絆の法則

澤谷 鑛

震災を機会に大きなデトックス

2013-04-22 | Weblog
もも

素晴らしい課題を与えてくださったことに心より感謝致します。
皆で少しずつ乗り越える。小さな願望をかなえていく。
齊藤さんの言葉を噛み締めながら、自分自身を振り替える。

震災の日港区役所で保健師として働いていた私は、
「冷静に、しっかりと対応しなくちゃ……」
と、めまいを訴えられた方の対応等に追われました。

茨城で被災した母親からの
「大丈夫だから心配しないで」
というメールを仕事が終わってから確認し、イギリスに住んでいる妹からの
「100回くらい連絡しても両親と通じない」
というなかばパニック状態の妹からの電話をとりながら、翌日、はじめて澤谷 鑛 先生の講座を京都で受講しました。

「鬱病を患いながら自殺したおじは、生ききったのだ」
という衝撃的な気づきを得た澤谷 鑛 先生の講座の終了後、京都駅で祖母のことを思い出しながら、人目をはばからず、震災後はじめて泣き続けました。

曾祖父(母方の祖母の実の父親)が住んでいた京都、中学生の頃、
「どうして京都に生まれなかったのだろう……」
と切に想った京都にきて、やっと私は素の自分自身に戻り、正常が奪われた悲しみとショックとむきあいました。

震災から一年後、
「母親の東京で震災が起きたら、私自身を助けることができない」
という捕らわれに私自身も巻き込まれ、東京から茨城に戻ってきましたが、疲労困憊ななか、父親の会社が倒産し、父親が自己破産し、実家と土地を失った私にとっては、まだまだ故郷は、安住の土地ではなく、ずっと感じていた「閉塞感」に息がつまり、希望が見いだせず、八潮市に夢と希望を託し、引っ越しをしました。

私自身の一家のように根底がしっかりと落ち着き根付いていない家族は、震災を機会に、大きなデトックスをむかえます。

母親は、震災後も父親の会社が倒産した後も、
「しっかりと落ち着いて対応しなくちゃ」
としっかりと泣いていないと思います。
本当は、泣かないといけないのに……。私が、泣かしてあげられないのかも知れません。

それでも今年、妹は東京三菱UFJ銀行の転職が決まったり、少しずつ皆で乗り越えています。
私自身は、友人が企画した震災チャリティイベントに今年参加し、参加してくださった歌手の歌声に涙しました。
まだまだ、私自身もちゃんと泣ききれていないのです。

継続して、友人が今後も企画する震災チャリティイベントに参加しながら、自分自身もちゃんと泣きつつ、
「被災地の子供たちを気球にのせてあげる」
という小さな願望をかなえていきたいと思います。

ありがとうございました 。

     ☆ ☆ ☆

課題:人生にサンプルはない
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もう2年も前になるのですね。『女性セブン』2011年4月14日号に、こんな
記事が載りました。カウンセリングには、勿論大切なことを示唆していますが、
抜本的に人生を見据えていることが、その上に大切なのですね。味わってみて
下さい。人生にサンプルはないのですね。生きるとは、そういうことなのでし
ょう。感想を書いてみて下さい。(澤谷 鑛)
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 300人以上の被災者が暮らす避難所を、白衣姿の女性の“魔法”が満たしている。宮城県名取市の名取第一中学校でカルテの束と血圧計を手に、連日被災者と向き合うボランティアの看護師・Sさん(66)。東北大学病院で副看護部長として定年まで勤めた看護のエキスパートだ。自らの経験が役に立てばと、震災翌日、ボランティアに名乗りをあげた。

 ある日の回診では、避難所で寝たきりになった高齢の男性に「立ち上がれるおまじないをしてあげる」と宣言。足を揉んでからツボ押しすると、男性はゆっくりと立ち上がって歩き始めた。家族は「じいちゃんが歩いた」とびっくり。
 さらに、不眠に苦しむ73才女性に「眠れるおまじないを教える」とリンパマッサージのやり方を伝授した。

 心のケアも大切な仕事だ。大きなショックを受けた人の心は、まず被災の衝撃に打ちのめされる「ショック期」にはいるとSさんはいう。次が“夢じゃないか”と現実を受け入れられない「否認期」だ。

 「いまはショック期から否認期への移行時期。この時期は体を日常に戻すことが大事です。『ご飯が食べたい』『顔が洗いたい』という小さな願望をひとつずつ満たしていくことが必要です」(Sさん)

 この日、Sさんは中学校1年生の息子を失った40代の夫婦と対面した。

 「急に息子が『ただいま』って帰ってくるような気がする。まだ現実感ないもんな」
 「本当に嘘みたいだよね。私がもうちょっと息子のことを見ておけばね。私のせいだよねぇ」

 深刻な内容をぼんやりとした表情で語る夫婦。その会話にSさんが割ってはいる。

 「あのさ、ちゃんと泣いた? 泣けるときに泣かないとあとで具合が悪くなっちゃうよ」

 ――すると、わずかな笑みを浮かべていた妻の目に涙があふれた。
 Sさんは嗚咽で揺れる肩をなでて優しく諭す。

 「いままで泣けなかったんだね。我慢してたんだね。泣くのも大事だよ。泣きなさい」

 学校や市の職員が業務に追われるなか、被災者の心と体のケアを一手に受け持っているSさんだが、今後の心配は尽きないという。

 「これだけの惨事にはサンプルがありません。『こうすればいい』がないから、みんなで少しずつ乗り越えないと。とりあえずは小さな願望から満たしていくことです」(Sさん)




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12 コメント

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感謝 (もも)
2013-04-22 06:11:53
「私事を、掲載してくださったこと」を、心より感謝致します。

改めて、「みんなで少しずつ乗りこえよう。とりあえずは、小さな願望から満たしていこう」と思いました。

ありがとうございました。
返信する
ももさんへ (NAO)
2013-04-22 13:02:11
おひさしぶりです。
養成講座生となられたももさんのご文章を読ませていただき、コメントさせていただけることに感謝しています。

ももさんは、正常が奪われた悲しみとショックとむきあって、震災直後から今までずっと、頑張って、ご家族を支えてこられたのですね。
ももさんが精一杯に生きようとする歩みが、少しずつでも着実に、ご家族の確かな歩みにつながっているんだなと感じます。

わたしは震災後半年位は、子どもを守ることに必死で、一人暮らしの母を思いやる余裕が無く、一歩も外に出られない苛立ちを母にぶつけたりしていました。
いつまでも母に甘えっぱなしの未熟な自分が情けないと思いました。

そして、ご友人が企画した震災チャリティイベント参加され、子どもたちの夢を叶えてあげようとなさっている…
素敵だなと思いました。
ももさんの愛の深さを感じます。

ももさんの流された涙が心に染み込んできて、桜井和寿さんの『彩り』が思いうかびました。


なんてことのない作業が この世界を回り回って
何処の誰かも知らない人の笑い声を作ってゆく
そんな些細な生き甲斐が 日常に彩りを加える
モノクロの僕の毎日に 増やしていく 水色 オレンジ

なんてことのない作業が 回り回り回り回って
今 僕の目の前の人の笑い顔を作ってゆく
そんな確かな生き甲斐が 日常に彩りを加える
モノクロの僕の毎日に 頬が染まる 温かなピンク
増やしていく きれいな彩り


ももさんの痛みが解き放たれますように・・・
ももさんが種を蒔き続けているせかいが彩り豊かになっていきますように・・・
ももさんのおしあわせを心よりお祈りいたします。

ももさん ありがとうございます。
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たくさんの涙が温かいものに変わるまで (さくらみるく)
2013-04-22 13:03:18
震災の痛みは本当に、体験した方にしかわからない凄まじいものであったのでしょう。

ももさんが震災を「破滅」と呼ばれず「デトックス」と呼ばれることの中に、ももさんが、目先のことを超えて大きく復興していくであろう姿を心の中に像として持っていらっしゃることが感じられて、素晴らしいと感じました。

わたしのように被災していない人間が、あの震災を「デトックス」と呼んで良いのかどうか、わたしは未だにためらわれますが、震源地近くで大震災を体験されながらももさんがその言葉を語られることに、深く心打たれます。
そして、泣き切ることができないほどに頑張ろうとされてきた
ももさんやご家族のお心が、本当にいじらしく愛おしく感じられました。

本当によく頑張ってこられました。
まずはももさんが泣いてくださいね。
たくさんたくさん、
涙があたたかいものになっていくまで…

素晴らしい春が始まっているのだと思います。
命萌える春、新生の春です。
わたしも、たくさんの涙を流しながら、脱ぎ捨てながら
新しい春に入っていくのだと思います。

今週末は、第六期養成講座初めての顔合わせになる
集合講座ですね。
お会いできることを、心から楽しみにしています。
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訂正させていただきます。 (NAO)
2013-04-22 13:04:18
「ももさんの愛の深さを感じます。」を

「ももさんの深い愛を感じます。」と訂正させていただきます。
返信する
Unknown (エンジェル)
2013-04-22 20:01:07
一途なまでに真摯に生きておられるももさんを感じました。人の痛みも、自分のことのように感じ、なにかできることはないか、なにかしなくてはと、常に考えて行動されているのだと思いました。そうして、震災を機に起きたデットクスも、いろんなことを少しずつご家族で乗り越えていっておられるのですね。ブログのコメントも、毎日千日をめざしてがんばっておられるそうで、ももさんのなかにある、確かな大きな力を感じます。素晴らしいです。
そういうももさんは、いっぱいいっぱい泣かなくちゃいけないんですよね。御家族も、いっぱいいっぱい泣かなくちゃいけないんですよね。
どうしたら泣けるとか、わたしにはわかりませんが、一生懸命生きて、がんばっているももさんを、自分で自分をほめてあげてくださいね。
ももさんは、かならず、人の小さな願望からひとつひとつかなえていかれるかただから。そういう力をお持ちのかただから。わたしには、そう感じます。
ももさんの、これからの益々のご活躍をお祈りし、楽しみにしています。
ありがとうございました。
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NAOさんへ (もも)
2013-04-22 23:03:48
お久しぶりです。

私の幸せを祈ってくださり、本当にありがとうございます。

私が書いた文章を読みながら、桜井和寿さんの「彩り」を思い浮かべられたのですね。

とっても素敵な、感性ですね。

心より感謝を込めて
ありがとうございました。
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さくらみるくさんへ (もも)
2013-04-22 23:04:37
お陰様で、さくらみるくさんが書いてくださったコメントを読みながら、暖かい涙が流れました。

今週末の集合講座で、ご一緒できることは、天からのプレゼントだと感じています。

本当にありがたいです。どうぞよろしくお願い致します。

日頃の感謝を込めて
ありがとうございました。
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エンジェルさんへ (もも)
2013-04-22 23:05:33
真心のこもった、暖かいコメントをありがとうございました。

文章を拝読しながら、嬉しくて、何度か微笑みました。

集合講座で、お逢いできることをとっても楽しみにしています。

心より感謝を込めて
ありがとうございました。
返信する
本来の魂に戻っていく (有貴)
2013-04-23 00:47:48
ももさん、

遅ればせながら、失礼します!

ももさんとお母さまも、まだちゃんと泣ききれていないのですね。

こうきが天に還って8年経ったわたしも、いまだに泣ききれず、悲しみと怒りの しこりのようなものが 喉や胸につかえています。

いったい これをぜんぶ手放すまで、どれほど時間がかかるのでしょう。

町で ちょっと淋しげなお子さんを見るだけで、胸がしめつけられるようになります。

でも、一昨日は、ちょっと淋しそうなお子さんの頭を 笑顔でポーンとしたら、一緒にいたお父さんとちょっと笑ってくれました。

「被災地の子供たちを気球にのせてあげる」イベント、とってもステキですね!

子どもたちと一緒に 笑ったり 泣いたりしているうちに、そして、今生でのお仕事を忠実にこなしていくうちに、ももさんもわたしも、本来のよどみのない魂に戻れるのかな、なんて思いました。

ありがとうございます。


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有貴さんへ (もも)
2013-04-23 11:05:37
心に染み透る、素敵なコメントを下さり、ありがとうございました。

有貴さんとこうき君の深い深い絆を改めて感じました。

おっしゃってくださったように、お互い自然に、まっさらさらな命を展開していることに、ふとした瞬間に気づくのかも知れませんね。

有貴さんとの出逢いを授けてくださった、天の粋なはからいを心からありがたいなぁ…と思います。

ベストのタイミングでお逢いできることをとっても楽しみにしています。

心より感謝を込めて。

ありがとうございました。
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