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今だから話そう~障害者のきょうだいとして生きて~

自閉症で重度知的障害者の妹として経験した事、感じた事、そして今だから話せる亡き両親への思いを書いてゆきます。

兄の障害程度区分認定はいかに?

2008-01-30 00:30:39 | 障害者自立支援法
今頃?
というのか、最近になってやっと「障害程度区分認定」の2次審査がありました。
私はその面接に立ち会いました。

兄の場合、職員さんだけだと比較的おとなしく振舞う傾向がありますので、私がいることで普段の兄のことをわかっていただきたかったのです。

案の定、兄は、私が参加することで落ち着きを失い始めました。
一刻も早く、その審査を切り上げようと、あれやこれやと必死で抵抗してきます。

私は、兄が現在の施設に入所するまで、どこの施設でも兄の支援は難しいといわれ続けてきたので、そのことも知ってほしいと思いました。
なにより知っていただきたかったのは、現在の施設の支援レベルの高さです。

本当にすごいと思います!
兄の食事に関するこだわりも、興奮したときの自傷行為、他の利用者への他傷行為等、兄の行動障害はかなりなもので、一見ではわからないことも多いです。
また、季節や天気の影響のほか、他の利用者にされた嫌がらせを数日後に叩いたりするなど、職員さんには申し訳のないくらい問題児でした。

でも、この兄の数々の問題行動を次々と解決していったのです。
このように兄の問題行動を制御できる現在の施設では、本当に落ち着いています。
どうして同じ施設でもこんなに支援レベルが異なるのだろうかと不思議に思います。
もしかしたら、判定は支援レベル低い施設ほど高い判定が出るなんてことはないでしょうか?
それが少し心配です。

果たして国はどこまで知的障害者のことをわかってくれているのでしょうか????

障害者施設での食事について

2007-07-06 01:57:14 | 障害者自立支援法

施設にはいろいろな食事体系があると思いますが、兄のいる「障害者福祉更生施設」の場合、調理師・栄養士・調理スタッフ・看護師といった方たちが、メニューを管理しています。
利用者の体調や症状にあわせてその日の食事量も加減してくださいます。
ですから、そういった点でも助かります。

兄の場合、施設の食事指導が成功したのか、入所して間もない頃は1度の食事の時にお茶の入ったやかんを独占していたそうです。
でも少しずつやかんのお茶の量を調節し、それを2リットルのペットボトルにうつしかえるなど、長期的な食事指導により、今では他の利用者と同じように湯呑みにお茶を入れてのむようになりました。(何杯もおかわりしていますけど・・。)

それから兄の施設では、障害が重くて食事を自力で食べられない利用者には「きざみ食」や「流動食」で対応してくれます。
少数のスタッフで大勢の食事を作り、しかも「きざみ食」まで作ってくれるスタッフには脱帽です。

また、'兄の施設では毎月、調理スタッフが写真付きでどのようなメニューを出したのかを保護者に知らせてくれます。
色とりどりで美しく盛り付けられたメニューは本当においしそうです。
されにクリスマスやお正月には、バージョンアップして、リッチな食事になります。

めったにありませんが、保護者同伴の運動会や遠足では、調理スタッフが朝早くから頑張って、利用者だけでなく保護者のお弁当も作ってくれたりすることもあります。もちろん好評です。
というわけで、普段はなかなか施設のメニューを食べる機会はありませんが、帰省できない利用者のために保護者が宿泊した場合、利用者と一緒に施設の食事をいただくこともできます。実際に食事をした保護者によればなかなかおいしいとのことでhした。

ただ、このようなおいしい料理を、月に1度の面会日に予約や有料でかまわないから保護者にも食べさせてほしいという保護者の要望もありますが、実際は実現が難しいそうです。
せめてコーヒーだけでも有料で提供して欲しいと言う保護者の声もありますが、それも難しいそうです。

理由は、調理に関わる設備が充実していないことだそうです。
具体的には、冷蔵庫が足りないこと、調理スタッフが足りないこと、作った料理をおくトレーの置き場がなくて、現在が限界だということです。

たしかに施設の利用者のほかに、障害者自立支援法施行に伴い、それに対応するためにつくられた作業所やグループホームなどの利用者も同じ食事をしています。
それに対応しようと思えば、現在がギリギリという感じはします。
調理スタッフの方は本当に良く働いておられますし、これ以上負担を増やすのも気の毒な気もします。

ともかく兄の施設は本当に食事が充実しているのがありがたいです。
ちなみに1日あたりの食費は1500円程度です。

他の施設ではどうなのでしょうか?ちょっと気になります。


障害者自立支援法と預貯金

2007-06-22 17:55:10 | 障害者自立支援法

役所から「自立支援給付利用者負担上限月額認定期間終了のお知らせ」が届きました。で、先日手続きを終えたところです。

書類には「更新」とあったのですが、いつ「新規」だったのかわかりません。。。。
更新の場合、次のような書類を提出しました。


・「収入・資産等申告書」
・「申請書」
・ 減免に必要な書類(住民票・通帳のコピー・平成19年度市町村民税課税証明書 など)


兄の場合、施設入所で住民票を移動しましたので、「単身世帯」となります。

<個別減免対象>(補足給付あり)
・単身世帯である
・平成19年度の市町村民税が課税されていないこと
・本人名義の預貯金が500万円以下であること
・その他、社会通念上、減免の対象とするには不適切と思われる資産を有さない

障害者自立支援法が施行されるにあたって、「本人名義の預貯金がいくらまでが減免対象になるのか?」ということが保護者間で話題となりました。
保護者の中には本人名義で預貯金を預けている人も少なくありません。
本人に少しでも財産を残してやりたいけれど、減免がきかなくては障害年金だけでは生活できません。
本人名義の資産が多い場合、支援費も高額になり施設入所も継続困難になります。
保護者間では300万円まで、いや350万円までではないかといろいろ憶測がとびましたが、結果的に500万円におさまったようです。

私の母親は、遺言等のことを考えて資産的には、私が管理できるように話していました。
ですから、兄の預貯金は減免対象の範囲内でおさまっています。


こんな書類を提出をするさいにもいろいろなことを考えます。
親きょうだいが先に亡くなってしまった場合のこと。。。

親きょうだいが先になくなってしまうと、障害者本人が亡くなったとき、本人の葬儀にその財産が一切使われることなく、今まで疎遠だった血縁者に分配されるのがほとんどです。
現在の相続制度ではそのようになってしまいます。
もし生前よほど問題のあった血縁者に財産が流れないようにするためには、それなりの理由を示した書類を用意する必要があります。
なにせ兄のような重度の知的障害者は自力で遺言状をのこせないのですから。。。

障害者の親きょうだいは、本人や自分たちが亡くなることまで、考慮して、障害をもつ家族を支えなければいけないと思います。


施設入所者家族の滞納問題

2007-05-21 20:52:19 | 障害者自立支援法

障害者自立支援法が施行されて早や2ヶ月が過ぎようとしていますが、障害者やその家族のあり方が少しずつ明らかになってきました。


まず障害者自立支援法の判定が比較的高めになるのは「在宅支援」であるということです。

これは障害者が自宅で生活し、家族やヘルパー等に支援してもらう場合です。

障害の程度であるとか地域の状況であるとか、さまざまな事情で判定もバラバラになるようですが、家族が支援に直接関わっていることが多く、障害の程度をリアルに説明しやすく事情をわかってもらいやすいということが考えられます。

次に判定が高めになるのは、「通所支援」の場合であるといいます。

これは利用者家族が熱心な傾向があり、障害者自立支援法の矛盾を積極的に抗議してゆく傾向があることが関係しているのかもしれません。

そして、判定が低めに出てしまうのが、「知的障害者施設利用者」であるといいます。

これは利用者家族が互いに交流をはかる機会が極めて少なく、「施設⇔利用者家族」ばかりで、「利用者家族同士」の団結が生まれにくいためです。

施設に入所している場合、利用者はさまざまな地域から来ています。

そのため、面会日には家族は利用者に会いにくるのに熱心で、他の利用者家族との交流は希薄になりやすいのです。

利用者の家族間の交流は大切ですから、施設側が中心となって利用者家族をまとめようと努力しているのが現実です。

 

そうそう、兄の施設もさまざまなことがわかってきました。

施設利用者は自立支援法で決められた費用のほかに、「会費」というのがあります。

利用者家族の会のための「会費」のほかに、施設の改築・修繕・新設のための「積立金」があります。
(ただし親きょうだいが死亡した場合、会費や積立金は免除されています。)

施設に支払うべき費用は医療費やお小遣いを差し引いても、障害年金の金額内におさまるようになっています。


でも、最近は施設への支払いが滞る利用者が出現し始めています。

私の兄は長年施設にに入所していますが、このような滞納問題が起きたのはここ数年だといいます。

兄と同様に長年入所している利用者の家族は支払いに関してはきちんとしてきました。

現在は障害年金から施設費用を支払うようになりましたが、ほとんどの家庭では障害年金は障害を持つわが子の将来のためになるべくつかわないように努力してきたからです。

障害者負担が増えた理由は、以前なら施設はその費用は国や自治体の援助を受けていたからです。

しかしその援助も半分になり、施設運営は厳しくなってしまったのです。


さらに、福祉制度は措置費に移行され、次に障害者自立支援法が施行されるなど、制度の変化に伴い、施設利用者にさまざま金銭的な負担がのしかかるようになりました。

理論上では、費用等はすべて障害年金の範囲で賄えるということになっています。

でも実際は異なります。ちょっと近所に外出支援をお願いするにしてもお金がかかります。

まあそれは仕方がないことかもしれません。


そのような費用負担が増えたことで、一部の利用者家族は施設費用等を滞納するようになりました。

私はこの滞納という事態を知ったときには正直驚きました。

「会費」や「積立金」だけではなく、施設に支払うべき費用までも支払わないまま、障害者をもつわが子を施設に入所させているのです。

結局、費用を滞納する理由は、その家族が障害年金を当てにして生活してきたという証拠なのです。

ですから障害年金をから先に自分たちの生活費を引き出してしまえば、残高が少なくなり引き落とし不可能となります。これが続いているというのです。

たしか施設入所時の契約書には「6ヶ月以上滞納した場合には退所する」と書かれてあるそうですが、私も含めてほとんどの利用者家族がそのことは知りませんでした。

ほとんどの利用者家族は支払うのは当然だと考えていますから、滞納するということは想像もできなかったというの最大の理由なのですが。。。


この滞納問題を多くの利用者家族は知りませんでした。

しかし、年々会計の収支を見ますと「未収金」(=滞納金)が増えている現実を、先日の総会(利用者家族の会議)で知ることとなりました。

とはいっても、施設利用者の家族は意識が低いのか、総会の出席者は全体の半数以下でした。

 

年々増加する未収金について、施設だけでなく利用者家族も深刻に受け止める時期になりました。

会費や積立金だけではなく、施設費用も支払わない利用者家族の存在を知った出席者の多くは驚いていました。


さまざまな事情があると思いますが、滞納はいけないと思います。

私は兄の施設はハイレベルは支援をできるところだと感じています。

その理由は、私の兄も含めて、他の施設ではうまく支援できなかった人が、兄のお世話になっている施設に移ってくると、数ヶ月で社会性を身につけて成長していきます。

私はそんな事例をいくつも知っています。

そういった点で着実に成長できる場所で、支援レベルは高いと思います。

だからこそ、施設運営に支障が出るような滞納は深刻な問題なのです。


それでなくとも職員さんは薄給と過酷な労働体系で大変な思いをされているのに、利用者家族としては費用の滞納などもってのほかだと思うのです。

今も施設入所を待っている障害者が何人もいます。

中には生きるか死ぬかまで追い詰められている障害者の家族もいるでしょう。

そんな厳しい現実があるというのに、障害年金で生活したり、費用を滞納したりする家族の存在は施設運営に影響を与えています。

滞納する利用者も現在はごくわずかで、多くの利用者家族は金銭的支援をすることで利用者の預金を減らさないように努力していますから、しばらくはなんとかなるでしょう。

でも、障害者をとりまく現実は年々厳しくなっていきます。

今のところ、施設側は福祉事務所に間に入ってもらって、障害年金が振り込まれる通帳を施設が預かっ

て、滞納分を少しずつ返金してもらうということで、利用者を退所させないで済むように努力しています。

多分、施設側は利用者の立場を第一で出した結論だと思われます。

費用を支払わないから即刻対処しろというのは施設も非人道的でできなという福祉の立場も関わっていると思われますが・・・。

 

私は以前はこんなことを考えていました。
「両親が他界し、きょうだいの代になると、経済的に支援をできる人とできない人に分かれて、親じゃないから関わらなくてもよいと思っているきょうだいは施設に面会にも訪れなくなる。
だから、親きょうだいとの縁を失った利用者は自分の預金と障害年金を頼りに、施設で細々と生活することになり、我慢を強いられる。」

でも、現実にはそうでもないということですね。

親きょうだいがいることで、さらに経済的に追い詰められる利用者も存在するのです。

利用者の家族同士で団結しあう努力が必要だと思いますが、兄の施設は特に無関心な家族が多いので、これからどうなっていくのか心配です。

 

他の施設でも同様の滞納問題はありますか?

また、利用者家族同士で関わり方はどうですか?

 

気になっています。。。。。


障害程度区分判定に悩む

2006-11-21 05:44:29 | 障害者自立支援法

先日、兄の施設に行ってきました。
その日は、障害者自立支援法に伴う、障害程度区分判定についての説明会が行なわれました。
この判定は、知的障害者にはかなり不利な判定法で、特記事項というのがありますが、それでも点数はあまりとれなくて、結局、体が動き回れる知的障害者は非常に軽い判定にされてしまう危険性があるのです。

こういった判定法で全国で異議を唱える動きもあって、国も多少は考慮してくれたのでしょうか。
3年後にはこの判定を見直す動きもあるらしいのです。
とはいえ、障害者自立支援法の施行が見送られるわけでなく、このまま進んでしまいますので、障害程度区分判定が現行のままだということです。
そのため、兄のように食事もトイレも運動もできる重度知的障害者は、24時間見守りが必要とは出ても、支援する必要性が低いと判断されてしまい、その結果、施設入所が困難な軽度の判定になってしまうかもしれないのです。
別に判定が軽いからすぐに施設を出なければならないということはありませんが、自閉症の兄がグループホームで生活できると思えませんし、かと言って、私が兄と同居するなんて不可能ですし、全く困っています。

兄のように自分の意思に忠実で強引に押し切ってしまうようなタイプは、制止すると暴れます。
実際、今年になってからも施設内のものを何度か破壊しています。器物破損のため、あらかじめかけてあった損害保険を利用したというのが現実です。

今度、調査員の方はこられて判定をされてゆくのでしょうが、調査員の人手不足の影響で、中には知的障害者についての知識の全くない人が調査員になられている場合があるようです。

本当にこんな状態で障害者の何を理解してもらえるのでしょうか?
兄のように動きまわるタイプの知的障害者ほど、手がかかると思うのですが・・・。
興奮したら暴れまわって他の利用者を叩いたり、器物を破損させてしまうような力をもっているのに、本当に手がかからないのでしょうか?


もしかして、調査員の方とのやり取りはこんなことにはなっていませんでしょうね?
「あなたは私の言うことがわかりますか?」
「わかります」

じゃあわかってる?
そんなことはありません!

「あなたは私の言うことがわかりせんか?」
「わかりません」

いったいどっちでしょう?
もちろんわかっていません。
こんなやりとりを何度か繰り返してみてほしいですね。

調査の時に従順だからといって油断もなりません。
本当の意味でのすごさはそんなときには発揮しない人もいます。
何かきっかけがあれば興奮して止められないことなど珍しくないのです。

障害者理解の低い人が調査員だったらどうしよう!!
それがとても心配です。

ためしに兄に「いくつ?」って質問してください。
必ず「みっつ」って答えます。

そのためにも保護者である私が調査の時にそばについて、兄の障害について理解してもらえるように頑張らなくてはいけないのですね~。