こまちのさすけね亭

ひだまりを 拾って歩く お年寄り

2024年5月の映画

2024-05-30 | 映画
今月も、劇場で観た作品の中からおすすめを紹介します。

今回は1本です。

◎クリスティアン・ロー監督『リトル・エッラ』(スウェーデン/ノルウェー、2022)

サッカー大好きな小学生の女の子エッラが主人公。

子供目線の作品は本来あまり好みではないのですが、本作は優しくてあたたかくてホロリとさせられました。

友達となかなかうまく付き合えないエッラはトミーおじさんが大好き。

そのおじさんが恋人(男性)を連れて来たことで巻き起こる様々な出来事が描かれています。

エッラはふたりを別れさせようといたずらを仕掛けるのですが、それがひどすぎて見るに堪えないというレビューもちらほら。

個人的には、まあ映画だし!と思えました。

いたずらが子供だましレベルだったら、大人の鑑賞には堪えません。

とことんやらかしてくれたから、子供向けの作品にならずに済んだと思います。

エッラの得意なサッカーもうまく取り入れられていました。

それぞれのキャラクターも個性的でおもしろいです。

構成は王道かもしれませんが、良くできた脚本でした。

鑑賞後は満たされた気持ちになれます。

前向きになりたいときに観るのがおすすめです。





2024年4月の映画

2024-05-15 | 映画
毎月恒例の映画記事です。

2024年4月に劇場で鑑賞した作品の中から、ぜひ観ていただきたいおすすめ作品をご紹介します。

4月は、行きつけの映画館のうち1館の閉館後初めての月でしたが、これまでと変わらず本数を稼ぎました。


◎藤田直哉監督『瞼の転校生』(日本、2023)

大衆演劇がテーマの作品。

昨年、同じく大衆演劇を扱った『邯鄲の夢』がとても良かったので、期待して鑑賞しました。

結果、本作も素晴らしかったです。

主人公は、演劇の世界で生きていくことを既に心に決めている男子中学生です。

まっすぐな思いに心打たれました。

単なる友情とも呼べない、友達との関係性も絶妙に描かれ、素直に胸に入ってきます。

主演の松藤史恩さんが小動物のようにキュートで、いかにも舞台化粧が似合う涼し気な目元とすっきりした顔立ちでした。

大衆演劇の世界にいたら売れっ子になっていたことでしょう。


◎セルジオ・レオーネ監督『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』(イタリア/スペイン/西ドイツ、1966)

マカロニ・ウエスタン誕生60周年を記念して上演されていました。

私はイーストウッドファンですが、ドル3部作の中では『荒野の用心棒』しか観たことがありませんでした。

今回、夕陽のガンマンを2本鑑賞しました。

どちらかといえば、続の方が私は好きでした。

前作の続き物ではありません。

上映時間は178分もありますが、次々と場面が変わるので気になりませんでした。

間違いなく名作です。

エンニオ・モリコーネの音楽も素晴らしかったです。


◎山下敦弘監督『カラオケ行こ!』(日本、2024)

邦画でここまで笑えた作品は久し振りでした。

合唱部の男子中学生がヤクザにカラオケ指導をするお話です。

ふたりがお互いを変なフィルターで見ることなく、ひとりの人間として尊重して接していて、徐々に絆が深まっていくところが良かったです。

『瞼の転校生』にも出演していた聡実役の齋藤潤さんの歌唱が素晴らしい!

「紅」を聴いて泣きそうになったのは初めてでした。

後日、たまたま美容院にあった原作漫画を読みました。

シュールな感じで、原作の世界観が劇場版でうまく表現されていました。

原作にはないエピソードなども追加されていたようでした。

私のようにカラオケ好きであれば、きっと劇場版も楽しめると思います。