今だから話そう~障害者のきょうだいとして生きて~

自閉症で重度知的障害者の妹として経験した事、感じた事、そして今だから話せる亡き両親への思いを書いてゆきます。

成年後見人のお仕事(1) ~きょうだい後見~

2006-10-16 21:00:22 | 成年後見制度

またまた、成年後見人の務めのひとつである、「後見事務回答書」作成の時期が来ました。
いつもなら8月だったのですが、今回は障害者自立支援法の影響なのでしょうか。
理由はわかりませんが、今年は10月提出です。


次のようなことを報告します。

●預貯金がある場合は、必ず通帳もしくは証書のコピーを添付する。
(通帳は記帳の上、名義人がわかる部分と前回報告時から現在までの部分を必ずコピーする)
●被成年後見人がどこにいるのか?
●被成年後見人の心身の状況(前回の報告後変化はあったか?)
●前回の報告後、財産の状況が大きく変化しているか?
●財産目録記載の財産について、今後、処分や支払いの予定はあるか?
(※財産目録→不動産、預貯金、保険、債務、有価証券・債権・金融商品・現金等)
●収支目録(定期的な収入、定期的な支出、後見の予算)
●裁判所への連絡事項

結局、お金のことを中心に家庭裁判所に報告するのが成年後見人の務めなのでしょうね。

前回は、面会の回数を問う項目もあったのですが、今回はありません。

もっと面会については確認しておいたほうがいいように思うのですが・・・。

もし自分が成年後見人が出来ない状態陥った時に、兄の成年後見人がどれだけ兄に関わってくれているのかが気になりますから・・・。



これって成年後見人のサガなのでしょうか?

自分が成年後見人をていますと、もし自分自身がが脳梗塞で倒れたり、認知症になったりした時のために、任意成年後見人制度を利用しておきたくなりますね。


身内だから無償でできますけど、こんな面倒くさいことを他人にお任せする場合は、無報酬では引き受けてくれませんよね。

施設長など兄を支援してくれている法人が成年後見人になってくれる場合もありますし、知事や市町村長といった形式的な成年後見人もあります。
それくらいしか方法がないのでしょうね。


私たちが住む世界には、誰が障害者になっても不思議ではない現実があります。

けっして他人事ではないということを、成年後見人をするようになってからずっと感じています。

現在、健常者であっても、成年後見制度は知っておいたほうが良いと思います。
成年後見制度を利用しなかった場合、自分がせっかく築いた財産も、自分が知らないうちに奪われてしまう危険性さえありますから・・・。

ただ、この成年後見制度も被成年後見人の生存中にしか効力は発揮しませんので、それなりに問題点も多いと思います。

高齢化が進む日本では、成年後見制度が浸透していく必要はあると思います。