絆の法則

澤谷 鑛

三つの背景に一つの視点(後編)

2013-07-25 | 
こんにちは

更新が遅くなってしまい申し訳ありません。

本日は2008年6月17日の記事から抜粋させていただきます。

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三つの背景に一つの視点(後編)
                                 澤谷 鑛

 あの秋葉原の無差別殺傷事件の4日前に、『産経新聞』に掲載された犯罪心理学者・作田 明氏(聖学院大学客員教授)の論文「凶悪犯罪多発の3つの背景」には、読み返して正直驚きました。すでに4日後に起こる事件の解説のようになっています。
私は直観的に“絆の風”が吹きはじめたのだな、と感じました。それも「絆」の“むすび直し”が必要な時代なのだな、と思いました。そこから“再チャレンジ”の意欲も湧き起こるのです。

 あの秋葉原の無差別殺傷事件を考えていると、甦りには、何が大切なのだろうか? と思いました。
 親と子の絆は、たいへん大切ですが、「絆」には「良い絆」と「悪い絆」があります。あの事件の加害者は、両親との関係が良くなく、いわゆる「悪い絆」なのです。そのように世の中には「悪い絆」を持つ人は沢山いますが、みんながみんなそんな事件を起こしたりはしません。ですから、「絆」が大切というよりも「絆」によってもたらされるもの、が実は大切で、人生に大きな影響を与えるのではないか、ということに気づきました。

もともと「絆」を持つことは、煩わしいことを抱え込むことなのです。
「絆」は「きずな」と読みますが「ほだし」とも読みます。「絆(ほだ)される」というのは、縛(しば)られる・繋(つな)がれる・つまされる・引かされるなどの意味です。人と人との断つことのできない繋がりであり、離れがたい“むすび”つきを言います。「縁(えにし)」とか「枷(かせ)」を連想させますが、縛りながら解き放つはたらきに、多くの人々が愛情を感じてきました。それがまた人生でもあるのです。

 人・事・ものにあたり、世の中を知り、心が練れ、ものがわかるというものです。それが「絆」によってもたらされるものなのです。分かち合うことなのです。それが人生の意義を探る鍵でもあるのです。

「考える」ということも「かむがえる」の「む」は、周囲から寄り集まってくるはたらきがあり、「群がる」「迎える」「睦び合う」「むすぶ」などに表現されます。考「がう」=「かう」は「交わる」ということです。まさに「絆」なのです。
 それは、人と人の生まれながらの関係であり、よく「理」に対して言われる情趣や感情という「情」ではありません。人・事・ものにあたり、世の中を知り、心が練れ、ものがわかるということです。それが「理」を詳しくするということです。
「恕(じょ)」という言葉がありますが、「向こうの身になる」「相手の心をわが心とする」「相手の気持ちや立場になる」ことですが、これが考えるということでもあり、「理」を詳しくし、深めることでもあるのです。

 人の出会いと心をむすぶ絆の智慧を探ることが大切なのですが、それは「恕」の心を持つことからはじまります。親・社会・会社(学校)などに不満をみつける天才になってみても何にもなりません。反社会的な内容をネットに書き込み逃げ込んだとしても、解決しません。身勝手さは、孤立化を招き、孤独感に呵まれるのがオチです。
1対1で顔をつきあわすことからはじめる煩わしい関係こそ大切なのです。実は、そこにこそ甦りの原理というのはあるのです。

【私は多くの挫折や苦悩で失意のどん底に陥った方々が、そこから脱出する姿を見てきました。
 折れた翼が甦るとき、たくましくおおしく、再び大空を舞う鳥のような姿に、私は胸をうたれました。
 そこには、人生の秘訣である「運命を改善できる」ということを、垣間見ることができました。折れた翼が甦り、以前よりももっとみずみずしい翼をひろげてはばたいている姿は、力強く美しく私を感動させてくれました。】(『すべての「結果」は引き寄せられている~運命を決める「牽引の法則」~』プロローグより・総合法令出版)

【人生は、のべつ幕なしです。逃げ出そうにも逃げ出せません。安易を求めるのではなく、今ある環境・境遇と取り組んで、それを征服したとき、新たなステージに立てるのでしょう。
 そこでは、過去の環境・境遇での体験は、教訓を受け取ることによって向上し、その人が光を放ち、今までの環境・境遇を越えて、新たなステージが待っているのです。
 それを呪うべき不幸として、教訓を読み取ることができないでいるならば、何度も同レベルの環境・境遇が押し寄せてくる、との説もあります。】(『絆の法則』解説より・学習研究社)

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同窓生との絆(後編)

2013-05-19 | 
おはようございます。

みずみずしくきよめられたまっさらさらの朝が訪れました。新しい朝です。希望の朝です。

本日は2007年5月19日の記事から抜粋させていただきます。


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かに会席のデザートを食べ終えて、お茶を一口飲んで、Nが口を開いた。
「実は、昨年の9月に離婚した。いわゆる熟年離婚だな。流行の最先端だろう?」
 戯けて見せたNの笑顔が寂しかった。
「仕事が忙しくて、ほとんどが単身赴任だったから、変わらないといえば生活は変わらないんだが……。孫も別れた家内が連れて遊びに来るしな」
「そう言えば、土曜日は孫とプールに行くと言っていたよな。この前電話で……」
「お子さんは?」
「娘が二人……」
 独身のSが心配そうにNを覗き込む姿が、私の中のNの寂しさをあふれさせた。
「でも、Nさん。Y先生に比べれば……ね」
「ああ」

 私の知らない話を二人は知っている。
「Y先生、何かあったのか?」
「澤谷さん、本当に知らないの?」
「俺も長い間、行方不明にされていたけど、澤谷も学生運動をやって以来、警察に追われ続けている、というまことしやかな噂が流れていたからな」
「ワハハハ……。しかしそれは、Y先生を中心に緊密に交流のある同窓生たち、ということの証明だよ」
 Sの話は、こうだった。
 Y教師の奥さんは、同じ教師をやっていたが結婚して家庭に入り、教師を辞めた。二人の娘さんがいる。奥さんは27歳のときに白血病で亡くなった。
 Y教師は再婚した。
「でも、前の奥さんを先生は忘れられない、と思うのね」
「それは確かだね。27歳で亡くなるわけだから、幻影がつきまとうかも知れない」

 2時間を越えての食事は終わった。
 Nは、近くの置屋などがある情緒ある町並みを案内してくれた。大石内蔵助が通った一力も詳しく説明してくれた。そこかしこにある黒塗りの格子は趣きがある。祇園としての観光のためもあるのだろう。
 Nは、インドの珈琲を飲みに行こう、と二人を誘った。
 土曜日の午後で多くの人で街はにぎやかだった。その中をNは、脇目もふらずに早足で歩く。Nの離婚の原因が分かったような気がした。
“奥さんは、歩幅を合わせて、楽しみながら、景色を分かち合って、歩みたかったに違いない”
 ほとんど確信的に納得した。

 Nは、黒胡麻珈琲を頼み、Sと私は炭焼き珈琲を頼んだ。
「地元では毎年のように、というか、年に何回か集まっている。Y先生が大学を卒業して教師になって初めて持ったクラスだからな」
「それはそうだけど他のクラスも持ったし、学校も変わったんだろう」
「俺たちのクラスだけらしいな。集まるのは……」
「地元以外では、東京で同窓会を一度やったわ」
「じゃあ、京都にみんなを呼んで、同窓会をやろうよ」
「いいわね」
「三人でそれぞれ企画してみて、近々企画を持ち寄って検討しないか?」
「企画会議だな」

 私は、同窓生の顔がなつかしく思い浮かんできた。Y先生をはじめクラスメートがいとおしく感じられ、いますぐにでも会いたくなった。
「黒胡麻珈琲は体にいいんだよ」
 Nは、自らを説き伏せるように言った。
「そういえば、クラスの仲間は4人亡くなった……」
「誰が亡くなったんだ」
「事故でX。それから二番目が女性のZさん。癌だった。それからVとW。内臓疾患と脳梗塞だった」
「男3人、女1人か……」
「クラスは49人だったかしら。先生入れて50人だったから」
「とにかく、京都で同窓会を出来るだけ早くやろうよ」

 自宅に帰ってきたのは、午後4時半を過ぎていた。
 出かけて帰るまで約6時間という短い時間だが、沢山の美しい絆にあたたかく結ばれているようなしあわせを感じた。
 30分くらい前に会っていたSとNに携帯を入れた。二人の声を聞き、京都で同窓会をやりたい、と心の底から込み上げてきた。と同時に、Sは12年ぶり、Nは39年ぶりに会った感慨を覚え、おしつぶされるほどの切なさといとおしさが内からあふれだし、涙がこぼれそうになった。(完)
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同窓生との絆(前編)

2013-05-17 | 
おはようございます。

みずみずしくきよめられたまっさらさらの朝が訪れました。新しい朝です。希望の朝です。

本日は2007年5月18日の記事から抜粋させていただきます。


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 高校2年・3年とクラスメートだったNから電話がかかってきた。Nは大阪にいる。
「地元に帰ることがあり、クラスのY教師や同窓生に会ってきた。是非、一度会って話がしたいのだが……」
 という。晩秋のことだった。
 12月の初めに会う約束をしたが、私は時間がとれなかった。

 一月末に再びNから電話があった。
「Sさんも京都にいるから三人で会いたい。ついては、2月3日の土曜日はどうだろうか? Sさんはいいといっているんだが……」
「Sさんも京都に……。大丈夫だ。いいよ。どこで会う?」
「八坂神社、知ってるよな?」
「ああ」
「京阪の四条から八坂神社に突き当たって右に折れると、“かに家”というかに専門店があるから、そこに11時半に来てくれ、予約はしておくから……」
「分かった」

 節分の日、私は祇園に向かった。
 京阪宇治駅発10:30の電車に乗り、中書島に乗車時間15分で到着。10:53発の特急に乗り換えて四条駅に11:03に到着した。少し時間があるので八坂神社に参拝に行ってみようと思った。
八坂神社は、節分祭だからなのか、沢山の人が本殿の前の舞殿(まいどの)というのか神楽殿(かぐらでん)というのか、そのまわりを囲んでいた。三人の巫女が刀をさげて舞っていた。
 今日は節分。節を分けると書く。一つの区切りであり、季節の変わり目を示している。それで明日は立春。春なのだ。
 陽の光にあたたかい感じがした。四条から歩いてきたからかも知れない。
 京都の祇園などあまり来たことはない。
 八坂神社から歩いて1分もかからない「かに家」の前には、笑顔のNが待っていた。
「Sさんはすぐ来るから部屋に入っていよう」
 四階の個室に通された。Sは、それこそ一歩違いで部屋に入って来た。
 乾杯をし、「かに会席」に舌鼓をうち、話ははずんだ。
 高校時代のクラスメートの一人Sは、女性であり、高校を卒業して27年ぶりの同窓会で会っているから12年ぶり、もう一人Nは、男性であり、卒業以来だから39年ぶりに会った。

 Sは、12年前に会ったときは某銀行に勤めていた。
「京都に来たのは、銀行の関係?」
「違うの。もう二年も京都にいるんだけれども、京都女子大に通ってるのよ」
「大学に通ってるって? 銀行は?」
「退職したわ。現役の大学生よ。二年生」
 彼女は、銀行を退職した。本当にやりたいことをやりたい、と思ったからだという。55歳で大学生になったのだ。私はその勇気を賞賛した。
「Sさん、これから人口が減少していく日本で、高齢化と少子化が避けられないといわれているけれども、団塊の世代が退職を始めて、その世代が本当にやりたいことをやりたいって思っているわけだよね」
 Nが口を挟んだ。
「そう言えば、宇治にエレキの時代の人たちが集まるおばんざいの店を夫婦でやっているって、TVでやっていたよな」
「ああ、見た、見た。先週の土曜日か日曜日だった」
「一度、三人で行ってみないか?」
 Nも、実はやりたいことをやりたいのだ、と私は感じた。Sが言った。
「澤谷さんは、何がしたいの?」
「そうだな。我々が還暦の時の学校全体の同窓会での講演かな。その講演内容は“本当にやりたいことをやる”なんて演題で話してみたいね」
「う~ん。我が同窓生は、何せ25周年の同窓会で修学旅行を再現して20名ほどで廻ったそうだから……。本当にやりたいことをやる連中ではあるな」
 Nの言葉にSが反応した。
「その旅行、私も参加したわ」(つづく)

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黒部 真理子さんの

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