢れる山。



鯉山(こいやま)

名前の由来は「登龍門」の故事がテーマで、中国の黄河中流にある龍門の滝を上る鯉の姿を表している。



全面を飾る16世紀ベルギー・ブリュッセルで製作されたタペストリーは、すべて国の重要文化財に指定されています。



この立派な木彫りの鯉は、左甚五郎の作と伝えられています。



南観音山(みなみかんのんやま)

北観音山と同じ楊柳観音像(よくりゅうかんのんぞう)のほか善財童子を祀る。
この山も「くじ取らず」で、巡行の最後を締める。
北観音山が「上り観音山」と呼ばれるのに対し,「下り観音山」(くだりかんのんやま)と呼ばれる。



かつては、北観音山と交互に巡行していた時期があったらしい。



北観音山のときに写っていなかった柳の枝。
この柳の枝は、楊柳観音が薬草を表す柳を持って人の中へ出向き、人々を病苦から救ったということにちなんでいる。諸病を防ぐ意味があるとされる。

この南観音山には、宵山の深夜に南観音山だけで行われる「あばれ観音」という行事がある。本尊の楊柳観音をしばりつけた御輿をかつぎ、町内を3周しながら町の両端で激しく揺らすという不思議な儀式。
一度見に行きたいなと思いながら、まだ行けずにいます。


巡行が終わって、新町通を角山鉾町へ戻る。

かつては地元の人だけの穴場スポットだったが、今はその風情を味わおうと、巡行の見物より混雑している。




段々遠く小さくなっていく鉾。

7月1日から始まった祇園祭は、この巡行でやっと半分。
31日の夏越祭まで、まだまだ行事は続きます。
祇園祭の主な日程を見ていただければ、おおよその全貌が見えてきます。
50数年住んでいても、行ったことも見たこともない行事がいっぱいです。(笑)


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長い間、祇園祭巡行の記事にお付き合いいただきましてありがとうございました。
これからはまた、いつものゆっくりペースに戻りたいと思います。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
楽しませていただきました~ (ジョルジュ)
2010-08-31 13:13:58
人々が着ている衣装、胴懸、小さな隅っこの飾りもの。
そべてが伝統・文化の酔! という感じです。

リタイアしたら たっぷり時間を取って 何日もかけて じっくり眺めたい。
その前に 京都の暑さに耐えうる身体を作らなくては。
毎日エアコンの効いた室内から出られないジョルジュです。
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ありゃりゃ。 (ジョルジュ)
2010-08-31 13:15:06
酔じゃなくて、粋ですね。 
お酒の記事で 酔いがまわってるようです(笑)。
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ジョルジュさま (scops)
2010-08-31 17:58:19
私自身も、最初から最後までじっくりと巡行を見たのは初めてでしたし、知らなかったことがたくさんありました。勉強になりました。(笑)

巡行の4~5日前から、各山鉾町で夜に飾り物などの展示がありますので、そのときならマジかでじっくり見ることができますよ。
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