悲しき歴史の目撃者

今日は訃報が続けざまに飛び込んできました。

シャケトラ：調教中に故障を発生。安楽死となりました。
助手を振り落とすほどだったそうで、以前故障した左前脚の骨折による安楽死処分でした。
久々のAJCCを勝利し、阪神大賞典と連勝。
天皇賞・春に登録され初のＧ１制覇に期待のかかるこのタイミングで。
友人からのLINEで神様は残酷だ、とコメントがありましたがまさにその通り。
私の好きなおがわじゅり先生のマンガでもいつもハッチャケキャラとして描かれていて、空前絶後の！超絶怒涛の！シャケトラ、いぇーーーい！
と某芸人さんのギャグと共にいつもハチマキをしていた姿も好きでした。
マンハッタンカフェの後継種牡馬としての活躍や晩成の血が騒ぎ始めたこのタイミングで…
せめてあと１戦走らせてあげたかった。。
ファンの多い馬だけに本当に多くの方が悲しみに暮れていると思います。
調教パートナーがサートゥルナーリア。皐月賞制覇を見届けましたが、次は自身の戴冠を。
と思った矢先の出来事でした。
角居先生からのコメントも悲しみを押し殺したようなシンプルなコメントでしたが、その悲痛な程が伺えました。
まだ信じられません。
ただ、一言言えるとしたらありがとう。
ユニークな名前とその活躍、愛されるまま天国へ行ってしまった突然の出来事に心がついていきません。

ヒシアマゾン:繋養先のアメリカで老衰のため死去しました。時代を先取った名馬でした。
私が競馬をきちんと見始めたのはナリタブライアンの前後から。なのでちょうどヒシアマゾンは
有馬記念で1.2着したところからでした。
とにかくすごい脚で突っ込んでくるイメージで、鞍上中舘騎手と共にヒシの勝負服が似合う馬。
快速牝馬は数多いましたが、ヒシアマゾンの私のイメージは「強い牝馬」。
速いだけでなく強く逞しく。
どんなレースでもその末脚に舌を巻いたものです。
その後のウォッカ・ダイワスカーレット・ジェンティルドンナなど牝馬が牡馬に混じって大レースを勝ち負けする、そんな時代を先取った馬だったと思います。
有馬記念もですし、JCでもランドの２着。
そもそも当時はクラシックに出れませんでしたが、阪神３歳牝馬S(現ジュヴェナイルフィリーズ)の後、年明けはクイーンCからエリザベス女王杯まで6連勝。
本当に強い馬でした。
オーナーや中舘調教師のコメントからも愛が伝わってきます。
繁殖としてはヒシシルバーメイド始め7頭。大活躍の馬は出せませんでしたが、その血が繋がっていつかまたヒシアマゾンを彷彿とさせる怪物が出てくることを期待しています。
父シアトリカルを知ったのも彼女がキッカケでしたね。
血統に詳しい訳でもありませんが、この馬から何故か血統を見始めたのを今でも覚えています。
私は同時期の中野厩舎でホクトベガのファンだったので、ヒシアマゾンへの思い入れはそんなに無かったのですが、
こうして振り返ってみると本当に凄い馬でした。
28歳、大往生でした。
お疲れ様でした。

そして今月はウォッカも逝ってしまいました。
ウォッカは現役のレースを何度か生で見ています。やはりダービー。
３連単215万馬券をアサクサキングスを3着で持っていて悔しい思いをしたのが昨日のことのようです。何よりも闘争心と根性と確実な末脚で
四位→岩田→豊→ルメールと乗り替わってもいつもまっすぐ駆け抜ける馬でした。
Ｇ１を当時最多タイの7勝。ダービーだけでなく安田記念やJCなどヒシアマゾンの再来かと思う程距離も問わずに勝ちまくりました。
馬券的には絶対に切れない馬で、いつも何かやってくれる必ず突っ込んでくる、そして突き抜ける期待を持てる切れる馬でした。
タニノフランケルなど期待の産駒もいますので、こちらも血を繋げてもらいたいと願うばかり。
ウオッカは15歳。まだまだこれから母としての活躍も期待できる歳だけに残念でした。

競走馬は人間より短い命。
訃報に接することはしかたありません。
まして20年以上の競馬キャリアになれば自分が見てきた馬たちの死に直面することは当たり前なのかもしれません。

それでも、、

やはりツライ。
こんなにまとまってバリバリ現役も競馬の記憶初期も青春のど真ん中の馬も…

それぞれに感謝を。
そして、どうかこれからの競馬を、共に切磋琢磨した仲間たちを見守っていてください。

ウオッカ・ヒシアマゾン・シャケトラ。
どうぞ安らかに。合掌。