店主のだらだら草子

スローライフを目指すi-sumi.com店主の気ままな日記

六道参り

2006年08月08日 | 京都
お盆が近づいてきましたね。この時期、あの世からご先祖様の霊を迎えに行くためお参りしますが、京都では通称「六道さん」とよばれる六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)がもっとも有名です(お参りは八月七~十日)。

私も久しぶりにお参りして来ました。
お参りする方も昔と比べれば減ってきたそうですが、それでも多いときは暑い中1時間以上の長~い列を作ります。


「六道の辻」石碑
六道とは、生前の善悪の行いによって導かれる冥界で、天上・人間・修羅・ 鬼畜・餓鬼・地獄のことだそうで、門前には「六道の辻」という石碑があり、現世とあの世の境と言われています。
また、このお寺のあたりは、平安時代は鳥辺野つまり鳥葬・風葬の地で、このお寺はその入り口にあったこともあり、ほかにもミステリーなものがあります。




それにしてもまだ信心深い方が多いんですね。やっぱりお年寄りが多かったけど、この暑さの中、並大抵のことじゃないですね。(並ぶのは山門からではなく、東門です)

長~い列は、霊をあの世からお迎えするために「迎え鐘」をつくためのものです。
これを済まさないと始まらないのです。
そのあと本堂にお参りし、ご先祖様の戒名を書いた水塔婆を線香の煙でで清め、コウヤマキの葉で水をかけて奉納します。




境内の閻魔堂には大きな閻魔大王と小野篁(おののたかむら)の像がありますが、この小野篁は昼間は宮廷に仕え、夜は六道珍皇寺本堂裏の井戸から地獄に通い、閻魔大王に仕えて裁きを手伝ったという伝説があります。

私もいずれお目にかかることになるのでしょうか?
この時期しか扉が開かないのに、恐れ多いので中の写真は撮っていません。  
井戸は今もありますが、残念ながらお盆の時期は拝観できません。普段も予約が必要です。

お寺の少し東には、臨月で亡くなった女性の幽霊が、子供を育てるために夜な夜な買いに来たという「幽霊の子育て飴」も売られています。


お盆の時期というのは、広島・長崎の原爆被害に代表されるように、戦争の犠牲となった大勢の人たちへの供養・鎮魂と反省のときに重なります。迎えられる霊の中には、たくさんの犠牲者の方々の霊もおられることでしょう。「霊」に関わる宗教行事を通じて、あらためて「生」と「死」についていろいろと考えさせられました。

追記
御精霊さんをお迎えに行き、送り火でまたあの世にお戻りになるというのが一連の動きです。
大文字五山の送り火が観光行事ではなくて宗教行事だということを知らない方も多いようですが、実はこういう意味があるんです。


この記事は、ブログをはじめる前にi-sumi.com(いい炭ドットコム)のホームページ内で書いたものですが、皆さんにも見ていただきたくて、ちょっと追記・再編集を交えて再掲しています。

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お参り (hitoha)
2006-08-08 11:55:59
京都ですが、何も知りませんでした。

私は宗教は何ということはないのですが(某お寺さんの檀家ではありますが)、それでもお盆やお彼岸などのときに宗教行事に触れると、何か心が静まって清められるような気がします

年始には神社へ行き、子どもの学校も仏教にキリスト教でまったくばらばら。でも、お勤めや礼拝って人間には必要だなぁって思います

個人的には古い教会の雰囲気も好きだし、お寺のひんやりした本堂で、今だったら蝉時雨を聞くのが好き京都はお寺がいっぱいあるので、いろいろ行ってみたいです。
返信する
hitohaさん (scops)
2006-08-08 22:48:52
私もバラバラですよ。



hitohaさんのおっしゃるように、心が静まって清められるような気がします。

畏怖と感謝の念を持つということが、いや、改めてそこで認識するのでしょうか、そういう気持ちになれることで心が安らぐのかもしれませんね。
返信する
コウヤマキの葉で (fagus06)
2006-08-10 05:58:23
水をかける?

すみません、つい木のことにひっかかって。

初めて聞く話です。何か意味があるんでしょうね。



テレビでも見ましたが、細い穴から出ている綱を引くというのは、多分ここだけでしょう。

私はまだ行ったことがありません。面白そうな、と言うと怒られそうですが、行ってみたいですね。
返信する
fagus06さんは (scops)
2006-08-10 15:15:45
きっとコウヤマキに反応されると思っていましたよ。(笑)



京都ではお盆にはこのコウヤマキを供えます。精霊がコウヤマキの葉に乗って来られると言い伝えられているようですが、詳しいことはわかりません。



今朝行ってきたんですよ。

今日は驚くほど人が少なくて、迎え鐘をつくのも10分ほどしか並びませんでした。
返信する
コウヤマキ (うめもも)
2006-08-10 16:43:04
へ~っ!!!

おもしろいですね~。



六道参りは、お墓参りとは別にお参りするんですよね~?

やはり京都!いろんな風習があるんですね~。



この前は、シンクロ嬉しかったです。

あの曲はラルゴ♪

ゆっくりのんびりという意味です。

短気な私に、scopsさんを見習ってもっと

おおらかに自然を見よと言われたような気がしますね~。



あの後もNさん(会長)とシンクロがあって

すっかりお盆モードです。



ありがとうございました
返信する
うめももさん (scops)
2006-08-10 18:58:15
六道参りはお参りというより、お迎えに行くといったほうがいいでしょうね。

この時期には冥界のふたが開いて、この世に戻ってこられるそうです。だからご先祖さんのお迎えに行くんですよ。面白い風習です。

だんだんとお参りも少なくなってきているそうですが、それでも毎年8万人ほどが訪れるそうです。8万世帯分としても京都市全世帯の2割ほどですがね・・・



このお寺は仏教なら宗派は関係ないそうですから、かつてはほとんどの家でお参りに訪れたそうですが、時代ですかねえ。

返信する

コメントを投稿