絆の法則

澤谷 鑛

三つの背景に一つの視点(前編)

2013-07-09 | 教育
おはようございます。

みずみずしくきよめられたまっさらさらの朝が訪れました。新しい朝です。希望の朝です。

本日は2008年6月16日の記事から抜粋させていただきます。


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三つの背景に一つの視点(前編)
                                 澤谷 鑛

 その事件の起こる4日前の『産経新聞』(6月4日)の「正論」に、犯罪心理学者・作田 明氏(聖学院大学客員教授)は、「凶悪犯罪多発の3つの背景」とのタイトルで書き記しました。

 その事件とは、あの6月8日の秋葉原の無差別殺傷事件です。
 最近、JR常磐線荒川沖駅での通り魔事件(1人死亡・7人重軽傷)、18歳の少年による駅のホームからの突き落とし殺人事件、都内マンションでの女性バラバラ殺人事件、など凶悪な事件が発生しました。

 作田氏の論文は、3つの小見出し「優秀だが挫折も経験」「小さなストレスに弱い」「再チャレンジできず」で纏められています。

「優秀だが挫折も経験」には、「加害者と被害者との間に全く関係がなく、金銭、怨恨など通常心理学上合理的な動機がほとんど存在しない」とし、「欧米とくに米国に無差別的殺人が増加する中で、いわゆる無動機的犯罪についての心理的メカニズムの探究が進んで」いると説明しています。
 その無動機的犯罪の共通点は、「男性の単独犯」「若い人」「単身者」であるか「家族と同居していてもあまり接触せずに孤立した生活」にあるといいます。「無職」のものも多く、「小、中学校の成績は必ずしも悪くないし、中には非常に優秀であった者も少なくない」し、「高等教育を受けるようになるまでに挫折した体験」を持つ人が多く、そのため「不本意な就職」や「定職につかなかった」人が少なくないといいます。

「小さなストレスに弱い」では、彼らの問題点を浮き彫りにしています。
「比較的普通以上の知的資質を持って生まれ育って」おり、「経済的にも困窮しているわけでもなく」、「長男であるケースも多い」から「幼い頃から両親の期待を担って成長」していることが多いといいます。ところが、「幼少期に両親から甘やかされて育った結果、脆弱な性格」であることが多く、「比較的小さなストレスでも克服することが難しく、挫折しやすい」というのです。
 また、「過去の成功体験から失敗・挫折によるトラウマはふつう以上に大きく」感じられるのです。すると「他者とのコミュニケーションを避け」ようとし、本人の「焦燥感は強まり」そのうちそのような「みじめな状態が他者によるもの」と考えるようになります。このような「他罰的感情の高まりが、やがては社会や自分以外の人間に対する攻撃へと発展」するといいます。中には「自暴自棄」となり、真剣に「自殺を考える」ようになる者もあり、「死刑になりたかったので人を殺した」という者もあり、「間接自殺といわれる心理」で犯罪学的には珍しいものではないのだといいます。「自殺を選ばず、他殺を選ぶのは彼らの反社会的パーソナリテイー」なのですが、もともと「甘やかされ」て「苦労を知らず」に育てられた彼らは「自己中心的」であり、「社会的孤立から情緒的交流への志向を失った」といいます。更に「自らの境遇が不当に悲惨なものと思いこむ」ことにより、「人類に対する憎しみ」が強まるのだといいます。

「再チャレンジできず」では、日本の凶悪犯罪多発の3つの背景に迫っています。
 ひとつは、「家族構造の変化」であり、それは「核家族化」「少子化」が戦後60年以上を経て、「数世代に及んで固定化」しつつあり、「家庭が崩壊状態になる」と「子どもたちはいきなり社会に投げ出され、おおきなストレスを受けることになる」といいます。「親族や地域社会のサポートが弱い」ことも事態を深刻化させるのだといいます。
 もうひとつは、「失敗、挫折した人々が再チャレンジする機会が少なく、若くして絶望する人々を放置」している傾向があるといいます。
 三つ目は、「学校や家庭の状況がひ弱で対人能力を欠如した若者たちをふやし」ており、「豊かな情操や対人関係能力を養うのではなく記憶力や従順さを追求する風潮は個人の洞察力や判断力を失わせる」ことになり、「非行や犯罪への抑制力も減退」させるというのです。(つづく)

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本日オフィシャルブログでは、

澤谷 鑛先生の

「空じる ~心のデトックス~」と、

を掲載させて頂いてます。

その他オフィスより出版記念講演でスピーチをされる方の紹介をさせていただきました。

「醍醐千里(だいご ちさと)さんとYANAGIMAN(ヤナギマン)さん」


どうぞご覧下さい。

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いのちを考える(後編)

2013-05-31 | 教育
おはようございます。

みずみずしくきよめられたまっさらさらの朝が訪れました。新しい朝です。希望の朝です。

本日は2007年5月6日の記事から抜粋させていただきます。


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『産経新聞』の一面で一週間にわたり連載された「死を考える――[第3部] なぜ人を殺してはいけないのか」に出ていた話を続けてみる。

 生徒たちは、机の上に散らばる米を一粒一粒、真剣に数えていた。
 東大阪市立長栄中学校の山下文夫教諭(63歳)は、米粒を男性の精子に見立て、その中から「自分」を探させる。3億の精子のうち卵子に達するのはたったの1個なのだ。3億という数がどれほど大きなものなのか、ひとりひとりのいのちがどれほどすごい確率で生まれたのか、体感してほしいとのねらいなのだ。

 40人近い生徒が2時間かけて数えたのは3億にほど遠い10万粒――。
 ある男子生徒は、
「自分がこの世にいることが奇蹟だと思った」
 と感想文を読み上げた。山下教諭は、すかさず付け加えた。
「みんな自分のいのちの尊さは分かったと思うけど、隣におる子もそうなんや。自分の前後も、斜め横の友だちも、みんな3億分の1ということを考えてや」
 山下教諭は、2年前に定年を迎えたが、現在も非常勤で保健体育を教える。授業は「生と死の教育」(デス・エデュケーション)と名付けられている。

「生と死の教育」は欧米ではじまり、日本には昭和50年にドイツ人のアルフォンス・デーケン上智大学名誉教授(哲学)が紹介した。当初は、自分や身近な人が死ぬまでの日常をよりよく生きるとの意味から、「死への準備教育」と呼ばれたが、次第にいのちの尊さ伝えることに力点が置かれるようになった。「生」を教える「死」の教育というわけである。山下教諭もデーケン教授の著書を読んだ一人だが、授業の中身はほとんどが我流なのだという。

 米粒を数えさせた次の授業では、自分を中心に家系図を12代までさかのぼって書かせた。
「このうち1人が欠けても、君らはここにおらんのやで」
 山下教諭は言った。

 学校にツバメが巣を作り、卵を産んだ途端、小2の男の子がその巣にボールを当てた。理由を聞くと、こう答えた。
「巣がテレビゲームに出てくる基地に似てたから。卵はまた産めばいい」

 ある高校の保健体育の授業中、男子生徒が言い放った。
「彼女に自分の子供ができたら、おなかをボコボコにパンチして殺す」
 この言葉に教諭は耳を疑ったが、もっと驚いたのは、この生徒の意見に賛同する生徒がいたことだ。特殊な子ではなく、普通の子がそういう発想を持っている。

 なぜ人を殺してはいけないのか? そのような質問が出ること自体、わが国の社会は病んでいると言わざるをえない。米国の黒人作家、ジェームズ・ボールドウインに次のような言葉がある。
「子供は大人の話を聞くのはとても苦手だが、大人のマネをするのはとても上手である」

 どこまで子供と向き合えるか? なのだろうか? (完)




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本日のオフィシャルブログでは、

一心太助さんの

「血がつながっていない関係」

を掲載させて頂いてます。

どうぞご覧下さい。

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澤谷 鑛 ヒューマンライフセミナー in 東京開催!!

6/2中央区立産業会館10:00~16:00

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今回席が少ないので、この機会を逃さずに、今すぐお申し込みください。

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『いのちの教育の物語』発刊! (6月上旬予定)

このたび創立25周年の歴史と全国450箇所の教室を抱える七田チャイルド
アカデミー特別顧問であり、創立35周年を迎える(株)しちだ・教育研究所の
代表取締役社長である七田 厚先生との共著
『いのちの教育の物語』(七田 厚・澤谷 鑛共著/南方新社/1,680円(税込))
を発刊(6月上旬予定)させていただく事になりました。

http://www.kou-sawatani.com/

「出版記念講演会」を開催します。お誘い合わせの上、ご参加下さい。

京都 6月16日(日) 13:00~16:00 キャンパスプラザ京都 4F 第四講義室
名古屋6月29日(土) 13:00~16:00 ウインクあいち 9F 904号室
東京 7月21日(日) 13:00~16:00 TKP信濃町ビジネスセンター ホール2

 *京都・東京会場は、七田 厚先生と澤谷 鑛の講演があり、
  名古屋会場は、澤谷 鑛単独の講演会となります。

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「澤谷 鑛 & 横山奈津子 スペシャルコラボセミナー」in 京都
     ~しあわせな人生を創造する~

◎日時◎ 7月27日(土)13:00~16:00
◎会場◎ キャンパスプラザ京都 2F 第一会議室

受付開始しました。
http://www.kou-sawatani.com/sem-130727js.html

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いのちを考える(前編)

2013-05-30 | 教育
おはようございます。

みずみずしくきよめられたまっさらさらの朝が訪れました。新しい朝です。希望の朝です。

本日は2007年5月5日の記事から抜粋させていただきます。


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「なぜ人を殺してはいけないのですか?」
 数年前、ある公開討論会で客席の若者が何気なく発した質問に会場は凍り付いた。子供と正面から向き合おうと思っている大人ほど、その答えに窮した。

 もう16年も前のこと――黒田恭史さん(41歳)は小学校の新米教師だった。東能勢小学校(大阪府豐能町)で4年生の児童約30人とブタを飼う「授業」を始めた。
 ブタには「Pちゃん」と名前をつけ、子供たちが体育館の裏に小屋を建て、廃品回収で集めたお金でエサを買い与えた。夏休みや休日も交代で世話をし、排泄物の掃除もした。臭いにおいを嫌っていた子供もいたが、抱きついたり頬ずりするまでになった。Pちゃんはペットと化していた。

 ところが、この話は“美談”では終わらなかった。それは黒田さんが「みんなでPちゃんを食べよう」と提案したからだ。
 日に日に巨大化するPちゃんをめぐり、黒田さんを交えて子供たちは何度も何度も話し合った。それは、彼らの卒業の日まで続く長い長い「授業」でもあった。

 Pちゃんをどうするか? その結論が出るまで、子供たちは悩み、苦しみ、泣きじゃくった。
「私たちが卒業したら下級生が育てたらいい」
「それは無責任だと思う」
「じゃあ殺しちゃうの?」
「ずっと一緒にいられるわけないんや」
「僕らに食べられた方が幸せかも」
「でも私は絶対に食べない」

 黒田さんは、子供たちの議論を見守り、保護者も巻き込んだ大論争が展開した。動物園の園長を招いて意見を聞いたり、子供たちを食肉センターに連れて行き、ブタが食肉になる過程を見学させたこともある。

 ようやく結論に至るのは、卒業式の前日だった。
 Pちゃんは、地元の食肉センターに引き取られることになった。
 これらの模様は、民放TVのドキュメンタリーで放映され、当時すさまじい賛否を呼んだ。黒田さんはPちゃんの問題をきっかけに小学校の教諭を辞めた。現在は京都にある佛教大学で、教師を目指す学生たちと再び「いのちの教育」のあり方を探っている。

「今でもあの授業が成功だったのか、失敗だったのか、わからない。いのちの問題は答えが一つじゃない。その中で、あの子たちは逃げなかった。泣きながらも最後まで踏みとどまって考えていた。痛みを感じながら、Pちゃんの死と本気で向き合った経験は無駄ではなかったと思う」
 と黒田さんは言っている。

 妻に、この話をすると、
「肉食の問題の視点は、?エコロジーの視点(地球環境の視点)、?宗教的な側面からの視点、?栄養学的・健康的な視点、の三つあり、この話は?宗教的な側面からの視点と言えるわね」
 と言った。

 実は、この話は、『産経新聞』の一面で一週間にわたり連載された「死を考える――[第3部] なぜ人を殺してはいけないのか」に出ていた話である。
 因みに、今は[第7部]が連載されている。(つづく) 



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オフィシャルブログでは、

エンジェルさんの

「業の深い自分を無意識で正当化していることに気がついた」

山口 悟さんの

「バームクーヘンからの矢印」

を掲載させて頂いてます。

どうぞご覧下さい。

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澤谷 鑛 ヒューマンライフセミナー in 東京開催!!

6/2中央区立産業会館10:00~16:00

ヒューマンライフセミナー in 東京は5月、7月の開催がありません。
今回席が少ないので、この機会を逃さずに、今すぐお申し込みください。

http://www.kou-sawatani.com/sem-hls.html#sem01

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『いのちの教育の物語』発刊! (6月上旬予定)

このたび創立25周年の歴史と全国450箇所の教室を抱える七田チャイルド
アカデミー特別顧問であり、創立35周年を迎える(株)しちだ・教育研究所の
代表取締役社長である七田 厚先生との共著
『いのちの教育の物語』(七田 厚・澤谷 鑛共著/南方新社/1,680円(税込))
を発刊(6月上旬予定)させていただく事になりました。

http://www.kou-sawatani.com/

「出版記念講演会」を開催します。お誘い合わせの上、ご参加下さい。

京都 6月16日(日) 13:00~16:00 キャンパスプラザ京都 4F 第四講義室
名古屋6月29日(土) 13:00~16:00 ウインクあいち 9F 904号室
東京 7月21日(日) 13:00~16:00 TKP信濃町ビジネスセンター ホール2

 *京都・東京会場は、七田 厚先生と澤谷 鑛の講演があり、
  名古屋会場は、澤谷 鑛単独の講演会となります。

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「澤谷 鑛 & 横山奈津子 スペシャルコラボセミナー」in 京都
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◎日時◎ 7月27日(土)13:00~16:00
◎会場◎ キャンパスプラザ京都 2F 第一会議室

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  • 2015/4/26(日)『澤谷 鑛・入江富美子 出版記念ジョイント講演会』in京都
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