今だから話そう~障害者のきょうだいとして生きて~

自閉症で重度知的障害者の妹として経験した事、感じた事、そして今だから話せる亡き両親への思いを書いてゆきます。

「僕の歩く道」  私の兄は自閉症だけど・・・

2006-10-10 00:32:35 | 映画・演劇・ドラマ

「僕の歩く道」番組HPhttp://www.ktv.co.jp/bokumichi/

10月10日(火)よる10時に「僕の歩く道」というドラマがスタートします。

主人公は31歳の自閉症の青年。
彼は、先天的な障害のため、10歳程度の知能しかもっていない。
そして、ある特定のことにおいては秀でた能力を有するが、抽象的な会話は難しいという特徴をもっている。

私の兄は自閉症で重度知的障害ということで、このドラマの動向がすごく気になります。
「このドラマは自閉症をどのように表現するのか?」
「自閉症という障害を社会でどのような形で認知されるのか?」
この2点がまず気になります。

それから、障害者が家族や社会とどのように関わっていくのかという、人間関係の部分が気になります。
私の兄の場合、両親亡き後は、親戚からは「亡き者扱い」されていますので、親族との関わりについてもどのように表現されるのか、はたまた親族について触れないのか、という点にも関心が及びます。

このドラマの主人公が、かつて映画でダスティンホフマンが演じた自閉症のタイプをなぞってしまうのではないかということも気になります。

自閉症にはさまざまなタイプがありますし、その表現の仕方でどのようにもとらえられてしまいます。
私が、怖いのは単に「自閉症を美化するのではないか?」ということです。
障害者の家族には他人には、それどころか親子間ですら、本音を語れないという様々な葛藤があります。
そんな葛藤をこのドラマに期待するのは無理かも知れませんが、まずは、障害者理解においては前進できるドラマになれるのではないかと期待しています。


番組HPに以下のような文章がありました。


彼はまっすぐに純粋に生きています。
彼はまっすぐにまっすぐに生きています。
だから、たくさんの人にまっすぐに純粋に愛されるのです。
ただそれだけです。

ただそれだけのことが、今の世の中ではとてもとても困難です。
そんな現代を生きる私たちは、知らず知らずのうちに身についた
たくさんの不純なものを取り去るすべを思い出せなくなっているのです。

でも彼の存在がそのすべてを取り去ってくれます。
そしてその奥にあるはずの、昔私たちが一番大切にしていた純粋を
思い出させてくれるのです。
その彼、この物語の主人公は、先天的な障害により、
10歳児程度の知能までしか発達しなかった31歳の自閉症の男性です。

彼の言葉、彼の行動、彼の生きる姿が
たくさんの周りの人たちを変えていきます。
たくさんの周りの人たちが忘れていた何かを思い出させてくれます。
そして、たくさんの周りの人たちに愛されていきます。

でも彼はそんなことすら知らずに、知ろうともせずに
今日もまっすぐ、まっすぐ歩いていきます。自分の生きる道を。


その彼の生きる姿を、
淡々と心に染みるように、
響くように奏でるそんなドラマです。




はたしてどのようなドラマになるのか?

・・・・楽しみにしています。

 



親きょうだいのことを書いています。
http://blogs.yahoo.co.jp/sayakayamase