横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

赤ちゃんメリー(SMD Trの交換)

2018-09-08 16:23:16 | 活動の記録
まだまだ、残暑が続きますね。今日は、菊名地区センターでの活動でした。

12件のおもちゃを修理しましたが、その中の一つ、赤ちゃんメリーの修理を紹介します。
持ち込まれたおもちゃは、これ。赤ちゃんベッドの脇につけ、優しい音楽を流し、ゆっくりと回るモールで赤ちゃんを眠りに誘います。


故障内容を聞いたところ、音楽はなるのだけど、モールが回らないとのこと。ギヤボックス内の故障か、モータの固着かなと推測しました。しかし、基本動作から始め、電池の電圧を測ってみると、1.2V。これが原因かもと思って、電池を入れ替えてみましたが、モールは動きません。それならと、中を開け、モータに電圧がかかっているか調べてみると、モータには電圧はかかっていません。これが原因です。つまり、ギヤの破損とかモータの固着ではなく、回路上の問題であることがわかりました。

まずは、モータと基板をつないでいるリード線を調べてみましたが、異常ありません。ということは、基板内の問題であることがわかりました。モータのリード線がつながっている+側は電圧が出ていまが、−側が浮いています。そこで、ピンセットで−側とGNDをショートしてみると、モールが動き始めました。ここをジャンパしてしまえば、モールは動くのですが、本体にある押しボタンでON/OFFすることはできません。もう少し、基板を眺めていると、小さな表面実装タイプ(サーフェースマウントデバイス:SMD)のトランジスタ(Tr)を見つけました。これが故障しているのでした。基板は、こんな感じになっていました。


SMD部品は、とても小さく、人手でハンダつけすることはできません。でも、普通のハンダコテで取り去ることはできます。そこで、SMDのTrを取り去ってしまい、通常のTrをつけることにしました。NPNのTrは、平らな面を前から見て、左からエミッタ、コレクタ、ベースの足が出ています。これをエクボ(ECB)と覚えます。間違えやすいのが、海外製のTrで、足が違います。今回は海外製のTrをつけました。


国産と海外のTrは、こんな風に違います。


この赤ちゃんメリー、時々修理するのですが、今回の故障内容は初めてでした。直った赤ちゃんメリーを動かして、優しい音楽をしばらく聞いていると、とっても心が落ち着きました。これなら、赤ちゃんも気持ちよく眠ってくれるでしょう。



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